ラブライブ!Ω/UC 外伝 ラブライブ!アイランドスターズ!!    作:la55

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スピンオフ 九龍島伝
九龍島伝 第1話


カチカチ

「ここをこうして、こうして、よし、完成!!」

波乱の九龍島の秋の大祭、2023年の九龍祭りの翌日、いつも法被を着ているハッピーさん(本業は漁師ですよ)、パソコンのまえでマウスを動かしながらも何かをしている様子。どうやら終わったみたいです。

 そんなとき、

「お~い、ハッピー、いるかぁ」

と、大柄の男がハッピーさんの家に訪れたみたいです。ハッピーさん、その大男を見て、

「お~、ゴン、おまえか」

と挨拶していますね。この大男、みんなからはゴンさんと呼ばれています。昔人気のあった旧石器時代の人間たちをコミカルに描いたアニメに出てくる人気キャラと体型が似ているため、昔からそう呼ばれていました。ちなみに、ハッピーさんとゴンさん、実は幼馴染なんです。意外でしょ。案外と仲がよかったりしますが、いつもはいがみあっています。

 でもって、ハッピーさん、ゴンさんにあることを言います。

「あれ、いつもの特攻服は?」

これにはゴンさん、

「ああ、今は洗濯中だ。なにせ、昨日の祭りでおおはしゃぎしたから汗びっしょりになったんだよ。俺にとってはは大切な一着だからよ。だから、手洗いして天日干しだ」

と、笑いながら答えます。ゴンさん、今、特攻服、洗っているって言いましたよね。実はゴンさん、特攻服を着て漁をしている漁師集団「特攻野郎Sチーム」のリーダーなのです。特攻服を着て漁をする、これ、意外と九龍島の隠れた名物となっているんですよ。観光にきたお客さんがこのことを知って、早朝、漁に出発するゴンさんに「一緒につれてって」と言えば、ゴンさん、喜んで一緒に漁につれていってくれるのです。漁船で大海原を疾走する特攻野郎たち、なんて素敵な光景なんでしょう。特攻服を着て漁をしている特攻野郎たち、なんてすてき…、素敵な?光景っていえるのかな?とはいえ、観光客たちにとってとても貴重な経験になると喜ばれています。なお、特攻野郎Sチームのみなさんは特攻服を着ているからって暴走なんかしません。いつも法定速度を守っていますよ。海上でも安全第一で飛ばしています。そして、熱いときは必ず水文補給。法律遵守、安全第一、健康的生活をおくる、これが特攻野郎Sチームのモットーです。

 話がそれましたが、ゴンさん、ハッピーさんのパソコンを覗いています。そして、ゴンさん、ハッピーさんに一言。

「またやっていたのかよ。法被のデザインを描いていたのか。あんたも懲りないね」

これにはハッピーさん、

「これは俺の天職だい!!全国各地から依頼がきているんだ。その人たちのためにも魂のこもった法被を作るんだい!!法被には応援するアイドルたちに向けた自分の魂が籠もっている。だからこそ、ファンたちは魂の籠もった法被を着ている。俺はそれを応援したいだけだい」

と力説してます。このハッピーさん、自分用の漁に着る魂の籠もった法被を作っているのですが、本業の漁師以外に服飾として法被のデザインを手がけるデザイナーの仕事もしております。ネットで注文を受け付け、その依頼主の要望をもとに法被をデザインし、それをその依頼主が済む場所に近い印刷所に法被を印刷してもらい、それを依頼主に届ける、そんなサービスを提供しております。なのですが、これが意外と好評で、月に3~4件は依頼がきております。その多くがスクールアイドル、ローカルアイドルといったアイドル関連であり、その傾向のためか、ハッピーさん、意外とアイドルについて詳しいのです。ハッピーさん、そのアイドルの知識を駆使して依頼主の要望に沿った、いや、「頼んでよかった~」と言われるくらいに喜びそうなデザインに仕上げちゃいます。

