サックサックと砂を踏み分けながら歩いていく。何も話さず、無言でゆっくりと歩いていく。
然して、一つ疑問が湧いてきた。
「ねぇ、アンデルセン」
「なんだ、マスター?」
「そういえば、どこに向かって歩いているの?王宮のあった方とは別の方向を歩いているけども」
「最初に言っただろ、出口だ」
いや、出口というのは分かっているのだけれど。
わざと言っているのか、わざと私を困惑させるために言っているのか。
アンデルセンは私なんかに目も暮れず、ただただ前へと歩を進めている。
本当にどこに向かっているのだろうか。気になる。
然して、それもすぐに杞憂に終わった。
れから数分後、彼は他の場所との大きな違いが感じられない場所で足を止めた。
「さぁ、着いたぞ。マスター」
「ねぇ、アンデルセン。本当にここに出口があるの?」
「あぁ、もちろんだ。そろそろ”頃合い”だからな」
「頃合い?」
そう尋ねた途端、海面から何かが落ちてくる音がした。
何事かと海面を見上げたが、そこには何も誰もいなかった。
ただ何かがいたらしい痕跡として、微かに泡が立っているのが見えた。
そして、その泡はまるで生きているかのように、私達のいる方へと近づいてきた。
アンデルセンはそれを強く睨みつけている。
「さて、マスター。あの泡に触れろ」
「触れる?危険なものではないの?」
「あぁ、あれは”人魚姫だったもの”だからな。あんまり躊躇していると、彼女の家族に俺たちの存在を勘づかれる可能性がある。早くその泡に触れろ」
「う、うん」
気が付くと、もう手を伸ばしたら届く範囲に泡が来ていたので、私は彼の指示通りに泡に触れた。
すると、私の身体が白く光り始めた。良くわからないが、これで本のページから脱出できるのだろう。
しかし、同時に泡も割れてしまった。
「アンデルセン、まずいよ泡が……」
「あぁ、
「直感的って何?どういうこと?」
「さぁ、それはさすがに作家の俺でも分からない。無辜の悪魔が関連しているのかもしれないし、神仏が関連しているのかもしれない……あぁ、そうだマスター。言い忘れていたが俺は」
身体が白い光にどんどん包み込まれていく。
待って、まだ彼の言葉は続いてる、せめてその言葉だけでも…と思ったが、白い光は待ってくれなかった。
私は入ってきた時と同じように、レイシフトでもしたかのような感覚に襲われ、意識を失った。
多分あと一話で「本を巡って」は終わりです。
ここまで書いて気付きましたが、今回の話全くジャック出てない。
次の話はジャック主体にする予定なので、タイトル軽く詐欺してるけど許して。