ラブライブ!Ω/UC 外伝 ラブライブ!アイランドスターズ!! 作:la55
こうしていくうちに冬は過ぎ、ついに3月を迎えることになる。ラブライブ!決勝がついに東京の秋葉ドームにて開催される日が近づいていた。九龍島から東京に行くためには船と飛行機を乗り継いでいかないといけないし、長い時間がかかる。というわけで、雪穂と九たちアイランドスターズははやめに島を出発することとなった。
九たちが東京に出発する前日、野外ステージでは九たちアイランドスターズの壮行会が行われていた。九たちに向けていろんな催しが行ったあと、九たちはステージに上がり、
「みんな、応援ありがとう。頑張ってくるからねぇ」
と、九たちを応援しに来てくれた住民たちに向かって御礼を言って手を振っていた。
そして、九たちはそのままステージを去り、その壮行会は終わりを迎えた。
が、そこで終わりではなかった。いきなり、ハッピーさんが出てきて会場中に響くように言った。
「今、ここで町民総会を行います!!」
それを見ていた町長はいきなり、
「なんじゃと。町民総会だと」
と、驚いていた。町民総会とは、条例により、議会を置かず、そのかわりに選挙権を持つ者の総会ができる、つまり、町民全員で物事を決める総会である。
「町民総会だと。私は聞いてないぞ」
と、怒る町長に対し、ハッピーさんはすぐに、
「今回の総会で決めることはラブライブ!決勝に九ちゃんたちアイランドスターズの応援団を送るかどうかだ!!とはいえ、今夜はもう遅い。そのまま採決をしよう」
と言うとそのまま、
「では、賛成のものは挙手してください」
と言えば、町長を除く全員が挙手し、町長を除く全員が賛成にまわった。これを見たハッピーさん、
「それじゃ、応援団を送ることに決定…」
と宣言するも、すぐに町長、
「それは認めない。この私が言っているのだ。断固拒否する。絶対に応援団を送ってはいか~ん」
と、ハッピーさんの声を遮る。これを見た町民たちは、
「町長、引っ込んでいろ」「黙っていろ」
と、さんざんヤジを飛ばすも、とうの町長は、
「いかんと言ったらいかん」
と言って、だだをこねるだけだった。
が、こんなとき、町長の行為についにあの方が怒り始めた。
「こりゃ~、天海町長、いや、若造がぁ~」
「だ、誰だ。私のことを愚弄するのは」
と、町長、その発言主を探す。すると、
「わしじゃ、長老議員だ~」
と、野外ステージの観客席奥にいた長老議員がステージに近づくと、
「長老議員…」
と、町長もたじろんでしまう。
「こりゃ、この若造が。少しは考えを改めよ」
と、長老議員はそう言うと、町長の前に立った。
そして、長老議員の天海町長に対するお叱りタイムが始まった。
「天海町長よ、おまえはいつも「女性は淑女なれ」「女性とはおしとやか、優雅に」「女性は男性の一歩後ろを歩くもの」と言っていたな。だけど、今はそんな考えなんて通用しないぞ。今は女性であっても社会進出する時代じゃ。結婚しても働いている女性は多い。そして、男性ではできない考え方で社長になる女性もいる。それほど、女性の社会進出は進んでいるのだ。天海町長、それを認めなさい!!」
と、長老議員が言うと、町長、
「それは違います。だって、女性はいつだって男性の言うことを聞くものだと…」
と言い訳を言うも、長老議員、すぐに、
「その考えが古いのです。それに、このまま、その考えで町の運営をすると、どこかで破綻しますよ。だって、女性の社会進出を拒むこと自体できないことです。それに、拒んだ場合、社会的問題となります。されに、女性には男性にない無限の可能性があります。それを摘むこと自体いけないこと。少しは女性を信用しなさい」
と町長に一喝すると、続けて、長老議員、
「あと、スクールアイドルを認めない、という考えも改めるように。なんでスクールアイドルを認めないのか」
と町長に聞くと、町長、
「だって、ひらひらしたスカートで踊って男たちを誘惑して…」
と、理由を言うと、これにも長老議員は一喝。
「それは違う。スクールアイドルは踊るために踊りやすい衣装を着る。それがたまたまひらひらしたスカートで踊っているにすぎないのだ」
そして、さらに長老議員は言った。
「そして、スクールアイドルを含むアイドル文化というのは、日本にとって新しい文化じゃないか。さらに、日本はその新しい文化を次々と受け入れることで、とても楽しく暮らしていける、住み心地のいいところとなっていったんじゃないか。戦後すぐのときは、この日本にはバレンタインもハローウィンもクリスマスもあまりやっていなかった。それが戦後になって日本に住んでいる人たちはそれを次々と受け入れるようになり、それが日本の新しい文化として定着してきた。そして、それが今や日本の誇れる文化の一つになった。もっと昔を見ても、日本はいろんな国のいいところ、文化を導入して発展してきた。外国の言葉ですら日本語に取り入れてきた。それくらい日本というのは新しい文化に寛容であり、新しい文化を取り入れることで日本の文化はさらに進化しようとしている。だからこそ、天海町長、認めなさい。古い考えを捨てて、そして、認めよ。おまえが心の底で思っていることを大事にしろ」
