ラブライブ!Ω/UC 外伝 ラブライブ!アイランドスターズ!! 作:la55
そして、2018年、Aqoursがラブライブ!冬季大会に優勝し、廃校となる自分たちの学校の名をラブライブ!の歴史に残すとともに自分たちだけの輝きを見つけた、その年、建造は長年の夢、大地の夢であり、奏が褒めてくれた夢、九龍島に一大リゾート地を造る夢を叶えるために動き始めた。くしくも建造にとって2つの追い風が吹いていた。1つ目は土居建設を大手建設会社とまでもいかなくても立派といえるくらいの大企業に育てたこと、2つ目はIR法の成立である。IRとは本当の名前を総合型リゾートという。国際会議場、展示施設やレストラン、劇場、映画館、アミューズメント、スポーツ施設、温浴施設、そして、地方自治体への申請が必要だがカジノの併設をも認めるリゾートのことである。建造はリゾート開発をするための切り札としてIRを整備できるようにする法律、IR法の成立を待っていた。それが2016年末に成立した。建造はその切り札を使って九龍島にIR施設を造ろうと考えていた。
そんな追い風であっても建造は長い時間をかけてリゾート開発の計画案を練り上げていた。誰にも反対されることのない、それほど立派な案だった。
が、それであっても必ず反対するものはあらわれるものである。建造は満を持して取締役会でこのリゾート開発の計画案を発表した。
「え~、このようにわが社としては全社一丸となって、南の島に一大リゾート地を造る、そのような気持ちで立ち向かいと思います」
この建造の言葉のあと、建造はここにいる全員が賛成してくれると思っていた。
が、その予想とはかけ離れたものとなった。
「ちょっとなにを考えているのですか、社長」
「わが社をだめにするのですか」
「いまどきリゾート開発なんて古いですよ」
と、反対意見の応酬だった。これには建造はたじろくしかなかった。
では、このときでた反対意見の根拠はなんだったのか。それは大きくわけて3つあった。
1つ目は過去の事例からだった。まえにも話したように、バブル景気のとき、全国各地で地域振興のためのリゾート開発が行われていた。が、その多くは失敗に終わっていた。たとえば、ハウステンボスは入場者数があまり集まらず、1度倒産に近い会社更生法を受けた。その後、大手旅行会社の手に渡り、その会社の支援により今の盛り上がりを見せている。また、宮崎のシーガイアも1度会社更生法を受け、今は大手ゲーム会社のもとで経営している。一方、北九州のスペースワールドはいろいろと努力をしたが、どうすることもできず、2017年末、惜しまれつつも閉園した。そんな事例が全国各地で起こっていた。
2つ目はIR法の内容だった。IR法ではギャンブル依存症を懸念する動きにより、IRの設置箇所を3箇所と明記していた。なぜなら、IRにはカジノ場が設置されているから。また、そのカジノ場を設置することに関しては住民から反対意見がでるのは必須。そのため、そのための対策をとらないといけないのだが、その力が土居建設にあるかという心配だった。
そして、3つ目は、たとえカジノ場を含むIRを造ったとしても、うまく経営できるかである。とくにカジノ場は日本だけでなく、韓国、マカオなどにも存在する。とくにマカオはアメリカのラスベガスと並ぶカジノが盛んな地域、近年、新しいカジノ場の設置が続く。マカオにとってカジノは一大産業地といえる存在だった。また、アメリカの東海岸にあるある都市はカジノによって昔潤っていた。が、まわりにある州がカジノ場の設置を認めたため、その都市のまわりにある町や都市に新しいカジノ場が次々と設置されていった結果、その都市にあるカジノ場は次々と潰れ、しまいにはその都市は急激に寂れていったという事実があった。
だが、それでも建造はひるまなかった。
(九龍島に一大リゾート地を造るという夢は大地が道半ばで果たせなかった夢。それを俺が引き継ぎ、それを奏が褒めてくれた。それほど俺にとって絶対に叶えたい夢なんだ。これまでやってきたことはこの夢を叶えるための布石にすぎないのだ)
