「吾、幻のマカロンが食べたい!」
ある昼下がりのことだ。
復帰したマシュと退屈していたジャックと一緒に私の部屋でお茶をしていると、突然イバラギンが部屋に入ってきて、そんなことを言い放った。
ほのぼのしていた私たち三人は突然のことに頭の処理が追い付かず、固まった。
「おーい。マスター、聞いているのか?魔酒?おーい」
「……はっ!すいません、茨木さん。突然のことについ固まってしまいました。それで…茨木さん、幻のマカロンとは?」
イバラギンはふっふっふと不敵な笑みを漏らした。
「よくぞ聞いてくれた魔酒!実は昨日、酒呑から”あんたが緑の人って呼んでる人が幻のマカロンを手に入れた、って話を聞いたんやけど、茨木、ちょっと強奪してきて、ほんまに存在するのか真偽を確認してきてもらえへんやろうか?真偽を知りたいだけやさかい、別に食べてしもてもええよ”と頼まれてな。吾一人で行ってもいいのだが、それだと酒呑に嘘をついていると疑われるかもしれぬ。ので、マスター。証人も兼ねて幻のマカロン探しを手伝ってくれぬか?」
うーん。今お茶をしている途中だし、本音を言えば断りたい。しかし、イバラギンの気持ちを無下にもしたくない。
どうしようか。とりあえず、マシュに目配せしてみたが、彼女も同じように迷っているようだった。
すると、リンゴジュースを飲んでいたジャックが私の服の袖を引っ張ってきて、耳を貸してと言ってきた。
「おかあさん、私達も”まぼろしのまかろん”っていうの気になるな」
うーん。ジャックが気になるって言うなら、仕方ない。マシュに目配せして、お茶を中断する許可を取った。
「三人一緒に行かせてもらえるならいいよ」
「むぅ…そんなに手はいらないのだが…まぁ、よい。大して大人数ではあるまいし」
「ありがとう、イバラギン」
「ふふふ、気にするようなことではない。それでは早速行くぞ!マスター、魔酒、ジャックよ!」
「解体の始まりだね!」
いや、ロビンを解体しちゃ駄目だよジャック。
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カルデア内部を捜索していると、ロビンは彼の部屋で惰眠を貪っていた。
「さて、マスター。向こうに緑の人が寝ているが、今回の目的はあくまで”幻のマカロンの強奪”だ。今後マカロンをもらえなくなると、色々とまずい。そこで絶対にバレないようにおんみつプレイ?というやつで頑張るぞ。ということでジャック、少し耳を貸せ」
「……?分かった」
茨木はジャックの耳にゴニョゴニョと何やら言い始めた。
「………………よっし分かったか?ジャックよ」
「うん、そのぐらいなら私達に任せて!」
こうしてイバラギン主導の幻のマカロン強奪作戦が始まった。
一話完結しようと思いましたが、思ったより長くなりそうなので前後編に分けることにしました。すいません(?)