 と、話がまたそれました。ゴンさん、ハッピーさんのパソコンに映る絵をもう一度見ると、さらに一言。

「あれ、どこか見たことがある顔だな」

どうやらゴンさん、ハッピーさんがデザインした絵を見てなにか感じたみたいです。

 これにはハッピーさん、ちゃんと答えます。

「おお、気づいてくれたか。これはよ、九ちゃんたちの絵だ。昨日、祭りのステージに九ちゃんたち、出演したよな。そのステージを見てな、俺、とても感動したんだ。そして、気づいたら、そのときの様子をデザインしていたんだよな~」

実はハッピーさん、九龍祭りの九たちアイランドスターズのステージにいたく感動してしまい、一瞬で九たちアイランドスターズのとりこになったみたいです。

 が、このハッピーさんの言葉にゴンさん、なぜか涙…。

「おい、ゴン、大丈夫か。なにかしちゃったか。なにかしたなら謝るよ」

と、ハッピーさん、泣いているゴンさんをいさめようとしてます。ですが、ゴンさん、ハッピーさんを払いのけ、あることを言います。

「いや、ハッピーは悪くない。悪いのは涙もろい俺のせいだ。けど、泣いてしまう。だって、あの九ちゃんたち、一生懸命踊っていたよな。町長から怒られても、それでも元気に楽しく踊っていたよね。俺、感動しちゃった。町民たちがリゾート開発のことでいがみあっていても、「そんなの関係ない!!」と言って必死になって踊っていたよね。島の人たちのことを大事に考え、いがみあわないよう呼びかける、そんな九ちゃんの姿に感動したよ」

ゴンさん、昨日の九龍祭りの出来事を思い返しています。九たちはステージで「スペシャルデイソング」を熱唱し、そのあとで今、九龍島で問題になっているリゾート開発の是非を巡っていがみあっている島民たちに対していがみあわないように訴えたのです。ゴンさんは九の姿に感銘を受けたのです。

 で、ゴンさんの話は続きます。

「でもって、バックスタートいうのが出てきてよお、多恵の嬢ちゃんに対して厳しいことを言ったのを見て、俺、完全に怒ったよ。だって、そこまで多恵の嬢ちゃんに言う。あれ、どう見ても多恵の嬢ちゃんに対する人格否定だよね。あれにはこの俺も怒ったよ」

九たちの熱唱のあと、ルナたちバックスターは空からさっそうと登場し、そのまま多恵を罵倒した。そして、多恵は逃げるように去っていった。九たちはその多恵を追いかけるのだった。

 ゴンの話は続く。

「で、バックスターがいきなりライブを始めたけど、呆れて頭にきたよ。だって、あんだけ多恵の嬢ちゃんを罵倒しているのに、このあと、平気でライブするんだよな」

これにはハッピーさん、

「俺もそう思うよ」

と言うと、ゴンはその続きを話す。

「だけど、そのライブの終盤に九ちゃんたちが多恵の嬢ちゃんを連れて戻ってきたよな。どうやら、多恵の嬢ちゃんが逃げたあと、九ちゃんたちは多恵の嬢ちゃんを探して、多恵の嬢ちゃんのまえで「多恵の嬢ちゃんのこと、自分たちが受け入れる」って言ったみたいだな」

これにはハッピーさん、

「それは初耳だな。そうか、九ちゃんたち、多恵ちゃんのこと、受け入れたのかぁ。九ちゃんらしいな」

と感動しつつ言うと、ゴンさん、さらに話を続ける。

「でもって、バックスターに対して反撃の一撃となる、たしか、「サマーフェスタ」を熱唱したよな。俺、あのステージ、忘れられないよ。あんな魂の籠もった、それでいて、誰からでもわかるくらい楽しく踊っている姿、あれは凄かった。そのステージを見て、バックスターは逃げ出したんだよな」

