ロクでなしの紅炎公(憑依)   作:紅ヶ霞 夢涯

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 早く原作まで辿り着きたいなと思ってても難しいです。


第27話 リィエル=レイフォード3

 リィエルは手に持っていた大剣を振り上げると、私の方にぶん投げてきた。しかも地面に触れて大剣を何本も錬成し、それも投擲してくる。

 

(で、リィエル本人はと………)

 

 いつの間にか錬成した大剣を携えて、放った剣に追随する速度で走ってきてた。

 

 なるほど、悪くない。ブーメランみたいに旋回しながら迫る大剣を全て斬り払うこともできなくはないが、その間にリィエル自身に斬られるだろう。

 

(だったら全部斬り払うまでってね)

 

 深く深く息を吸った。心拍数を上げ体温を上げる。限界までリィエルを近くに引き寄せてから、一際強力な技を放った。

 

 

 炎の呼吸 伍の型“炎虎”

 

 

 練り上げた闘気が虎となり眼前の大剣を全て打払う。そのままリィエルへと直撃した。

 

 

 

 

 

 

〈sideグレン〉

 

 刀を腕輪に戻したイヴと、その前で大の字になって仰向けになったリィエル。

 

 それを見てようやく模擬戦が終わったことを理解した。

 

「リィエルッ!!」

 

 仰向けになったまま動かないリィエルに駆け寄り、膝を折って顔を覗き込む。イヴも呼吸を乱してこそいたが、それでもどこか余裕を見せてリィエルの側に立つ。

 

「大丈夫、平気」

 

 パチリと目を開いてそう言ったリィエル。だがイヴは一応は峰打ちだったとはいえ傍から見ても強力な技を打ち込んだからか、少し表情を歪めてリィエルを見ている。

 

「当たりどころが悪かったらいけないわね。グレン、念の為リィエルを医務室に連れて行ってくれる」

 

「あ、いや……それは」

 

 ヤバい。《業魔の塔》に駐在している治癒術師は皆腕が立つ。もしかするとリィエルが魔造人間だってことに気づかれるかもしれない。

 

(だが、どうする?ここで断るのも可笑しな話だし……)

 

「ーーーいや、俺とグレンで診よう。念の為であれば、それだけでもいいだろう」

 

 その時リィエルの事情を知ってるアルベルトが声を上げた。

 

「それもそうね。なら頼むわ」

 

「あぁ。行くぞ、グレン」

 

「お、おう」

 

 リィエルの手を引いて修練場からアルベルトと出る。リィエルを彼女の個室に入れてベッドに横にならせてから、俺とアルベルトは扉の外で言葉を交わしていた。

 

「今回は誤魔化せたが、いつまでもというわけにはいかない。分かっているな、グレン」

 

「分かってる。どうにかリィエル専属になっても構わねーって奴を見つけたいとこだけど、やっぱそれは無理だよなぁ」

 

「当たり前だな。そうなると、間違いなくリィエルの事情を話すことになる」

 

「それも分かってんだけど、一人くらいはな〜って思うんだよ」

 

 何も腕の立つ治癒術師全員に気づかれるとは思ってない。だがリィエルが魔造人間だということを、いつまでも隠すというのも難しい。

 

(もう俺かアルベルトが診るしかなくねーか?アルベルトはともかく、俺そういうの苦手なんですけど………)

 

 そこまで考えた時、視界の端に小柄な少女が入った。素通りするかと思ったら声を掛けてくる。

 

「すみません。こちら、リィエル=レイフォードという方のお部屋で間違いないですか?」

 

「お前は確か………イヴの妹だったか?」

 

「はい」

 

(え、あいつ妹とかいたの?)

 

 初耳だと思いながらその少女を見てみるが、髪や目の色に身体的な共通点は一切見当たらない。となるとイヴがED郵便社を経由して、妹として引き取ったということだろうか。

 

「そういえば、貴方とは初対面ですね。私、シノブ=コチョウといいます。救護班の者で、イヴ=イグナイトからリィエルという少女を診るよう要請を受けました」

 

 藤色の髪を蝶を模した髪飾りで括ったその少女は救護班の隊服を着用し、その上に白衣を羽織っていた。

 




※アンケート終了します。投票してくれました皆様方、ありがとうございました。
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