ロクでなしの紅炎公(憑依)   作:紅ヶ霞 夢涯

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 劇場版鬼滅の刃、見てきました。煉獄さんマジパないの!極めればあんな凄いのに、何故にこのイヴには炎の呼吸が適していないんだ…。


第41話 退去

 

 それは忌々しい程に、色鮮やかな炎だった。

 

「ーーーあぁ、ジャンヌ」

 

 貴女様も最期は、このような炎に焼かれて逝ったのですか。魔女だと数多の人間に罵られ、そして灼熱の業火に包まれ、一人死んでいったというのですか。

 

「信じた神に、救われることもなく………」

 

 何と酷いことか。しかも死して尚彼女の魂は開放されることなく、神めの呪縛に囚われたままでいる。

 

 願わくば冥府の淵より蘇った聖処女を、今度こそこの手で救いたかった。神などという不確かなものではなく、かつて貴女様と共にあった、この私の手で。

 

 だが、もはやそれは叶わない。しかし奇跡は確かに起きた。再び聖女をこの目に映すことができた。

 

 一度起きたのならば、二度目も必ずある。

 

「次こそは必ずや………貴女をお救いいたしましょう、ジャンヌ」

 

 やはり私を滅ぼすのは神ではなく人なのだと思いながら、私は天から落ちてきた巨大な炎よってこの世界から退去した。

 

 

 

 

 

 

 

〈side????〉

 

 一面が荒野と化した森林に視線を向ける。あれ程に存在感を放っていた巨大な怪物は、灰の一つも残さずに焼き尽くされた。英霊の宝具にすら匹敵するマスターの魔術には、脱帽する他にない。

 

(それにしても、やはり聖杯からのバックアップがない。現在の知識がまるで与えられない上に、知名度の補正もないとは………何かイレギュラーが起きているのか?)

 

 それにマスターは私が口を開く度に、不思議そうな顔をしていた。思っているのと違う、とでも言いたげな表情だった。まさかマスターが召喚しようとしていた英霊は、私ではなかったとでもいうのだろうか?

 

 視線をチラリと向けた先にいるマスターは、仲間と紹介された者らに囲まれている。どうやら「やり過ぎ」だと叱られているようだ。

 

(やり過ぎ、か)

 

 確かにそうなのかもしれないが、しかしサーヴァントに対して有効な魔術を所有しているというのは、素直に感嘆するべきことだ。そしてそれほど強力な魔術なら、この光景にも納得がいくというもの。

 

(その大魔術を行使して尚、マスターからの魔力供給は潤沢………どうやら今回のマスターは、かなり優秀な魔術師なようですね)

 

 例え何かしらのイレギュラーが発生していたとしても、このマスターと聖杯戦争に挑むのならば負けはしないだろうと思う。相手がどこのどんな英霊であっても。

 

「まずはお見事でした、マスター。まさか魔術師でありながら、サーヴァントを討てるとは」

 

 声を掛けるとマスターは再びキョトンと表情を崩し、唐突に左腕を軽く振って私への魔力供給を完全にカットする。

 

 思わずマスターに詰め寄った。

 

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