と言うと、町長、
「心の底で眠る、思っていること…」
と、黙ってしまう。それを見た長老議員は言った。
「私にはわかるぞ。心の底では星子ちゃんをスクールアイドルとして応援したいと思っていることを」
これには町長、
「いや、違う。私はそう思っていない…」
と否定すると、今度は長老議員が町長の耳元でこっそり言った。
「いいか。おまえの古い考えのせいで星子ちゃんは一時期苦しんでいた。その苦しみを星子ちゃんにもうさせないためにも、古い考えは捨てよ」
と言うと、町長、
(あの星子が私のために苦しんでいた。なんと罪深きことをしたんじゃ)
と思うと、すぐに、
「わかった。応援団を送ることを認めよう」
と言ってします。これを聞いた町民全員、
「ヤッター!!」
と、大いに喜んでいた。どうやら町長、星子が自分のせいで苦しんでいることを知り、その罪滅ぼしのために認めたと、ハッピーさんは思った。
こうして、無事にアイランドスターズ応援団を東京に派遣することを認めた九龍町だったが。なんと、ほとんどの町民が応援に行くことを希望していた。これにはハッピーさん、
「これじゃ希望者全員を連れて行くのは無理だよ~。そんな交通手段、ないよ~」
と、嘆いていた。だって九龍町から東京に行くためには、船や飛行機を乗り継いでいかないといけない。が、それを1度に多くの人を送れる方法なんてなかった。が、ゴンさん、その問題をあっさり解決した。
「そう思ってよ、大型フェリーを1隻チャーターしたぜ」
大型フェリーなら応援希望者全員を1度に送れるし、東京での宿泊代も浮く。一石二鳥だった。これにはハッピーさん、
(こりゃゴンさん、特攻野郎Sチームをリーダーとして引っ張っていくうちにチームの運営方法を身につけたな)
と思ったほどだった。
というわけで、決勝がある日には間に合うように島の港から大型フェリーで東京に向かったハッピーさんたちアイランドスターズ応援団はなにも起きることなく無事に東京に到着、その足で秋葉ドームに向かい、そして、そのまんま九たちアイランドスターズを応援していった。ちなみに、プレミアチケットであるラブライブ!決勝のチケットを応援団参加者全員分用意したのはゴンさんであった。ゴンさん、恐るべしである。
で、ステージに上がった九たちアイランドスターズは司会役のレポーターの一言でハッピーさんたちアイランドスターズ応援団を見つける。驚く九たち。特にハッピーさんとゴンさんたち特効野郎Sチームのメンバーは今回のために作ってきた九たちを描いた法被と特攻服を着ていた。
そして、アイランドスターズのメンバー、たい子から、
「なんでここにいるのですか~」
と聞かれると、ハッピーさん、
「だって、島の子どもたちの晴れ姿だから」
と、答えるとともに、ゴンさんとともに応援団のアイデアは町長のものであるとうそを言った。これは町長の権威を守るためとハッピーさんは言っている。
青いペンライトを持っているハッピーさんたちアイランドスターズ応援団、
「絶対に負けるな~」「優勝してね~」
という掛け声が九たちの励みになったみたいで、九たちは元気よく、一生懸命、そして、楽しく「SPACE VOYAGER」を熱唱した。
その後、いろんなことが起こったものの、九たちアイランドスターズが優勝を決めた。だが、それだけでは終わらなかった。決勝の最中に土居建設の社長、土居建造は賄賂を中央省庁や政治家、建築業界、そして、九龍町の町議会議員などに送っていた罪で逮捕され、それにより信用を失った土居建設は倒産。結局、九龍町のリゾート開発も中止になってしまった。また、町でも賄賂を受け取った町谷議員や近場議員などが逮捕され、一大事となってしまった。
が、大型フェリーで九たちや真紅のラブライブ!優勝旗をのせて九龍町に帰る最中、町長はハッピーさんとゴンさんを呼んである話をした。
「ハッピーにゴンよ、おまえたちに伝えたいことがある」
この言葉にハッピーさんは、
「えっ、私たちになにか?」
と驚くも、すぐに、町長、
「今回のことでわかった。九たちみたいに若者たちには私みたいな老いぼれにはないパワーを持っている。それは間違えば大変なことが起きるが、正しいことに使えば、無限の可能性が広がる。そう考えると、自分みたいな老兵はただ去るのみ。あとのことはおまえたち若者に任せたほうがいいかもな」
と言うと、ゴンさん、
「えっ、それって本当ですか?」
と聞き返すと、町長、
「ああ。私はあと数年で町長を引退する。あとは後進に道を譲るつもりだ」
と言うと、ハッピーさん、
