ジャックとマスターの話   作:海沈生物

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フォウ・フォウ・フォウ(4)

厨房に落ちていた紙には、こう書かれていた。

 

【マスターへ どうやらこの騒動の犯人はマーリンだったみたいです。金の部品の破損に気付いた彼が、マスターがあたふたする姿を見るために行ったそうです。新しい金の部品と地図は取り戻しましたので、あとは私が責任を持って修理してきます。ですから】

 

なるほど、マーリンが犯人だったのか。どうやって突き止めたか気になるが…触れぬが仏だろう。

そんなことよりも、この最後の文が途切れているのが何とも気になる。

大概の本だとこの後にかなり重要なことが書かれているパターンが多い。

そして、その事実を知った時には既に手遅れであるパターンも多い。

こういう時にマシュがいてくれたら、なんかいい感じの打開案を出してくれるのだが…まぁ、いないものは仕方ない。頼りになるか分からないが、ホログラムから一緒に紙を見ているロマンに尋ねてみる。

 

「ロマン、”ですから”の続きなんだと思う?」

 

「……”この部屋から出ないで”…とか?」

 

「うーん。何か違う気がする」

 

「じゃあ、”この部屋から早く出てマスターの部屋で待機しといて”…とか?」

 

「うーん、それも何か違う気がする」

 

ロマンは小さくため息をついた。

 

「じゃあ…”------”とか?」

 

「えっ?」

 

「だから…”------”とか?」

 

あれ。どうしてだろうか、重要な部分にだけ酷くノイズがかかって聞こえない。

機械の不調だろうか。

 

「ねぇ、ロマン。さっき言ったことをそこら辺の紙に文字で書いてくれない?」

 

「あ、あぁ…?良く分らないけど、やってみるよ」

 

ドタバタと音を立てて画面から離れ、数十秒後に画面に戻ってきて、その言葉を書いた紙を見せてくれた。

予想通りと言えば予想通りだが、その言葉の部分は視力が悪い人が見る世界のように、かなり歪んでいて読めなかった。

なるほど、これでようやく真相の概要が見えてきた。

 

「ありがとう、ロマン。ということで…ジャック、霧出せる?」

 

「…?良く分らないけど、任せておかあさん!」

 

ジャックは自信満々で懐から短剣を取り出した。

 

「出すよ、おかあさん!」

 

その宣言の後、ジャックの周囲が白い霧が漂い始めた。

ナーサリーはいつのまにかフォウと共に部屋の外に出ていた。

 

「……それでおかあさん、誰を解体するの?」

 

「ううん、違うよ。この霧は酸だから…しばらく待てば分かるよ」

 

「待つの?うーん…それじゃあ、おかあさん。待っている間、退屈だからちょっとお話して!」

 

「うーん…どんな話でもいい?」

 

「うん!いいよ!」

 

特別面白い話でもないが、少し前にアタランテから聞いたとある神様の話をすることにした。




進展遅いけど、色々事情があるので許して…
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