これについて、ハッピーさん、

「で、結局なにを言いたいんだ?」

と、冷静に言うと、ゴンさん、

「つまり、俺も九ちゃんたちのとりこになったってことよ」

と答える。

 これを聞いたハッピーさん、

「つまり、俺たち2人とも、昨日の九ちゃんたちのステージを見て、九ちゃんたちのとりこ、というより、ファンになったってことだよな」

と、冷静に分析すると、ゴンさんも、

「それもそうだな」

と答える。

 そして、ハッピーさんはあることを決めた。

「よし、そうだったら、今、ここに九ちゃんたち、え~と、たしか、「アイランドスターズ」だったな、そのアイランドスターズのファンクラブを、今、ここに創立しよう。俺が第1号で、おまえが第2号な」

これにはゴンさん、

「それはいいアイデアだよな。よし、決めた。おまえの提案を受け入れよう。今、ここに、アイランドスターズのファンクラブの設立を認める。で、なんで俺が第2号なんだ?」

と、ハッピーさんに聞くと、ハッピーさん、

「だって、俺がこのアイデアを考えたんだ、創立者だ」

と言うと、ゴンさん、

「いや、俺が第1号だぁ~」

と、ハッピーさんと言い争う。いつものいがみあい勃発である。

 そして、10分間いがみあいますが、ハッピーさん、ふとあのことを思い返します。

「でも、バックスターが言った、あの一言、なにも起きなければいいのだが…」

このハッピーさんの言葉にゴンさんも、

「ああそうだな。でも、一波乱あってもおかしくないな。町長、今頃、その対処に苦慮しているだろうな」

と、ハッピーさんとに一緒に町長のことを同情した。

 

 一方、同じ頃、町長は町議会場にいた。

「ここはリゾート開発を進めるべきです」

と、りぞトーと開発賛成派の議員が言うと、

「いや、やめるべきです!!」

と、リゾート開発反対派の議員が反対していた。これを見ていた町長、

「うぅ」

と、うなるだけであった。だって、頭の中では、

(うぅ、今日はなんていう日なんだ!!)

と、今の議会の様子に悩んでいた。

 ことの発端は今月の定例議会の最初にあった。今回は昨日の九龍祭のことについてで、その祭りの総括を行うとろろだった。いつもなら、

「ちょっと水が不足していた」

「もう少し人員整理をしたほうがいいのですが…」

とちょっとした問題点を話し合うだけなのだが、それが今回に限って大論争になってしまた。そのきっかけは議員の1人の町谷議員の質問だった。

「え~、これから町議会は開…」

という議長の開会の言葉の途中で、町谷議員はそれを遮るかたちで質問した。

「それにより、昨日の、え~と、バックスター、でしたっけ、その人たちの発言は真実なのですか?」

昨日のバックスターの発言、それは昨日の九龍祭りのステージにて起こった。多恵を除く九龍高校の女子生徒(九たち)8人の熱唱のあと、とつぜん高速ヘリであらわれた、リゾート開発を行う土居建設の使者バックスター、そのとき、バックスターのリーダールナはこう発言したのだ。

「これはスポンサー主(=建造)からの伝言です。来年4月、この町はすべて土居建設のものとなる。(略)土地を提供してくれる者は弁償金などを保証する。抵抗する者は行政代執行を行う」

行政代執行、それは「その人がしないといけないことをしないとき、行政が強制的にその人のかわりにそのことを代執行すること」(それにかかる費用はその人持ち)、ようは土居建設のリゾート開発のため、町が抵抗(反対)する住民の土地を強制的に接収することを堂々と宣言していたのだ。これを建造は最終通告と言っていた。

 で、このバックスターの発言で1番困惑しているのが町だった。実は代執行は抵抗する住民に対し、町は相当の履行期間(住民自ら土地を明け渡す期間)を定めて、その期限までに履行しないと代執行を行う旨を文書で戒告、つまり、通知しないといけないのだ。で、期限が過ぎて初めて代執行が行われることになっている。が、町はそんな文書はだしていない。それどころか、その前段階である受渡期限すらもうけていなかった。代執行の流れを簡単にいうと、期限を定めてこの期限内に土地を受け渡すよう住民に通知→その指定した(受渡)期限を過ぎる→町は住民に対し改めて履行(土地を受け渡す)期限を設けてその期限が過ぎると強制的に土地を接収することを文書で必ず通知→その履行期限を過ぎる→町が強制的に土地を摂取する、となる。なのだが、町はその1番最初の段階すらしていなかった。が、バックスター、というよりも、土居建造は、それをすっ飛ばして勝手に抵抗(反対)する住民の土地を強制的に取り上げるぞ、と言ってしまったのだ。もちろん、それをするのは町、ということになる。だって、代執行は行政行為、つまり、町が行う行為のひとつだからである。