「町長のお言葉、お聞きしました。このハッピー、その言葉をもとに精進させていただきます」
と言うと、町長、
「頼むぞ。2人ともこれからの九龍町を盛り上げていってくれ」
と、2人を見て頼んでいた。
そして、2024年4月、星子と氷は高校を卒業し、ハッピーさんとゴンさんの進言でできたスクールアイドル課に配属された。また、春は高校の隣にできた寮で寮母として新しく入学してきた1年生30人の胃袋をしっかりキャッチしていた。で、町長は自分の後継者は誰がいいか考え始めていた。
「う~ん、ハッピーやゴンにはかっこいいこと言ったが、あの2人のうちどちらかが町長にすると、もう1人はいろいろと文句を言いそうだな」
と、町長は悩んでしまった。事実、町議会ではハッピーさんとゴンさん、2人はよく対立する。一緒に条例案を提出したものの、その案の議論となると、2人は熱い論戦を展開する。これが町議会の新しい名物にもなってしまい、その論戦を見に議会がある日は多くの町民が見物にくる。しかし、昔の空転していたときとは違う。空転していたときは自分の利益のためにだけ論戦を繰り広げ、いつも平行線のままだった。が、2人の論戦は町の、そして、町民の未来のために論戦しているし、結局は2人とも歩み寄り、よりよい条例にしてから可決している。
とはいえ、2人のうち、どちらかを町長にしちゃうと、どちらかがひがむし、このいいバランスを崩すことにもなる。
「となると、やっぱり星子かな。わしの孫だし、みんなをまとめる才能もあるしな」
と、町長、星子を後釜にすることを決めた。
が、その星子が町長の後継者氏名を辞退してしまった。それは2025年の1月のある日だった。町長はある用事で九龍高校を訪れたのだった。そんなとき、偶然九たちの様子を見にきていた星子とばったり会ったのだ。
「あっ、おじい…、じゃなかった、町長、こんにちは」
と、星子が慌てて挨拶すると、町長、
「あっ、星子か。どうだ、九たちの仕上がり具合は」
と、九たちスクールアイドルの出来具合を星子に聞くと、
「ええ、ばっちり。九、ルナたちの「BS with IS」、たい子たちの「ISS」、ともに仕上がり具合はばっちりですよ」
と、星子は笑いながら答えた。これには町長、
「まさか、「BS with IS」「ISS」ともにラブライブ!決勝に進めるなんて、九龍町にしてみたらすごい快挙だと思うぞ」
と、笑いながら言うと、星子も、
「はい、そうですね。これも雪穂先生の指導のお陰です」
と、雪穂のことを尊敬しつつ言った。
そして、町長はこの際だからと星子にあることを聞いた。
「星子よ。わしはあと数年で町長を引退する。だから、星子、わしのあとを継いでもらないか」
これで、はい、と星子が答えたら、町長としては嬉しいのだが、星子からは、
「それはお断りします」
と、お断りの返事がくる。これを聞いた町長、
ガーン
と、がっかりしてしまう。星子はそんな町長を見つつその理由を答えた。
「私はこの2年間、スクールアイドルに係わってきました。最初の1年間はスクールアイドルとして、あとの1年間はスクールアイドルを支える裏方として。そして、わかったんです、私、スクールアイドルが好きなんだなって。だって、こんな楽しいこと、なかなかないからですしね。まえは町長(おじいちゃん)のいうことを聞いて、スカートをひらひらさせていたことでスクールアイドルを毛嫌いしていました。しかし、どんどん係わっていくうちに、自分がスクールアイドルになって、こんな楽しいことしているんだって気づいていくうちに、私、いつのまにか、スクールアイドル、好きになっていたんです。kの好きをずっと、ずうっと経験したい。だから、私、これからもスクールアイドルを支えていきたい。その思いを大切にしているからこそ、町長の後を継ぎたくないんです。だって、町長になったらスクールアイドル以外のことをしないといけないしね」
これを聞いた町長、
「星子の気持ちはよくわかった。星子を私の後継者にするのは諦めよう。じゃが、じゃ、誰を私の後継者にすればいいんだ?」
と言うと、星子はすぐに答えた。
「それだったら、多恵はどうでしょうか」
これには町長、
「多恵殿か。どうしてじゃ」
と、星子に聞くと、星子、
「多恵、ああ見えて私と同じくらい、くせのある生徒を上手にまとめていますよ。それに、土居建設の現場事務所を高校生ながらひとつにまとめていたし、人望も厚かった。それに、ああ見えて、小さいときから父建造のもと、帝王学を学んでいましたしね」
と多恵を推薦すると、町長も、
「多恵殿か。たしかに適任じゃな。一時期とはいえ、リゾート開発のときには半年でこの島の約半数の人たちから買収同意書を書かせた交渉力や粘りもあるな。これはすごい逸材だ。よ~し、多恵殿をわしの後釜にしよう」
と言うと、星子、
「それにはまず多恵の同意を得ないとね」
と、ちゃんと町長に釘を刺した。