とりあえずこの話終わらせたらリィエルを出したいと思います。
部屋の奥で人数分用意した紅茶をそれぞれの前に置き、私は自分のを手にとって喉に傾ける。
(あ、これ美味しい)
奥にあった茶葉を適当に使って淹れただけだが、茶葉が良かったのだろう。今度またヴァイオレットにお礼を言っておこう。
カップを机に置いて口を開く。
「もう分かっていると思うけど、ED郵便社の創始者は私よ。会社名は名前の頭文字を付けただけ」
「頭文字って……いやおかしくねぇか?お前の名前はイヴ=イグナイトだろうが」
「Dは母方の姓名、ディストーレ。グレンは知らなかった?」
「んなの俺は初耳だわ」
グレンの言葉にふぅんと呟く。てっきりセラから聞いていると思っていたが、何だそうでもなかったのか。
「まぁそれは良いとしてのぅ。やっぱ気になるのは、イヴが何故この会社を立ち上げたかじゃ」
「それに答えるには従業員のことを話さないとね、バーナード」
引き出しから一束の資料を取り出して机の上に置く。これはED郵便社の従業員のことを細かく記したものだ。
「どうせ何回か従業員の素性は調べたんでしょう?それでほとんどの従業員が孤児院の出身だって分かっても、半分以上の孤児院に入る以前が浮かんでこなかった。まぁ、そんなところよね」
言いながら資料をバーナードに手渡すと、その表情が驚愕に染まった。彼の後ろから資料を覗き込んだセラとグレンも同じような反応をする。
「アンタ達も馬鹿じゃないんだから、これで分かったわよね」
私がED郵便社で雇っている従業員は、そのほとんどが特務分室が担当した事件の被害者………いや、
正確に言うなら生存者か。
この国に蔓延る外道魔術師が起こす非道な事件は数知れず、そのせいで死んだ人の数など想像するだけでも億劫だ。
それでも助けられた人がいないわけではない。
例えばセラがつい数日前にグレンと訪れた孤児院には、事件で行き場を無くした子供らがいる。
しかし助けた全員が子供なんてわけもない。子供を失った親だっているし、住む場所そのものを無くしたような人もいる。
何にしたってその手の記録を堂々と記すことができるわけもない。
それはともかくとして紅茶を飲み干し口を開く。
「孤児院に入れる子供はそれで構わないし、その孤児院に人手が足りないなら大人もそこに入ればいい。でもそれが出来ない人もいる」
だからこの会社を立ち上げたのだ。少しでもそうした人たちの役に立てばいいとそう思って。
だってただ命を救っただけで後のことを感知しないなど、あまりにも無責任が過ぎるだろう。
「まぁここまで大きくなるなんて思ってなかったけど」
そう言って一つ苦笑いを浮かべた。
そういえば前回の投稿で日間ランキング入りをしていました!沢山の方に読んでいただけて嬉しいです。ありがとうございます!!