 といいつつ、話をもとに戻す。町谷議員の質問に対し、町の関係者はすぐに、

「そんな事実はありません。また、そんな計画もありません」

と否定するも、町谷議員は、

「でも、あの子たち(ルナたち)ははっきりと言いました。反対派住民に対しては行政代執行を行う、つまり、町が強制的に反対派住民の土地を取り上げると言ったのです。これっておかしなことじゃないのですか。おかしいですよね」

と、厳しく追及する。さらに、町谷議員、

「それが事実なら私は反対しますよ」

と発言する。

 が、そんなとき、リゾート開発賛成派の近場議員から町谷議員に対し大変なことを言ってしまう。

「あの、ちょっといいですか。町谷議員、あなたは今までリゾート開発については賛成でしたよね。なのに、今日はなぜ反対派住民の肩をもつのですか。それに、なんで賛成から反対に変わったのですかね」

事実、町谷議員は昨日までリゾート開発に賛成だった。なのに、なぜ今となって反対に変わったのか。近場議員はそこをついてきた。

 この近場議員の発言に対し、町谷議員、

「それは昨日のバックスターの発言を聞いたからですよ。反対派住民の土地を強制的に接収するなんて。これはわれら町民を冒涜するような発言ですよ」

と反論すると、近場議員、

「それって、ただたんに住民たちの抗議におびえているだけですかね」

と言うと、町谷議員、

「そういうあなたこそ、あのバックスターの発言を聞いていまだに賛成なのですかね」

と逆に聞くと、近場議員、

「それはあたりまえです。バックスターの発言はいわば忠告なのです。ただたんにそうなることもありますよ、と言っているに過ぎません。それに…」

と言うと、町谷議員、

「それに…」

と言うと、近場議員は続けて答えた。

「それに、島のリゾート開発を認める条例は今年5月にはすでに可決して、すでに土居建設と契約を結んだんじゃないですか。それを今から町民が反対するからやめます、なんてしたら、それはお門違いじゃないでしょうか」

事実、町議会は今年(2023年)の5月にリゾート開発を認める条例を賛成6、反対2、棄権1で可決成立していた。ちなみに、九龍町議会は定数10.うち、議長を除く9人に条例に関する議決権が与えられていた。九龍町は4月の多恵の閉町宣言より前に秘密裏に土居建設から九龍町でリゾート開発をしたいとの打診を受けていた。町としても地域振興や若者の人口減少もあって、願ってもないことだったので、その話を受け入れ、何度か土居建設と話し合いをした上で、ある程度土居建設とのあいだで合意していた。で、4月に多恵の閉町宣言とともに九龍町でリゾート開発する土居建設の社長土居建造が九龍町に一大リゾート地を造る計画を世の中に発表したことを受けて、町はいそいでリゾート開発を認める条例案を作り、5月にその条例案を可決成立させたのだ。そして、それをもとに町は土居建設とリゾート開発に関する契約をかわしたのだ。

 が、そこに町谷議員はくらいついた。

「でも、その条例を可決するときに賛成した理由、実は土居建設の社長から賄賂をもらっていたのでは?」

これには近場議員も反論する。

「それは町谷議員ももらっていたのではないですかね。もし、もらって賛成したのに、今となっては反対派住民たちの抗議に屈して反対にまわるなんて、それって逃げ得じゃないのですか」

