ロクでなしの紅炎公(憑依)   作:紅ヶ霞 夢涯

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 いつの間にか、感想が消えてた………感想には感想欄でってことなんでしょうか?気を悪くさせたならすみません。

 さて、今回で毎日投稿終わりです。しばらく空けます。


第47話 弓兵2

 

「セイ、バー?そう………今のが、最優の剣のサーヴァント」

 

 今の僅かな間に起きた攻防で、どれ程にアーチャーは疲弊したというのか。荒く息をする彼女を見れば、私のサーヴァントがどれだけ強いのかが改めて分かる。

 

「でも、流石に今のは無事じゃすまない筈よね。というわけで………」

 悪いけど命を貰うわよ、セイバーのマスター。

 

 アーチャーはそう言って弓を私に向け、矢を引き絞った。あれを持つ指が離れれば、それだけで私は本当に死んでしまうだろう。

 

(まぁ、そんなことにはならないけど)

 

 力強く地面を蹴る音が二つ重なる。一つは私が刀を錬成しながら、“炎の呼吸”壱の型を用いて地面を蹴ったもの。そしてもう一つは………

 

 

 アーチャーの真後ろに着地した、セイバーのものだ。

 

 

「終わりだ、アーチャー」

 

 その声に咄嗟に背後を振り返ろうとするアーチャーだが、しかしセイバーが首を刎ねる動きの方が圧倒的に速い。

 

 幾重にも風を取り巻いた剣が、アーチャーの細い首に当たる。それを私はーーー

 

 

「“炎の呼吸”参の型、気炎万丈!」

 

 

 弧を描きながら全力で振り下ろした刀で、思い切り弾き飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

〈sideセイバー〉

 

「なッ、何を考えているのですかマスター!」

 

 アーチャーの首を斬ろうと横薙ぎに振った剣は、あろうことかマスター自身の手によって遮られた。

 

 それがなければ、今ので確実にアーチャーを倒せていた筈だ。

 

「………何?まさか、情けでも掛けたつもりなの?」

 

 マスターはアーチャーの問いに答えず、私の方へと視線を向ける。

 

「まず謝るわ、セイバー。貴女の戦いに水を差して、ごめんなさい」

 

 その謝罪が上辺だけのものでなかったから、叱責の言葉が続けられない。いつでもアーチャーを斬れるようには剣を添えたままでいると、マスターが驚愕すべきことを口にした。

 

「今からアーチャーを説き伏せるわ。剣を下げて」

 

「………承知しかねます。アーチャーのマスターがどこにいるか分からない以上、あまりに危険だ」

 

「危険なのは、分かってるわ。それでも………早くして」

 

「………………………妙なことをすれば、即座に斬り捨てる」

 

 アーチャーに言って、一歩だけ下がる。そこは十分に私の間合いだ。

 

「アーチャー、私達と手を組んで」

 

 単刀直入に要望を伝えたマスターに対し、アーチャーは何も言わない。この場合の沈黙は、間違っても肯定ではないだろう。

 

「………そんなに、剣の英霊が黒の剣士じゃなかったことが残念だった?」

 

 マスターの言葉にアーチャーが勢いよく顔を上げた。

 

「………貴女の言う黒の剣士っていうのは、もしかして」

 

「当然、かつて一万もの人間を閉じ込めたソードアート・オンライン(剣の世界)クリア(開放)に導き、アルヴヘイム・オンライン(妖精の国)の悪事を暴いて囚われの姫を救い出し、ガンゲイル・オンライン(銃の世界)に現れたラフィン・コフィン(殺人集団)の亡霊を斬り払った貴女の………貴女達の英雄のこと」

 

 片膝を地面に着けて、マスターはアーチャーと視線を合わせる。そのマスターの瞳に、静かに涙を流しすアーチャーが映っていた。

 

「初めまして、アンダーワールド(加速した世界)の太陽神・ソルス。あるいはアルヴヘイム・オンライン(妖精の国)随一の弓使い。それともガンゲイル・オンライン(銃の世界)の氷の狙撃手?ひょっとしてただの女子高生?」

 

「貴女、はーーー?」

 

 呆然とした様子でそう言ったアーチャーに、マスターが答える。

 

「私の名前はイヴ、イヴ=イグナイト。旧姓はディストーレ。前世(もっと前)はーーー確か、そう………■■■■■って名前だったの」

 ーーー貴女の名前を教えてくれる?

 

 ポツリと、小さくアーチャーは真名を零した。

 

「………朝田、詩乃」

 

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