ラブライブ!Ω/UC 外伝 ラブライブ!アイランドスターズ!! 作:la55
ルナたちバックスターの鮮烈なレビュー、それはいい意味で建造に味方した。ルナたちがライブを行うごとにファンを獲得していき、そのファンのなかには「バックスターはμ‘s、A-RISEの再来」といって騒ぐ人たちもでてきた。それとともに、ファンのなかにはそのルナたちバックスターが所属している土居建造記念高校、そして、その理事長、土居建造が社長を務める土居建設に好感をもつようになっていった。スクールアイドルを応援し、自らもスクールアイドルを作ってみんなと一緒に盛り上げていく、そんな会社に見えていた、だってラブライブ!だけでなく、スクールアイドルのイベントには必ず協賛しているから、といっているファンもいたらしい。
こうしたなか、ルナたちバックスターは「ニューカマー」「スーパールーキー」といわれるようになっていった。そして、2022~23年冬、バックスターはラブライブ!冬季大会に臨んだ。その結果、無事に決勝に進出し、Saint Snowと同じ初出場8位入賞の成績を残した。
が、ルナたちはその成績に満足していなかった。終了後、
「やったではないか」
と、ルナたちに喜びを伝える建造だったが、ルナたちからは、
「なにが8位ですか」
と、悔しい表情で言っていた。なぜかと建造はルナたちに聞くと、
「もっと(上に)いけると思っていました」
と、本音をポロリとだす。これを見た建造、
(これほどルナたちに向上心があるとは知らなかった。なら、どんどん鍛えていくことでルナたちは次回のラブライブ!で優勝できる実力を持つことができる。しかし、ラブライブ!は会場とネットの投票によって決まる。今回は8位だったが、よく考えると、バックスター以上の知名度、人気を持つスクールアイドルが上位にいるのでは。そう思うと、バックスターの知名度、人気をあげて、なおかつ実力があがれば、ラブライブ!で確実に優勝できる、そうしてら、俺の土居建造祈念高校、そして、土居建設の名はもっと知れ渡る)
と思うと、すぐにあることを思いついた。それは悪魔の思いつき、と、あとの人たちはそう呼んでいる、そんな思い付きだった。その思い付きとは、
(そうだ。バックスターを使って土居建設と大地と俺の夢である九龍島のIR施設、リゾート施設の宣伝をしていこう。そうすれば、バックスターの知名度、人気があがっていくごとに土居建設とIR施設、リゾート施設の知名度もあがっていくはず。それでいて宣伝コストも2つ別々宣伝することによりも安くなる。ルナたちの実力はどんどんあがっていくはず。それにつられてバックスターの知名度と人気、土居建設や九龍島のリゾート施設の知名度もあがっていく。俺と大地の夢は大いに進む。これは妙案だ)
と、建造は納得の表情。でも、土居建設は別として、九龍島のリゾート施設の宣伝をバックスターとあわせてするのだろうか。それは上から、もっと言えば九龍島のIR施設の設置を認めた中央政庁からの圧力だった。IR施設の認可を受けたとき、新聞などでは「鹿児島の南の島」とだけしか発表してなかったのだ。そのとき、土居建設は九龍町の地方議員たちに対して十分な根回しができていなかったため、いきなり「九龍島」と言ってしまうと、九龍町自体大混乱が生じてしまい、住民たちの猛反対により計画が白紙になりかねなかったからだった。が、いくら待っても九龍島のリゾート開発の主施工主の土居建設がいつもIR施設を設置する場所を「鹿児島県の南の島」としか言っていないため、中央政庁はあまりの遅さに痺れをきらしていたのだ。
「いつになったらIR施設の設置場所を発表するんだ」
と、いついかなるときでも電話をしてくる中央政庁には建造も、
(もう少し待てないのかね)
と、思うくらいだった。でも、ラブライブ!冬季大会決勝の前日、九龍島にいる社員から、
「ようやく根回しが終わりました」
という情報を受け、建造は本格的に自分の、そして、大地の夢である九龍島でのリゾート開発に着手できると思うとともに、九龍島、そして、そこに建設するIR施設、リゾート施設の知名度、認知度という認可がおりたときからの懸案事項をどうクリアできるか考えていた。
