「ジャック、”フォウ、フォウ、フォウ”って何なの?」
ジャックとナーサリーにそう尋ねてみると、二人は目を輝かせながらそのことについて話してくれた。
「えっとね…フォウがそうやって鳴くと、ドアがパカーンって開くんだ!」
なるほど、だからフォウが朝起きた時に私の部屋にいたのか。謎が解けた。
出る時も叫んでいたのも、それが理由だったのか。
でも、ロマンが言っていたことから察するに、”フォウがいなくても子供サーヴァント部屋のドアは開いていた”のだ。何か理由があるのだろうか。
まぁ、今はとにかくカルデアの自動ドア復旧が優先だ。
「そうなんだ。教えてくれて、ありがとうジャック。…で、ロマン」
未だにロマンはポカンとしており、全く私の声が聞こえていなかったみたいだ。
「ローマーンー!」
「…………はっ。ごめん、ちょっと思考回路が停止していたよ。…それで、何かあったの立香ちゃん?」
「えっと…フォウに部品とかを持たせたんだよね?」
「あぁ、紐でグルグル巻きにして持たせたから、落としたことはないと思うんだけど…」
もちろんだが、フォウは何も持っていない。
持っていたならば、私の部屋に来た時点で気付いていただろう。
「ジャックたちがフォウに会った時も何も持ってなかったの?」
「うん!フォウを見つけたからモフモフしようと思ったんだけど、何も持ってなかったよ!」
ふーむ。謎が一つ解けたと思ったら、また新たな謎が湧いて出てきた。
でも、”何も持っていなかった”ならば、一体どこに消えたのだろうか。
「あっ」
色々な推測を考えていると、ロマンが突然気の抜けたような声を出した。
「数分だけ通信切るから、その場で待っていてくれないか?ちょっと確かめたいことがあるから」
「うん、分かった」
ピィピィと音が鳴り、ロマンのホログラムは消えた。
さて、待っている間何をしようか。ジャックたちを見ると、二人は私の部屋のベッドの上でピョンピョン跳ねて遊んでいた。
フォウはおよそいつものフォウの声とは思えないような声を出して、同じように跳ねていた。あの中に混ざりたいが、さすがに私が入ると手狭なこと必至だろう。仕方なく、デスク前の椅子に座る。
「わーい!」
「楽しいわ!」
「フォウゥゥウゥゥ!?」
穏やかな目で二人と一匹を見つめていると、少し未来のことが頭に過った。
もし、ソロモン…もしかすると別に犯人がいるかもしれないが、彼を倒すことが出来た場合、ジャックやナーサリー、アンデルセンやダヴィンチちゃんたちはどうなるのだろうか。
「……」
ロマンからの通信が来るまでの間、私はぼんやりとそのことについて考え込んだ。
フォウモフモフしたい。