妄想フロントライン   作:杭打折

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傭われもすなる解説というものを、我もしてみむとてするなり。




番外編
EX.勝手に解説ラジオHK417


HK417

「……はい、という訳で始まりました勝手に銃器解説ラジオ。メインパーソナリティは私HK417と」

 

HK417

「私、HK417でお送りするよ…………あのさ、ちょっといい?」

 

HK417

「なんでしょうかHK417さん」

 

HK417

「呼び方紛らわしくない?」

 

HK417

「確かに…それでは、この中から好きなのを選んでください」

 

①HK417

②MR762

③MR308

④G27

 

HK417

「何これ?」

 

HK417

「私達の呼び名一覧ですね。上から通常モデル、アメリカ民間向けモデル、ヨーロッパ民間向けモデル、ドイツ軍制式名称です」

 

HK417

「見たところ20インチバレルの様ですし、G27(げゔぇあーずぃーべんうんとつゔぁんつぃひ)なんかは似合うのでは?」

 

HK417

「ずぃーべんうんと……えっと、何て?」

 

HK417

「G27です」

 

HK417

「あ、G27ね」

 

 ※因みにG28は「げゔぇあーあはとうんとつゔぁんつぃひ」、ドイツ語の数字くっそ長いよな

 

 別名一覧を眺めること十数秒

 

HK417

「うーん……」

 

HK417

「イマイチですか?」

 

HK417

「うん……MR762とか、違う名前にしたらお姉ちゃんとお揃いじゃなくなるみたいで、ちょっと寂しいなあって」

 

HK417

「なるほど……うん?」

 

HK417

「どうしたの?」

 

HK417

「今、床が揺れたような……?」

 

HK417

「地震かな……?」

 

HK834

「「あっ」」

 

 にわかに騒がしくなるスタジオ。

 

スタッフ

「ディレクターが血を吐きながら倒れた!」

 

????

「人工呼吸は俺が! そして416っぱいも俺が……!」

 

スタッフ

「誰かあいつを止めろ! あと快速修復もってこい!」

 

????

「HA☆NA☆SE!!」

 

HK417

「ディレクターが倒れたみたいですね。大丈夫なんでしょうか?」

 

HK417

(お姉ちゃん…!ディレクターってお姉ちゃんだったんだ……)

 

〜数分後〜

 

HK417

「無事ディレクターも戻ってきたところで、番組再開です」

 

HK417

「良かった……」

 

HK417

「それで、私達の呼び方なんですが……」

 

ディレクター(カンペ)

『HK417の名称が入る形にしなさい』

 

HK417

「……というお達しなので、私達のバレル長で区別しましょうか」

 

HK417-20"

「こんな感じ?」

 

HK417-16"

「そんな感じです。それでは、本題に入りましょうか」

 

 ※厳密にいうとHK417A2のバレルは16.5インチだけど省略して16と表記します

 

〜HK417ってどんな銃?〜

 

 

HK417-16"

「HK416の弾薬口径を7.62mmに拡張した銃です」

 

HK417-20"

「……それしか書いてないんだけど」

 

HK417-16"

「メカニズムや構造的な部分はHK416と大差ありませんからね」

 

HK417-20"

「確かに、操作方法とか殆ど同じだよね」

 

HK417-16"

「そこがメリットですね。HK417とHK416の操作方法は全て同じと言っても良いくらいです」

 

HK417-20"

「お姉ちゃんと私、使う銃を交換しても使えるね」

 

HK417-16"

「そうなりますね。HK417の訓練を受けた兵士はHK416も扱えるのは、非常に優れた点です」

 

〜HK417の来歴とか色々〜

 

HK417-20"

「そういえば私達って、どういう経緯で作られたの?」

 

HK417-16"

「始まりは7.62×51mm弾が、中東などの戦場で再評価されたことです」

 

HK417-20"

「広くて、見通しの良い場所だから、射程の長い私達の弾の方が有利だよね」

 

HK417-16"

