ロクでなしの紅炎公(憑依)   作:紅ヶ霞 夢涯

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 更新。年が終わるまでは頑張りたいな。



第48話

 

 その後、私とセイバーはED郵便社の地下室にいた。セイバーは私の側に控えていて、私は地下室に置いてあるベッドで横になっている。

 

「あ゛ー」

 

「………ちょっと、セイバー。貴女のマスターは大丈夫なの?今にも死にそうな顔してるけど」

 

「………分かりません。私としても昨日に召喚されたばかりですので」

 

「社長、非常に顔色が悪いです。本日はお休みになった方がよろしいかと」

 

 そしてこの地下室には現在、アーチャーことSAOサブヒロインの1人である朝田詩乃と、そのマスターであるヴァイオレットの姿もある。

 

(どうしてED郵便社にサーヴァントがいると思ったら、そういうことだったのね)

 

 ヴァイオレットはほとんどの人と同じように、魔術とは無縁の生活を送ってはいる。が、だからといって=(イコール)魔術師としての素質が皆無という訳ではない。

 

 彼女が魔術に欠片も興味を示さなかったこと、それよりも自動手記人形(ドール)に興味を示したこともあり、ヴァイオレットにはシノブと違い魔術を教えたことはない。

 

 まぁ、それはさておき。

 

「死ぬ、わけじゃないし………………………大丈夫、よ」

 

 ヴァイオレットにそう言葉を返すが、下手したら死にそうな気がする。多分、今の私は相当に青白い顔をしてるのだろう。

 

(全く、もう………本当なら、すぐにでも聖杯とか色々と、調べないといけないのに)

 

 固有魔術、第三王権者たる周防尊の力を模した【ダモクレスの剣(ソード・オブ・ダモクレス)】を使った反動のせいで、私はしばらく動くことができない。

 

 それもこの反動というのが、マナ欠乏症になる、という代物だからだ。肉体に内包する魔力の源であるマナが、ごく短時間に魔力を消費することで陥るショック症状であるマナ欠乏症。【ダモクレスの剣】を行使したその翌日に、私は強制的にその状態になってしまう。

 

(こんなデメリットのある固有魔術なんて、きっと他にはないでしょうね)

 

 【ダモクレスの剣】を頻繁に使うと、いずれ私は枯渇症すら患うだろう。だから私は固有魔術は滅多に使わない。使えない。

 

 というか、だ。

 

 強制的にマナ欠乏症になるなんてデメリットがあるのは、そもそも【ダモクレスの剣】が私の固有魔術とは言えないから、なのかもしれない。

 

 【ダモクレスの剣】は対セリカ=アルフォネア(最強の魔術師)を想定して、確かに私が固有魔術として作り上げた魔術だ。

 

 けどそれは、言ってしまえば『K』に登場する全七つある王権の内の一つを司る人物、周防尊の力を模しただけのものに過ぎなくて。

 

 前世で誰かが考え、誰かが世に生み出したもの。

 

 ーーーそれを再現しただけのものが、果たして本当に私の固有魔術だと言えるものなのか。

 

「マスター」

 

 セイバーの声に、意識を彼女の方に向ける。

 

 まぁ、既に作成した固有魔術なのだから、あれこれ考えても仕方ない。間違いなく【ダモクレスの剣】は強力な魔術だし、使いどころを間違えなければそれで十分だ。

 

「体調が優れないのなら、今は休んでいて下さい。確かに現状の説明は欲しいが、マスターに無理をさせてまでとは思わない」

 

「………いえ、大丈夫よ。普通に喋る分には、特に問題もないから」

 

 怠いから身体を起こすことはしないが、頭を傾けて三人を視界に入れる。

 

「それじゃあ、とりあえず………自己紹介から始めましょうか」

 

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