ところで皆さん鬼滅の刃のPVとか見ましたか!?もうね、あれだけで来年の4月がとっても楽しみになりますな!
吸血鬼に襲われた負傷した特務分室所属の女性、セラ=シルヴァースさんの治療を終えた私ことシノブ=コチョウは、帝都の隅に建つ自宅に帰って来ていた。
ちなみに周囲に建つ他の建物とは根本的に造りが違っている。
まず家屋全体が木で造られており、床はフローリングではなくタタミ。各部屋を仕切るのは襖か障子で、ちょっとした庭まである。トイレとか台所を除けば、他と同じような造りをしているものはないと思う。
「また、やっちゃいました……」
(折角久しぶりに会えたのに)
姉さんと、そう前みたいに呼ぶことすらできなかった。
お茶を飲んで、だらしなく寝転んだ。座布団を頭の下に敷いて、天井を見上げる。
ぼんやりと私は昔を思い出していた。
私と姉さんが出会ったのは、この帝都のある路地裏だった。
詳細は省くが色々とあって親に捨てられ行く宛もなくした私は、そこを偶々通りかかった姉さんに拾われたのだ。
いつの日だったか、どうして助けてくれたのかと彼女に問えば。
『こんな目に遭っている全ての子供を助けられるわけじゃないし、そうしたいとも思わないわ。だけど目の前で見捨てられるほど、私は非情にもなれないのよ』
と言っていた。
ちなみに姉さんと呼んでいるのは、出会ったその日に「姉と呼べ」と言われたから。人から聞いた話だと、何でも妹が欲しいと思っていたらしい。
「貴女もそろそろ就職くらいした方がいいわよねぇ……」
「就職、ですか?」
ある日の昼下がり、姉さんは突然そんなことを言ってきた。
「そ、就職。何か希望するところはある?できるだけのことはするわよ」
どうやら姉さんの中では、既に就職することは決定事項のようだ。
それならと私は、姉と同じところを望んだ。
宮廷魔導士団特務分室。
ずっと思っていた。この人の隣に居たいと。姉さんの側に居たいと。貴女の力になりたいと。
姉さんが空いている時間に色んなことを教えてくれたおかげで、
ただ相性の問題だったのだろう。
どうしても
それが理由で望んだことは叶わず、私は救護部隊への配属となった。
ただその日に言われたことが、今でも胸の奥に残っている。
『やっぱり駄目ね』
どこか失望を孕んだその一言が、いつまで経っても忘れられない。
そして私はまるで姉さんから逃げ出すように、救護部隊として働き始めた。
同じように姉さんも私と会うのを避けるようになり、今では任務以外で顔を合わせることがない。
顔を合わせれば会話はする。だけどそれは、どこか上辺だけのもの。
………ふと壁際に立てかけた細身の剣と、外した蝶の髪飾りを視界に入った。
両方とも姉さんから貰った物。正確に言うなら剣は姉さんの部下から手渡された物だが。
あれからもずっとこれらを身に着けている私を、姉さんはどんな風に思っているんだろう?
やや強引な回想で失礼しました。
それでは皆様よいお年を。