ロクでなしの紅炎公(憑依)   作:紅ヶ霞 夢涯

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 FGO5周年!無事にアルトリア・キャスターをお迎えできました………まぁ配布された石全部使ってようやく一体ですけどね。ガチャなんてこんなもん。


第32話

 私の視界にあの城は、ただただ巨大な炎に見える。つまり城の中にそれだけの数がいるか、あるいはそれだけ強大な敵がいるか。

 

 ?あぁ、原作の【イーラの炎】は敵性存在の位置を把握するだけの魔術だけど、それだけの機能だと流石に不便なので、ある程度その敵性存在の数や強さは測れるようにした。強さは炎の大きさだったり、勢いとなって見て取れる。

 

(もう城内の確認とかすっ飛ばして城を壊して良いかしら?)

 

 いや、駄目か。あの中にまだ生存者がいる可能性もないではないので、何の確認もなしにそんなことするわけにいかない。

 

 街の方で調査をしているアルベルト達をすぐにでも呼び戻そうかなと、通信魔導具を起動しようとしたときだった。

 

「イヴさん、子供が走ってきてますよ」

 

「え?」

 

 シノブの言葉に視線を動かす。するとそこには確かに幼い少年の姿があった。恐らく行方不明になっている子供の一人だろう。その子供は私達に気づいた様子もなく、恐怖に染まった顔で必死に走っている。

 

 幸か不幸かその少年は此方に気づいていない。

 

(どうしたものかな………)

 

 普通に考えるなら真っ先に保護するべきなのだが、如何せんタイミングが怪しすぎる。二つのチームに分け、城を【イーラの炎】越しに見て次の行動を考えようとした途端にこれ。罠と、そう見るのが妥当だろう。

 

 とはいえ、だ。

 

「おい、大丈夫か!?」

 

 それでも動くのが正義の魔法使い(グレン)の良いところであり、悪いところでもあるのだろう。

 

「ひっ!く、来るなぁ!!」

 

「落ち着け。もう心配いらない。俺たちはお前を助けに来たんだ」

 

 グレンが小声でそう言うも、子供は錯乱したように「死にたくない」「殺さないで」と繰り返している。

 

「グレンさん、少し任せて貰えますか?」

 

 するとシノブはグレンを押し退け、ゆっくりと膝を折り曲げ男の子と視線を合わせる。それから安心させるように笑みを浮かべた。

 

「もう大丈夫ですよ、坊や。私達は悪い魔法使いを退治しに来たんです」

 

「………ほ、本当に?」

 

「はい。だから教えてくれませんか?君がどうして、こんな夜更けにこの深い森の中にいるのかを」

 

 シノブがそう言うと少年はようやく落ち着いたのか、涙を湛え言葉を詰まらせながらも喋り出す。

 

 で、それをまとめると。

 

・普通に家で寝ていた筈なのに、気づいたら森の中にいた。

・自分以外にも何人かの同い年くらいの子供もいた。

・そこにいた唯一の大人が「鬼ごっこの時間」と言い、泣きじゃくる一人の子供を握り潰した。

・そしてパニックとなり、バラバラに逃げ今に至る。

 

「た、助けて!お家に帰りたい!」

 

「えぇ、勿論です」

 

 そこ、安請け合いしない。グレンも同調するみたいに頷くな。

 

(もしかして、久々に五体満足で無事な被害者を見て浮かれてる?)

 

 思わず溜め息を押し殺した。

 

 確かに被害者を救出できるならば、それに越したことはない。

 

 だけど、それを切り捨て任務を優先することがほとんどだ。被害者の救出は、任務を達成するついでのようなもの。積極的に助けようとは思わない。

 

 安堵から小さく笑みを浮かべるこの男の子一人を助ける行動も、特務分室室長(今の私)にはとることができない。

 

「ッ、何かいる」

 

 リィエルが弾かれるようにして顔を向けた先に、突然禍々しい気配が出現した。

 

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