これも事実であった。実は5月のリゾート開発を認める条例を可決成立したと言ったが、賛成にまわった6人全員とも土居建設の社長である建造から賄賂を受け取っていた。賄賂を渡すかわりにその条例案に賛成してほしいと。賄賂に目がくらんだ議員6人が賛成にまわったことでその条例案は可決成立した。が、今になってその条例案に賛成した町谷議員が反対にまわってしまったのだ。

 とはいえ、これを認めてしまっては町谷議員は収賄罪で捕まってしまう。ということで、

「それは絶対にありません。5月のときはリゾート開発こそ町の発展に不可欠と思って賛成しただけ。だけど、昨日のバックスターの発言を聞いて、町民を大切にしない企業(土居建設)がリゾート開発したら、それこそ末代の恥になると思って反対にまわったのです」

と言った上で、近場議員に対し、町谷議員、

「近場議員こそ町民を大切にしない企業がリゾート開発していても賛成なんですか?」

と聞くと、近場議員は、

「私はそれでも賛成です。いちいち若い娘の言うことをまともに受けていてはいけません。それよりも、リゾート開発によって九龍町は新しく生まれ変わります。世界中からいろんな人たちが九龍町に訪れてくれます。そうなれば、この九龍町はもっと大いに繁栄できるのです」

と言うと、町谷議員、

「私は反対に鞍替えしたんだ。賛成しているおまえこそさっさと議員辞めてしまえ」

と、近場議員に文句を言うと、近場議員、

「それはこっちのセリフだ。おまえこそ辞めてしまえ」

と反論する。それが続く…わけではなかった。むしろ、これがきっかけとなり、結果的には、

「ここはリゾート開発すべきだ」(賛成派)

「いや、やめるべきだ」(反対派)

と、賛成派と反対派の大論争へと変貌を遂げてしまった。そして、悪いことに、このとき、リゾート開発を認める条例案に賛成した議員6人のうち、町谷議員を含む2人がリゾート開発賛成派からリゾート開発反対派に鞍替えしたため、今のところ、リゾート開発賛成派4人、反対派4人、棄権1と拮抗してしまったのだ。議会は多数決により議決するので、この状態ではにっちもさっちもいかずといえた。

 

 で、この論争は1時間も続いた。それでも、先に進めずに空転しているだけ。そこで氷の父である副町長はこれを打開するために次のことを言った。

「さあ、みなさん、ここは1つ論争はここまでにしましょう。その話はのちほどに。それよりも、今年の補正予算を…」

が、ここで賛成派から反対派に寝返った町谷議員から、

「ちょっと待て。ここで終わったら、リゾート開発が続いてしまう。ここで決着をつけないと後の祭りだ。ここは絶対にリゾート開発について反対すべきだ。土居建設にノーを突き詰めるべきだ」

と、よこやりがはいると、されに近場議員から、

「町谷議員、それは違うぞ。リゾート開発こそこの町を救う唯一の方法だ。だからこそ賛成なのだ」

と、言い返す。これにより、

「リゾート開発すべき!!」(賛成派)

「いや、はやくやめるべきだ」(反対派)

と、賛成派、反対派の論争はさらにエスカレートしていく。そんななか、議員の1人は、

「ふ~、お茶がおいしい」

と、どこふく風のように、ただたんにお茶を飲んでいるだけだった。が、町長はこの議員を見て、

(本当にぶれないな、あの長老!!)

と、少し安心を覚える。実はこの議員、おん歳90歳。全国でも一番高齢の議員。あだ名は長老、もしくは、長老議員と呼ばれていた。戦後、地方議会制度が整備されてから現在にいたるまで、九龍町議員一筋で生きてきたのだ。とはいえ、ずっとお茶を飲んでおり、リゾート開発についても棄権を表明するなど、そんなに物事には無頓着であった。なので、通常なら議決権のある議員が9人なので拮抗することはないのだが、この長老議員が棄権、というより中立?しているため、リゾート開発については賛成派4人、反対派4人と拮抗してしまっている原因のひとつだった。

(うぅ、このままでは埒が明かない。はやく終わらせて町民たちの対応にいかないといけないのに…)

と、論争がまだ続いているなかで、町長、さらになにかにおびえているようだった。

 

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