「7.62×51mm弾はベトナム戦争での戦訓から5.56×45mmをはじめとする小口径高速弾に劣るとされていたのですが、戦場の変化がその評価を覆しました」

 

 ※なお、最近では小口径高速弾自体が火力不足と言われつつある。理由は色々あるけどボディアーマーが強くなってきたり、距離減衰が激しいのが理由

 

HK417-16"

「そういった流れの中、当時のドイツ連邦軍でDMRとして用いられていたG3の後継を目指したのが私達です。その頃のモデル――所謂初期型やプロトタイプと言われるものが此方です」

 

机下から引っ張り出すような仕草で机に置かれる初期型HK417。

 

HK417-20"

(何処から出したの……?)

 

HK417-16"

「この型は試作ということもあってかマガジン周りがG3のものに近く、マガジン自体もG3と共通です」

 

HK417-20"

「HK416から弾のサイズを拡張したその試験型ってところだね」

 

HK417-16"

「そして、次に試作されたモデルがこちらです。初期型からはホールドオープン機能の追加がされていて、マガジンも樹脂製で専用のものになります」

 

HK417-20"

「わたし達には馴染み深い形になってきたね」

 

HK417-16"

「そして2005年、HK417は遂にお披露目となります。HK417には独特のメカニズムや機構はありませんが、その代わりに得た高い場合保守性と耐久性が最大の強みです」

 

HK417-20"

「10,000〜15,000発までパーツの破損や、交換は不要ってHK社が保証してるくらい自信がある部分なんだろうね。この辺りは、G3が耐久面を欠点としていたのが影響してるのかな」

 

HK417-16"

「先代の欠点を克服した後継となれば、言うことは何もありませんからね。そして、HK417はG3の後継の座を正式に勝ち取るために、ドイツ軍のトライアルを受けることになり……」

 

HK417-20"

「遂に私達の時代が……!」

 

HK417-16"

「G3に敗北し、不採用となります」

 

HK417-20"

「えっ」

 

 

〜HK417は時代の敗北者なの?〜

 

HK417-16"

「より詳細に言うと、G3SG/1などの特に精度の良い個体を選別してカスタマイズしたものに、精度て劣るという理由で不採用となりました」

 

HK417-20"

「G3系列の精度って凄いんだね」

 

HK417-16"

「世界四大アサルトライフルの呼び名は伊達ではないということでしょう。不採用にはなりましたがしかし、HK417自体のポテンシャルは高く評価されていました」

 

HK417-20"

「どんなところが評価されたの?」

 

HK417-16"

「やはり、最初に挙げられるのは先述した保守性と耐久性ですね」

 

HK417-20"

「あ、やっぱりそこなんだ」

 

HK417-16"

「耐久性については先程お話したとおりですが、それが試験においても評価されたということですね」

 

HK417-20"

「保守性はどんなところが評価されたの?」

 

HK417-16"

「ショートストロークガスピストン方式を採用したことで機関部が汚れにくく、掃除が非常に簡単なのが一つ」

 

 ※ショートストロークガスピストンなどの動作方式については長くなるので割愛。

 

HK417-16"

「もう一つは、G3のような特殊なメカニズムじゃないので、メンテナンスが簡単ということです」

 

HK417-20"

「ローラーロッキングとディレイドブローバック方式だね。精度の良さはその機構のお陰だけど、作るのもメンテも大変なんだっけ」

 

HK417-16"

「そうです。例を挙げるとG3はトリガー周りの分解、組み立てにも部品点数の多さなどから容易ではありませんでしたが、HK417はこの辺りは少なくなってるので簡単ですね」

 

HK417-20"

「お姉ちゃん譲りの特徴が評価されたって事かあ……」

 

HK417-16"

「嬉しそうですね?」

 

HK417-20"

「すごく嬉しいよー?」

 

HK417-16"

「さて話を戻して……他に評価された点として操作性と携行性ですね」

 

HK417-20"

「操作性はG3の頃と大分変わってるんだっけ。チャージングハンドルも銃口の近くからストックの付け根に移ってるし、セレクターも片手で操作しやすくなってるね」

 

