ロクでなしの紅炎公(憑依)   作:紅ヶ霞 夢涯

12 / 50
 
 12月11日(火)、日間ランキング4位。

 まさかここまで反響が出るとは思ってもいませんでした。
 色んな方々に読んで頂き、そして評価や感想を貰うことができ、とても嬉しいです!本当にありがとうございます!!
 
 今後ともよろしくお願いします。



第12話 吸血鬼編4

 

 『カーミラ』は私とアルベルト、そしてグレンを見て悔しげに顔を歪ませる。と思ったら、身体を霧状にして何処かへ逃げていってしまった。

 

「……また、逃したか」

 

「ちょっとそれどういうことよ?」

 

 アルベルトの言葉に突っ込みを入れるように尋ねる。

 

 またって何だ。

 

 そういえば『カーミラ』には、私とジャティスが付けた他にも傷があった。あれはアルベルトの手によるものか。

 

 こいつさては、勝手に吸血鬼を追っていたな。

 

「お前ら………ッ!なんで………ッ!?」

 

「ん?」

 

 私とアルベルトを見て警戒するように身を固くしているグレンを、不思議に思いつつ彼に言葉を掛ける。

 

「貴方は無事みたいね。良かったわ」

 

「すまないが話は後だ。……今はセラの手当てが先だ」

 

 そう言って私とアルベルトは、淡々とセラの手当てを始めた。

 

 

 

 

 

 

 

『カーミラ』の追撃任務に就いた軍の魔導士は、言うまでもなく私とジャティスだ。理由は一時的に戦線を離れたグレン達の穴を埋めるため。 

 

 だから同じく休暇を与えたアルベルトが此処に居る筈ないのだが、どうやら『カーミラ』が帝都に来たことを察知したらしい彼は、軍の魔導士の一人として独自に動いた。ということらしい。

 

 

(絶対に嘘よね)

 

 

 そう思いはしたが、追及するのも面倒。そういうことにしておこう。

 

「その……セラは大丈夫なのか?」

 

 ぐったりと地面に横たわるセラを見下ろし、ポツリと呟くグレン。

 

 アルベルトがこの前言っていたように、かなり精神的に参っているようだ。

 

 そんな彼にセラの容態を説明しようとしたら、私よりも速くアルベルトが口を開いた。

 

「あの吸血鬼の爪には生命力吸収(エナジー・ドレイン)の呪力がある。生命力が衰弱したせいで、今のセラには法医呪文(ヒーラー・スペル)が効き辛い。手は尽くしたが、助かるかどうかはセラ次第だ」

 

「くそ………!」

 

 グレンは路地裏の壁を、苛立たしげに殴った。

 

 

 ………いやちょい待て。

 

 

「アンタ何でそんなに詳しいのよ」

 

「偶々だ」

 

「……あ、そう」

 

 しれっと嘘吐きやがった。

 

 グレンをアルベルトに任せて路地裏から出る。途端に手持ち無沙汰になったので、いつもの煙草に火を付けたる。

 

 《業魔の塔》に通信魔術で救護部隊を要請はしてある。そのついでにジャティスを足代わりに送ったので、もうそろそろ着いてもおかしくない頃合いなのだけど。

 

 そう思ってふと空を見上げれば、何体かの天使に運ばれる救護部隊がいた。その中心にはジャティスの姿がある。

 

「来たわね」

 

 彼は徐々に高度を下げて天使を解除する。すぐさま救護部隊は路地裏へと入って行く。

 

 しかし一人だけ私の前で立ち止まった女性がいた。

 

 特務分室のものとは違った黒の軍服の上に、蝶を模した柄の羽織り。私がしているのと似ている蝶の髪飾りを使って頭の後ろで髪を括り、腰には細剣(レイピア)よりも細く見える刀を差している。

 

「その歳で煙草はあまりお勧めしませんよ、イヴさん」

 

「……シノブ」

 

 彼女の名前はシノブ=コチョウ。

 

 かつて私を姉と慕っていた彼女から、私は目を逸らした。

 





 折角なので、キャラもクロスしてみようと思います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。