(ルナたちバックスターと九龍島のリゾート開発、2つの知名度をあげるビッグチャンスだ。それが成功すれば、バックスターはトップアイドルの仲間入り、そして、九龍島のリゾート開発も盛り上がりをみせてくれる。俺の夢、優秀なスクールアイドルを育てる、そして、俺と大地の夢、九龍島に一大リゾート地を造る、両方とも叶えることができる。ハハハ)
こう思った建造は8位という成績を残したルナたちに対しこう言った。
「ルナ、レン、カレンよ。おまえたちはもっと強くなりたいか。もっと強くなるなら、私はどんどん支援していこう」
この言葉にルナたちは驚くも具体的な内容を聞く。建造は今よりハードな練習をして、ただの天才から努力する天才に鍛えることで実力を伸ばすとともに、土日祝、建造がとってきた営業、とくに大きなイベントに参加して、より知名度、人気を獲得できるようにすると伝えると、ルナはすぐに、
「はい、わかりました」
と喜んでいた。しかし、建造はそのイベントで土居建設、九龍島のリゾート施設について少しでも目立つように、イベント会場やライブ会場で土居建設と九龍島のリゾート開発のポスターを貼ったり、それ関連のアナウンスをしたり、バックスターのグラビアページの前後に広告をのせたりすることで少しでも土居建設と九龍島のリゾート施設の知名度、認知度をあげようとした。
が、普通に宣伝してはあまり効果がないことを知っている建造は会社の高校宣伝費を大幅にアップさせ、それとともに営業を行った。その額、5億以上。あまり最近にないほどのとてつもない額がテレビ、ラジオ、雑誌、ネット、動画サイト、それにイベントなどに投入され、バックスターの知名度、人気アップとともに、土居建設と九龍島のリゾート開発についても少しずつではあるがあがっていった。
3月~5月、バックスターは建造がとってきた有力青年誌横断水着グラビア特集(これにも億単位の宣伝費がかかっています)や、GWや土日祝の大型イベント、全国各地でのライブツアーにより、SNSを中心に盛り上がりをみせ、知名度と人気はどんどんあがっていく。
一方、九龍島のリゾート開発についても進展がみられるようになった。秘密裏に九龍町の町議会は建造の賄賂や根回しによりリゾート開発を許可する条例を可決した。そして、土地買収を手がけることになった。
そこで、建造は奥の手をだした。建造の娘、多恵である。
「多恵よ、そこにいるか」
と、建造は多恵を呼ぶと、多恵はすぐに、
「はい、お父様」
と呼んだ。多恵はこれまで某有名高校において帝王学を学んできた。政治、経済などなど。さらに、人々との交流術なども学んでいた。勉学だけにおいては父建造に次ぐ実力を持っているとみられていた。
「少しはピアノやダンスは上達したかね?」
と、建造は多恵に言うと、多恵、
「それって必要なものなのですか。私にとっては少しも必要じゃないと思うのですが」
と、力強く否定する。これには建造、
(もう少しはピアノやダンスを愛してくれたら、妻、奏みたいに優しい子に育っていたのにな)
と、少し残念に思いつつも、すぐに多恵に指令をだした。
「多恵、いいか。来年度より九龍島に行って住民全員から土地を買収してこい。いいか、出来る限りはやく完遂させよ」
これには多恵、
「九龍島ですか。なぜ私が九龍島に行かないといけないのですか?」
と、建造に質問すると、建造は答えた。
「九龍島でリゾート開発すること、それが私、いや、昔のパートナーだった大地、そして妻の奏、さらには土居建設の悲願である。その悲願を達成するため、多恵、おまえには一肌脱いでもらいたい。これまで勉学によって優秀な成績をおさめていると聞いている。その実力をぜひ九龍島で発揮してこい」
と言うと、多恵、
「はい」
と言って自分の部屋に帰っていった。このあと、建造は思った。
(でも、本当は多恵、おまえにも少し感情を豊かにしてもらいたいと思っている。九龍島での人々とのふれあい、それによって多恵の感情が豊かになればいいのだが)
と、少し親心をみせていた。