HK417-16"

「チャージングハンドルは射撃姿勢を維持したまま操作が出来ること、セレクターは指を伸ばす距離が短くて済むことなどですね」

 

HK417-20"

「後は携行性だっけ?」

 

HK417-16"

「まあ、これは単純に私達の方が軽いので。貴女の使ってるモデルですら、比較対象G3SG/1より軽いですから」

 

 ※HK417-12":4kg

  HK417-16":4.2kg

  HK417-20":4.8Kg

  G3SG/1  :5.54kg

 

HK417-20"

「うーん、そうかなー……?」

 

HK417-16"

「どうかしましたか?」

 

HK417-20"

「いや、私そんな軽く感じたこと無いけど……」

 

HK417-16"

「……それは貴女の銃だけです」

 

 HK417-20"のカスタマイズから目をそらすHK417-16"。

 

 

~トライアルを経たHK417の進歩と現在~

 

HK417-16"

「それからHK417は改修に入ります。トライアルの結果を受けた仕様変更といったところですね」

 

HK417-20"

「あ、もしかして……」

 

HK417-16"

「此処からG28に発展していくというわけですね。G28は高精度なマッチバレル、スチール製のアッパーレシーバー、新型の伸縮式スナイパーストック、サプレッサーの使用を想定したガスレギュレーターを搭載するなど新機構を盛り込みつつも、75%もの部品をHK417と共用してます」

 

 G28を机の下から床の上に置くHK417-16"。

 

HK417-20"

(いや、だから何処から出したの……!?)

 

HK417-16"

「発展型となるG28は以前のトライアルで評価された部分はそのままに、精度の強化を重視しています。結果、2011年にドイツ連邦軍に採用されました」

 

HK417-20"

「やったねG28、おめでとう!」

 

HK417-16"

「更に最近では、2016年にアメリカ軍にもG28EというモデルがM110A1として採用されています。今は試験などを行いつつ最終的な仕様を模索しているところですね」

 

HK417-20"

「なるほどね……それだけ派生型が発展してるなら、本元のHK417も変わっているの?」

 

HK417-16"

「勿論。G28からのフィードバックを受けて仕様変更などが行われていますよ。アメリカに採用されたG28Eも、ベースになっているのはMR308A3というモデルですから」

 

HK417-20"

「A3っていうことは2回仕様変更があったんだ……民間用にもきちんと反映していたりするのを見ると、結構期待されてるのがわかるね」

 

HK417-16"

「ちなみにHK417だとHK417A2が最新モデルですね。外観上での大きな違いはストックが行われたこと。機能面では右側にボルトリリースレバー、左側にマガジンキャッチボタンがそれぞれ追加されたことです」

 

HK417-20"

「左右どちらからでも操作できるようにして、今より更に操作性が高くなってるから……良いなあ、確実にアップグレードしてるじゃん」

 

HK417-16"

「ここからもっと良くなりますよ。何せHK417はまだ発展中の銃ですから」

 

HK417-20"

「これから先、どうなるのか楽しみだよ。あと、長く使われると良いなあ」

 

HK417-16"

「同感です」

 

 

 

〜収録終了後〜

 

HK417-20"

「A2モデルも良いなあ……私の銃も一部更新してみようかな」

 

HK417-16"

「烙印済みの銃の仕様変更って可能なんでしょうか……?」

 

HK417-20"

「Modとかでゴリ押せば行けるんじゃない?」

 

HK417-16"

「そんな無茶苦茶な……あれ、ディレクターがまた何か……」

 

ディレクター(カンペ)

『貴女がA2にするなら、私もHK416A5にするわ』

 

HK417-20"

(お姉ちゃん……!)

 

HK417-16"

(これが姉堕ちした姿か……)




まずは通りすがる傭兵さん、カカオの錬金術師さんに感謝を。

前々からやりたいとは思ってた。
下調べとかはしたつもりだけど、間違ってる部分があれば教えてくださいな。
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