そう思った建造は反対する役員たちを解任させることすらいとわず、力でもって強引に認めさせた。それを見た人たち、特に会社のために一生懸命働く建造の姿を見て感動して入社してきた、また、建造のために働きたいと建造のもとに集まってきた人たちは土居建設の行く末に不安を感じ、また、昔の姿とはちがう建造の姿を見て、次々と建造のもとを去っていき、その結果、建造のもとには建造のイエスマンしか残らなかった。
そして、建造は会社内でIR建設というリゾート開発案を承認すると同時に、それを進めるための行動を起こした。まず、IR法の定める3箇所という設置場所に選ばれるために建造は中央省庁、政治家、建設業界への働きかけを強めた。中央省庁への働きかけを強めるのに使ったもの、それがお金、ぞくにいう賄賂だった。
「必ずわが社を選んでください。よろしくお願いします」
と、連日、建造は中央省庁に挨拶回りをする。その都度賄賂を渡していたらしい。さらに、九龍島のある鹿児島県にも十分といえるくらいの挨拶回りをしていた。ただ、このとき、賄賂は渡していない。そのかわり、南の島にIR施設を造りたいとずっと言い続けていた。県としてもIR施設という魅力的なものをちらつかせてはなにもいえない。むしろ、絶対欲しいと思っているかもしれなかった。だって、そんなものあれば地域振興におおいに役に立つから。
ただ、これに危惧していたのは奏の父、大物政治家だった。
「このままだと建造君、君の身が危なくなる。やめなさい」
と、大物政治家は建造に忠告するも、建造、
「それには心配ございません」
と一蹴してしまった。これには大物政治家は怒ってしまい、自分の力を使って建造の働きかけを阻止しようとしていた。だが、建造は大物政治家が思っていた以上の大きなパイプ、人脈を中央省庁、政治家、そして、建設業界に持っていた。また、政権交代などで大物政治家の影響力はかなり小さくなっていた。これにより、大物政治家の建造への邪魔は失敗に終わった。
こうして、建造はいろんな障害を強引にはねのけつつ自分の夢、いや、自分と大地の夢を叶えるために着々とリゾート開発に向けた下準備を進めていた。
その一方で、建造はあることを別に進めていた。それが自分の学校を作ることだった。それはある教育関係者との会話のなかで生まれたものだった。スクールアイドルのイベントのとき、たまたま建造はそのイベント会場に来ていた。そこで、そのイベントに参加しているスクールアイドルが所属する高校の理事長と会い、いろんなことを話して会話が盛り上がっていた。そんななか、その理事長が建造にあることを言った。
「建造さん。ところで、建造さんはスクールアイドルを育ててみてはどうですか」
これには建造、
「スクールアイドルを育てる?」
と、寝耳に水状態に。まさか自分でスクールアイドルを育てるなんて考えていなかった。これを見た理事長は続けて、
「スクールアイドルはいいですよ。だって、そのスクールアイドルが有名になれば、それだけで学校は有名になる、今をときめく学校ってね。それに、野球やサッカーといったスポーツみたいにお金をかけなくて済む。練習場を整備しないといけないのと、指導者を呼ばないといけませんが、お金がかかるのはそれくらい。安い投資で高い利益をうむ。スクールアイドルっていいことずくめですよ。ちなみに、廃校の危機をスクールアイドルの力で救ったという話もあります」
と言うと、建造、
(スクールアイドルを育てるか。そのことを考えたことがなかったな)
と思うと、すぐにある妙案が生まれた。
(そうだ。自分のための学校を作ろう。そして、そこで自分でスクールアイドルを育てよう)
学校を作る、なぜ建造はそう思ったのか。それには理由があった。それは自分の後継者、会社の担い手をつくるためであった。だが、建造には多恵という娘がいる。そして、多恵には自分の夢を継がせるため、後継者として帝王学、さらにはピアノやダンスを習わせていた。それでも建造は後継者を欲した理由、それは多恵に何かが起こったときのための保険と、その多恵を支える人たちを育てること、そして、人手不足に陥っている建設業界、そして、土居建設に自分が育てた若者たちを供給するためだった。さらには、その学校を有名にするためにスクールアイドルを活用すれば、少ないコストで大きなリターンが見込める、それが建造の考えだった。また、自分の手で今をときめくスクールアイドルを育てることにも魅力を感じていた。