そして、4月、多恵の九龍高校での閉島宣言と同時に建造は九龍島でのIR施設建設を含む一大リゾート地開発を発表。ついに建造、そして、大地の夢であり、妻、奏が褒めてくれた夢、九龍島に一大リゾート地を造る、その夢がついに日の目をみることとなった。そして、夢を叶える第一歩を踏むこととなった。だが、これらのことにより、ルナたちバックスターと建造の夢、九龍島のリゾート開発、その2つを一緒に宣伝すること自体が、自分でスクールアイドルを育てる、九龍島を一大リゾート地にする、2つの夢が建造にとって1つの野望へと変貌していった瞬間を迎えたのかもしれない。
こうして、建造はバックスターを大々的に宣伝し、あわせて、土居建設と九龍島のリゾート開発の宣伝も一緒に(しれ~と)宣伝することでバックスター、そして、土居建設、九龍島のリゾート施設の知名度をあげていく戦術、多恵を中心とした土地買収を行う戦術、二面作戦を展開していたのだが、2つはまったく異なった反応をみせた。
まず、バックスターではあるが、こちらはいつも以上のハードな練習を黙々とこなすルナたち。実力はどんどんあがっていく。そして、ライブツアーなどを通じてファン層を拡大していった。その陰でSNSがルナたちに対する盛り上がりを支えたのはいうまでもない。また、ほかの企業よりも高い広告代(スポンサー料)をだしてくれる土居建設はテレビ、雑誌などのメディアにとって神様である。だって、ネットに押され、テレビなどの収入源である広告代は減少の一途をたどっていた。そこにきて、土居建設はどんどんスポンサー料を払ってくれる。それにより収入も潤う。なので、テレビなどのメディアはこぞってバックスターを使っていったのだった。バックスターをどんどん使うことで、土居建設からどんどん広告代がもらえ、収入も増えるから。むろん、ネットも負けていない。ネットもバックスターをどんどん起用していく。こうして、バックスターの知名度、人気はうなぎのぼりになるとともに、土居建設、九龍島でのリゾート開発の知名度もあがっていった。
その後、ルナたちバックスターはライブやメディア展開で得た知名度や人気、よりハードな練習で鍛えた実力でもって、圧倒的な力で2023年のラブライブ!夏季大会で優勝を遂げた。ルナたちバックスターは名実ともにスクールアイドルの頂点、トップアイドルの仲間入りを果たした。建造にとってスクールアイドルを育てる、そんな夢が叶った瞬間だった。
一方、多恵率いる九龍島土地買収部隊は苦戦を虐げられていた。
「議員をだませても、俺たちはだまされないぞ」
「先祖代々の土地を手放しては先祖に顔向けできないわ」
高齢者を中心にリゾート開発に反対する住民が続出していた。若者はリゾート開発で職を得られるだけでなく、高い土地買収代金に魅力を感じ賛成にまわるも、高齢者たちは先祖代々の土地を手放したくないためか反対を貫いていた。これには多恵と一緒にまわっている土地買収部隊のひとりが、
「この頑固じじいが、はやく売ってくれたら楽に死ねるのに」
と、つい小言で言うも、壁に耳あり障子に目あり、である。この言葉がリゾート開発に反対する住民に伝わり、より強固に反対するようになる。さらに、それがリゾート開発反対デモへと発展していった。
これには建造、
「このままじゃまずい。このままだと計画が進まない。なにかいい案はないか」
と、心配すると、すぐに妙案?を思いつく。
「そうだ。いまやトップアイドルになったバックスターを使えばいいんだ。いまやバックスターは名実ともにスクールアイドルの頂点にたった。その力を使えば、俺の夢、九龍島のリゾート開発なんてすぐに叶うことができる。もっと、バックスターを使って、わが社(土居建設)、そして、九龍島のリゾート開発の知名度があげる。あがればそれだけ俺の夢が近づく。そうだ、バックススターを使え!!もっと、もっとだ!!」
この建造が言うと、結晶の翌日、ルナたちにこれからの方針を伝える。
「これから先、仕事をどんどんいれようと思っている」
これにはレン、カレン、さすがに勉学に影響がでるのではと反対するも、建造は、
「これからは世界を目指せ!!」
と言って、強引に決めてしまった。とうのルナはそんな建造に魅了されている。
(このままじゃ私たち、建造にうまく使われてしまう!!)
