ジャックとマスターの話   作:海沈生物

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素敵なお茶会(1)

朝起きると、ドアの隙間に白い紙が挟まっていた。

何だろうかと思い抜いてみると、その紙にはこう書かれていた。

 

『素敵なマスターさんへ 今日のお昼、みんなでアフタヌーンティーをするの。良かったらおいでなさって!』

 

アフタヌーンティー…アフタヌーンティか。楽しそうだし行ってみたいが、あまり礼儀作法について知らないし、どうしようか迷う。

そうやって紙とにらめっこしていると、部屋の扉を叩く音がした。

 

「はーい。勝手に入っていいよー」

 

プシュゥと音が鳴り、ドアが開く。そこには白いワンピースを着たジャックがいた。

うん、素直に可愛い。

 

「見て、おかあさん!ナーサリーが作ってくれたの!」

 

「おぉ!すごい似合ってるよ、ジャック」

 

「えへへ」

 

サラッとジャックの頭を撫でると、とても気持ちよさそうな顔をした。

喜んでもらえて何よりだ。

 

「それはそうとジャック、何か私に用事でもあるの?」

 

「えっとね…おかあさんにお茶会に来てほしいの!」

 

うーむ。ジャックに言われたら、行かないわけにはいかない。

しょうがない、覚悟を決めよう。不作法なことをしたら殺されるわけじゃないんだし。

 

「もちろんいいよ」

 

「わーい!やったー!おやつの時間にするみたいだから、おかあさん、遅れないで来てね!」

 

「うん、分かった」

 

ふんふんと手を振って、ジャックは立ち去って行った。

 

「さて…マシュに朝の挨拶でもしに行こうかな」

 

グッと背を伸ばして、食堂に向かうことにした。

 

 

「あっ。おはようございます、先輩」

 

「おはよう、マシュ」

 

食堂に着くと、マシュはちょうどエミヤ特製の和食セットを食べていた。

味噌汁のいい香りが私の鼻腔をとてもくすぐる。私も和食セット頼もうかな。

 

「そう言えば、()()()()あの招待状届きましたか?」

 

「招待状…ってあれ、もしかして今カルデアにいる全メンバーに配っているの?」

 

「はい、どうやらそうみたいです。厳密には女性限定みたいですが」

 

アストルフォとかデオンはどうなのだろうか。

一応、女性扱い…なのかな。

 

「マシュは行くの?」

 

「はい、行くには行くのですが…」

 

マシュは目を伏せて、暗い顔をした。

 

「何か用事でもあるの?」

 

「はい、ドクターから身体の定期メンテナンスの通達が来てまして…ですが、途中参加で行きますから!絶対行きますから!」

 

瞳孔をぱっちり開き、私に迫ってきた。近い、近い。

 

「…はっ。すいません、先輩。つい興奮してしまって…」

 

「大丈夫、大丈夫。気にしてないよ」

 

「それならよかったです、はい」

 

マシュは肩を落としつつ、また和食セットを食べ始めた。

さて、私も何か朝ごはんに食べようかな。

ウキウキ気分でエミヤのいるカウンターへ向かった。




二次創作やっぱ書いてて楽しい。

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