ロクでなしの紅炎公(憑依)   作:紅ヶ霞 夢涯

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 ヴァイオレットを出したいが為に、書き溜めしてた10話分が没になりそう。



第42話 令呪

 

 私が落とした球形の破壊のオーラは、『青髭』が呼び出した怪物を、森林の一部ごと消し飛ばした。それこそ、灰の一つも残さずに。

 

「「「「「やり過ぎ」」」」」

 

 そんな私への第一声がこれだ。信じられない。誰が『青髭』を始末して、しかもあの怪物を排除したと思ってるの。

 

「それでも、これは………ちょっと、ね?」

 

「何よ。文句があるなら、はっきり言えばいいじゃない」

 

「流石にやり過ぎとしか言えないよ」

 

 ………本当にはっきり言う必要はないと思う。セラは意外と、ズケズケと物を言うところがある。

 

 ただ、ジャティスまで「やり過ぎ」と言ったのは納得いかないので、彼の足先を再び踏み付けた。顔を歪めるジャティスを端目に、私はくるりと焼け野原となった森林に視線を移す。

 

 視線を移す途中で、何故か金髪の少女と目が合った。

 

「まずはお見事でした、マスター。まさか魔術師でありながら、サーヴァントを討てるとは」

 

「???」

 

 ………まだ消えていないことを疑問に思いつつ、セイバーへの魔力供給を完全にカットした。これですぐにでもジャティスの天使みたいに消えるだろう。

 

 そう思ったのもつかの間。

 

「何故、魔力の供給を止めるのです。まだ敵のマスターが付近にいるかもしれません。いえ、そうでなくともマスターからの魔力供給がなければ………」

 

「ちょっと、ジャティス来て」

 

 詰め寄ってきたセイバーを押し退け、ジャティスを呼ぶ。一応魔力供給を再開してから、肩をすくめる彼に顔を寄せて口を開く。

 

人工精霊(タルバ)って、魔力切ったらすぐに消えるわよね?何で私が出したのは消えないの?」

 

「………もしかして気づいてないのかい?」

 

「何が?」

 

「君、疑似霊素粒子を使えてないよ」

 

 そう言ってジャティスはポケットから小さな袋を取り出した。それは私が撒いた粉を回収したものだという………………………え?

 

「じゃあ、セイバーは何なの?」

 

「そんなの僕の方が聞かせて貰いたいね。少なくとも、僕の人工精霊とは全くの別物だ」

 

「マスター」

 

 声を掛けられセイバーの方に向く。彼女は凛々しい表情でこう言った。

 

「突発的な召喚だったことは、状況から推察できます。そのせいか現在の知識は得られませんでしたが………問題はないでしょう。ステータスやスキルに異常はありませんし、貴女程の魔術師がマスターとあれば心強い。我が剣に誓って、聖杯を必ずや貴女の手に」

 

「ちょっとセラ来て」

 

 目を閉じ、手袋で覆っている左手を側に来たセラに差し出す。そして左手の甲に何もないか確認して欲しいと言った。

 

「別にいいけど、どうしたの?」

 

「いいから早くしてお願いだから」

 

「はい、分かりました………あれ?イヴっていつの間にこんな入れ墨したの?私とお揃いだね!」

 

 セラの言葉に恐る恐ると目を開け、左手の甲に視線を落とす。

 

 ーーーーーーーーーそこには、()()()()()()()()刻まれていた。

 

「………………………嘘、でしょ」

 

 間違いなく令呪だった。

 




 
 今までも幾つか没になった展開あるけど、興味ある?
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