ということで、建造はさっそく学校の許可申請をすることに。だが、少子化が叫ばれる現代日本、そうやすやすと認可がおりるわけではない。
「う~ん、予想はしていたが、これほど難しいとは」
と思った建造はラブライブ!などで得た中央省庁や教育業界に対しても賄賂攻勢に出つつも、ちゃんと表では、
「人手不足が続く建築業界に立派な若者たちを育てて送ることでもっと建築業界を盛り上げたい」
と、みんなのまえで力説した。
そのおかげもあり、無事?に学校の認可がおりた。そのこともあり、建造はさっそく学校をつくることになった。学校の内容は男女共学化を前提とした女子高であり、将来世界中で活躍できるよう、英語や国語、簿記などを中心にしたカリキュラムを編成し、建築業界のためにと建築関連の教科も勉強できるようにした。
それから2年の2020年、建造はついに自分の学校、土居建造記念高校を開校させた。厳しい試験を突破した優秀な生徒たちを見た建造、
(これで俺と会社、それに建設業界は安泰だ)
と思い、安心の表情を見せた。
そして、もう1つ、スクールアイドルの育成について、建造は時をかけた。学校のほうはまず開校することを1番の目標としてスクールアイドル関連の施設以外の施設を先に建設した。そして、開校すると同時にスクールアイドル関連の施設の建設に着手した。建造はスクールアイドルを育てるなり、いままでにない究極のスクールアイドルグループを作ろうとしていた。なので、施設についても妥協はしなかった。体力づくりに使うジム、体を休める大浴場、メンバー同士が一緒に生活する寮など。しまいにはどんなときでも公園できる小劇場すら完備させた。
コーチ陣についても妥協せず。建造は教育業界のつてをたよって芸能界や演劇界で名がとおった人たちを自らスカウトした。むろん、高い給与を保障した。また、教師たちについてもスクールアイドルに造詣が深い人物を建造自ら選んでスカウトした。なかには、A-RISEのメンバーに直接重合したことがある方やμ‘sのメンバーに対して生徒指導していた方もいた。
そして、スクールアイドルのメンバーの人選も建造自ら行った。建造は3年かけて優秀なスクールアイドルの原石となる人物を探し続けた。
そんな原石探しが佳境になるなか、建造はある地方で有名なローカルアイドルの練習場を見学していた。
「ほほう。これはすごく美しい動きですね」
と、建造は振り付けの練習をしているローカルアイドルたちを褒めていた。それにコーチ、
「いや、褒められては、私としては光栄です」
と照れる。そんなときだった。
「あれ、あの子、ほかのメンバーよりもとても上手ですね」
と、建造はある研究生を褒めるが、そのコーチは意外なことを言う。
「あの研究生ですね。あの子は伊藤ルナ、中3です。たしか、誰よりもうまいです。それに歌もうまい。昔までは将来のセンター候補でした」
これには建造、
「将来のセンター候補でした?」
と聞き返すと、そのコーチはすぐにあることを言った。
「はい、たしかに昔は将来のセンター候補でした。あの子は天才肌というか、数回練習するだけで完全に踊りや歌をマスターできます。それ以上に、練習することでそれ以上のことができてしまう。のですが、あの子、ルナは天才肌ゆえにまわりとコミュニケーションをとることが難しいのです。コミュ障害というべきか、あんまりまわりのメンバーとは仲が悪く、それが軋轢となっていろんな嫌がらせを受けました。上層部もルナを無視する始末。孤立無援のルナにとって今のグループにいても仕方がないと、ルナ自身は中学卒業と同時にローカルアイドルを卒業しようとしてます」
これを聞いた建造、
(ローカルアイドルをやめるだと。あんないい原石をそのままにするのはもったいない。能力的に高いし、天才肌か。ある意味、アイドルとして生まれてきた人材だ。そんな人材、ぜひ欲しい。私が立派に育てて立派なスクールアイドルとして磨き上げれば絶対にトップにいける、俺はそう思う)
