〈sideグレン〉
「サーヴァント、セイバー。召喚に応じ参上した。これより我が剣は貴女と共にあり、貴女の運命は私と共にある」
イヴに視線を向けてそう言ったのは、鎧を纏った小柄な少女。そしてイヴは当たり前のようにその言葉を受け止めて、セイバーと名乗った少女にシンプルな指示を出す。
「敵はその男よ。片づけて、セイバー」
「承知しました」
気づけば、化け物の動きは止まっていた。『青髭』も本を捲る手を止め、現れた少女だけをただ見つめる。その顔は何故か。驚愕と歓喜に染まっていた。
「私の願いが、私の祈りが………ついに届いた!貴女を、聖処女を蘇らせた!!」
(いや急に何か言い出したんだけど?)
「私です、ジャンヌ!貴女様の忠実なる永遠の下僕、ジル=ド=レェにございます!!貴女様と再会するため、私はこうして時を越え、世界を越えやってきたのです!」
しかしその溢れる歓喜を向けられる当人の顔には、戸惑いの表情しか浮かんでいない。
「貴公は一体何を言っている?私達は初対面だが」
それを聞いた『青髭』の反応は激的だった。
「まさか………まさか、そんな御無体な!私の顔をお忘れですか!?おおお、オオオオオオオオなんと悼ましい!!神はどこまでも残酷な真ーーーーーーーーーいや」
ーーーーーー貴様か。
「なッ」
『青髭』がイヴを鋭く睨みつけ発した殺気に、思わず一歩下がった。リィエルも無意識にか喉を鳴らし、セラも冷や汗を浮かべている。
「貴様ぁあ!!私のジャンヌに何をしたああああぁぁぁぁ!!!!」
その殺気を涼しげな表情で受け流し、イヴは煙草を咥え口を開いた。
「妄言に付き合う気はないの。やりなさい、セイバー」
「………分かりました。すぐに」
そして金髪の少女は、『青髭』へと駆け出した。
〈sideout〉
(セイバーを見てこの反応………どうも本物の『青髭』って考えた方がいいみたいね。まさかとは思うけどこの世界のどこかに、聖杯でもあったりする?)
いや、いやいやいやまさかまさか。そんなものある訳ない。そんなことある筈ない。仮にあったとしたら、特務分室にその情報がないとおかしいだろう。
「とはいえ………」
あの『青髭』が召喚された英霊だと仮定して、その召喚者はどこの誰なのやら。それに加えて、どうしてこうも英霊にしては弱いのか。
(考えることが増えそうね)
ちなみに今暴れているセイバーは、ジャティスの人工精霊と同じような存在。言ってしまえば私の想像の産物でしかない。
「ねぇ、イヴ………あの娘は一体、何なの?」
「後で詳しく説明するわ。今は私の使い魔ってことで納得して」
お互いをサポートしながら、迫りくる触手を粉砕していく。セイバーの援護をするのも忘れない。
彼女の刃は確実に、『青髭』へと近づきつつあった。
………………………それにしても。
セイバーに流れる魔力が多いと思うのは、何かの気のせいだろうか?
ガンダムEXVSMBON、楽しい。