メリークリスマス!!
いつもより投稿が遅れてすみませんでした。
では、どうぞ。
私はシノブの視界に入らないように、煙草の箱を持っている手を背中に隠そうとした。
「はい、それ渡して下さい」
一瞬でバレた。
渋々ながら渡せば「捨てておきますね」なんて言う。
悲しい。ちょっと前までは私を「姉さん」と呼んで、あんなに慕ってくれていたのに。
(………やっぱりあの日のこと、まだ根に持っているのかしら?)
だとしたらちゃんと謝って仲直りしたいとは思うのだけど、今更どんな顔をしたらいいのかちょっと分からない。
そんなこと考えながら彼女にセラのことを頼めば、真剣な顔をして頷き路地裏に入って行った。
それを視界の隅で見ていると、ゆったりとした足取りでジャティスが私の隣に立った。
「彼女は確か、君がいつぞや拾った子供だったろう?」
「そうだけど、落とし物みたいに言わないでくれる?言い方が悪いわよ」
ジャティスの言葉にそう言って路地裏に視線を向けると、ちょうどアルベルトが出てきた。しかし彼だけで、グレンが出てくる気配はない。
「アルベルト、グレンは?」
「あいつは吸血鬼の始末を付けに行った」
「………私たちの任務なんだけど?」
「まぁ、多目に見てやってくれ」
アルベルトは肩をすくめて苦笑した。
彼がこれほどグレンに、誰かに肩入れするというのも珍しい。ていうか最近甘くなったというか、丸くなったというか………いい意味で変わったと思う。
「ふん、別にいいわよ。貴方がそこまで言うんだし」
そのとき再び天使たちが路地裏から飛び出し、救護部隊を運ぶのが見えた。どうやら、ジャティスが側に居なくても大丈夫らしい。何気に凄いな。
いや偵察用の
「それよりも僕は君に言いたいことがあるんだけどね」
ふいにジャティスが声を掛けてきた。彼は不満そうな表情を浮かべながら、あまり中身のない財布を私に突き付ける。
「ギャンブルでもしてるの?だったら程々にしておきなさい」
まぁ全くするなとは言わないが。ただ程度は弁えて貰いたい。
「君の!昼食代だよ!!」
「あぁそれね」
あったなそんなのも。
財布をぶらぶらと振りながら「これ経費で落ちるんだろうね」とボヤくジャティスに、「そんなわけがないでしょう」と返す。
「は、ぁ?」
任務先での滞在費だったり、そういったものなら経費で落ちる。いくらでも落とす。
ただ今日の昼食みたいなものを経費で落とそうものなら、私がサボっ………休んでいたことがバレる。誰にとは言わない。
といったことをジャティスに伝えれば、彼はあからさまに顔をしかめた。
「ま、それ以外はちゃんと落としてあげるから。それとお昼ご馳走さま」
ポンと肩を叩いてやれば、もはや怒る気もなくしたのだろうか。ジャティスは肩から力を抜いた。
「もういいよ、何でも」
「そう?なら戻りましょう」
私たちは《業魔の塔》へと歩き出した。
「ねぇ、歩くの疲れたんだけど」
「だからって天使は出さないからね。ただでさえ君の命令のせいで、救護部隊を運搬したから手持ちの粉が少ないんだ。……そもそも僕の天使は正義を為す崇高なものであって、決して荷物運び代わりに使うようなものじゃ」
「何よ、ケチくさいわね」
「お前がそれを言うのか……」
外伝三巻を基にした話はこれでお終いです。
次はシノブ視点で回想したいとは思っていますが、思いつきでキャラをクロスさせるものじゃないですね。難しいです。