と、ルナを自分が育てるスクールアイドルのメンバーとして引き入れることを決めた。
こうして、建造はルナをスカウトすると同時に、同じく一度見ただけで踊りなどを完コピできる天才のレン、いつも分析したがるカレンをスカウトし、そのメンバーでスクールアイドルグループを結成することを決めた。
そして、ルナたちが入学式を迎えた日、建造は直接としては初めてルナと対面した。
「私の名前は土居建造」
と、ルナに挨拶するも、ルナは、
「よくご存知ですね。相当私のことを調べているのですね」
と警戒していた。が、建造は昔、ルナがローカルアイドルのグループ内でいじめられたことについて、
「それって、君(ルナ)が悪いんじゃなくて、ローカルアイドルのほかのメンバーと上層部が悪いんじゃないかな」
と、ルナに同情するとともに、
「ルナ君、君にはその舞台(天才、つまり、ルナのための舞台)を用意しよう」
「君(ルナ)にはトップアイドルになるための支援を惜しみなくおこなおう」
と、ルナにいろんな約束をすると、ルナはいきなり、
(建造様、私はついていきます)
と、思うくらい忠実な僕になってしまった。
このあと、建造は自分、そして、大地の夢であるリゾート開発の申請許可を得るための十分な根回し、というか、賄賂攻勢をしつつ、ルナたちスクールアイドル3名を育成していくことになる。最初のころはルナ、レン、カレン、ともに不仲だったが、合宿と称した高級旅館に3人は招待し、3人一緒に貸切風呂にいれたりしたことで3人のなかで意見の総意を得られたらしく、メンバー間の不仲も解消し、3人ともさらなる練習に明け暮れていた。それを見た建造、
「よしよし、3人とも頑張れ」
と、陰から応援していた。
そして、2022年夏、建造に2つのいいニュースが飛び込んできた。まず、政府が最後までもめにもめたIR施設の3箇所目の設置場所に土居建設が進めていた九龍島に決定したことだった。これは建造が中央政庁の高官や政治家、建築業界に賄賂を送り続けていただけでなく、十分な根回しをしてきた結果だった。しかし、すんなりと決まった1箇所目と2箇所目に比べ、3箇所目の九龍島は誰もが知っている場所じゃない。知名度がまったくなかった。それは建造も知っていた。九龍島の知名度、そして、IR施設を設置するということをどう世間に広げるか、それが建造の悩みだった。
そして、もう1つはルナたちバックスターが鮮烈なデビューを果たしたことだった。それは建造が仕掛けたイベントだった。ルナたちバックスターと3人が以前所属していたローカルアイドル3組を東京にある某有名野外ステージで対決させるものだった。そのイベントは無料だったが、事前申込による抽選のかたちをとった。だが、抽選とは名ばかりで、実は土居建設が作為的に観客を選んでいた。特にスクールアイドルを応援している人たち、スクールアイドル業界の関係者、芸能関係者などなど。それも会場では目だっていなかったが、当選はがきにはでかでかと「新スクールアイドルお披露目ライブ」と書いてあった。とはいえ、観客全員ルナたちバックスターはおろかルナたちのことすらなんにも知らなかった。また、へたならすぐに批判するぐらいのつわものたちだった。それでも建造は信じていた。
(ルナたちよ、おまえたちは絶対に勝てる。そして、このイベントをきっかけにスクールアイドル業界にルナたちバックスターの名は轟くだろう)
これにはわけがあった。建造は自分の力でもって究極といえるスクールアイドル、バックスターを作って育ててきた。たとえ短い時間でも、誰もが文句言わせないほどの超一流の設備やコーチ陣でもってルナたちを育ててきたのだ。それにルナたちは天才である。普通のアイドルにはない高い能力の持ち主たちである。だからこそ負けるわけがない、と踏んでいた。また、慣れないステージに対する特訓も行っていた。
結果、ルナたちバックスターは圧倒的な力でローカルアイドルたちを倒した。これにより、バックスターの名は日を追うごとにひろがりをみせるほどスクールアイドル業界に激震が走った。バックスターの名はどんどん世の中に知られるようになる。バックスターの知名度が日に日にあがっていくことに建造は満足していた。