と、危惧を感じたレンはすぐに自分のスマホを部屋全体が撮れるように隠すと、録画ボタンを押してそのままルナ、カレンと一緒に次の仕事場へと部屋を出ていった。
スマホが部屋全体を録画している、そのことを建造は知らないまま、あの一言を言った。
「今のうちに、私のため、私の野望のため、働いてくれ、私の操り人形たち」
この言葉のあと、建造は会社へと帰っていった。
1時間後、忘れ物をしたとかの理由で戻ってきたレン。隠していたスマホを見つけ、バッテリーが切れた自分のスマホを充電する。そして、ある程度充電すると、録画した映像を見てあることを確信した。
「このままじゃ、私たち、本当に建造の操り人形になっちゃう。なんとかしないと」
そして、建造はバックスターの宣伝、というよりも、バックスターを使った広告にこれまでより多くのお金を費やしていく。その額、これまでの5億から3倍の15億以上に拡大。そのお金を使い、これまで以上にバックスターのメディア露出が増えていった。また、その際の広告代(スポンサー料)がこれまでの倍以上となったことはメディアとしては大喜びだが、1つ問題が発生した。バックスターが出演するとき、必ずルナたちのバックは土居建設、そして、九龍島のリゾート開発に関するポスターを貼るか、出演する前後には必ず土居建設のCMを流すこと、さらに、雑誌などはバックスターのグラビアページの前後に土居建設、そして、九龍島のリゾート開発に関する広告を載せるよう強制していた。本当は嫌がるところだが、高い広告代(スポンサー料)のために従わなければなかった。また、建造は政治家などと強いパイプを使って邪魔しようとするフリーライターなどを次々と排除していった。
もちろん、レンもカレンもそのことはうすうすと感じていた。特にレンはあの決勝翌日に見せた建造の映像を見てルナやバックスターについて相当心配していた。しかし、今はその映像をルナやカレンに見せるときではない、と思ったレンは、カレンとともに建造に心酔するルナの姿を見てそのことをいうのを諦めていた。
が、建造の露骨な広告宣伝はルナたちバックスターにとって悪影響を与える。SNS上であまりにも目立つ土居建設のポスターについてちょっとした話題となっていった。そのなかで、
「クイズ番組でやたら土居建設のCMを見た」
「バックスターのグラビアページの前後で土居建設の広告を見た」
など、バックスターと土居建設の関係性を疑うような証言がでてしまい、それが結果的に、
「バックスターは土居建設の広告塔じゃないの」
というニセというよりかはグレーに近い情報になってしまい、その情報が、
「(バックスターは)学生である以上、一企業の広告塔になるのは問題になるのでは」
という考えのもと、SNS上に拡散していく。これには土居建設としても「間違いだ」という声明をだしたり、どんどんその情報が載っているものを削除したりしていったが、あまりにもはやく拡散していく。
そして、バックスターがラブライブ!優勝により前に行ったライブに参加していたファンから、
「バックスターがラブライブ!優勝する前に行われたライブの会場で土居建設のポスターを見かけた」
という情報が流れると、
「バックスター=土居建設の広告塔」
という情報がグレーから正しい情報へと認識されるようになり、それがバックスターのファン離れを引き起こすこととなった。