ジャックとマスターの話   作:海沈生物

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全てが終わった後にて(3)

マシュ捜索の手始めに、私は管制室を訪ねた。

選んだ理由は特にない。考えて最初に思い浮かんだ、それだけの話だ。

 

管制室は私の存在証明をする必要がないのと祝賀会があるのが影響して、サーヴァントも人もおらず、異様なほどにシーンと静まり返っていた。

 

「おーい!マシュいるー?」

 

大声で叫んでみたが、広い管制室に反響するのみで物音一つ反応はなかった。管制室にはいないのだろうか。

一応レイシフトをした痕跡があるかだけ見てみたが、もちろんのことながら無かった。

ついでにダヴィンチちゃんの工房にも顔を出してみたが、祝賀会の司会を務めていることもあって、緊急用のホログラムダヴィンチちゃんになっていた。

どうせ今はショップなんて誰も使わないと踏んでいるのだろう、ホログラムの顔に”ただいま休止中”と書かれた紙が貼ってあった。

 

「うーん…やっぱりいないか」

 

ホログラムダヴィンチちゃんに背中を見つめられながら、私は他の部屋へと向かうことにした。

 

 

次に私は自分の部屋を訪ねた。私の部屋も管制室と同じく、シーンと静まり返っていた。

ベッドの下などをキョロキョロと見渡してみる。

 

「ここにもマシュはいない…か」

 

あんまり長時間も祝賀会会場から離れていたら、一部の心優しいサーヴァントたちに無用な心配をかけてしまうかもしれない。でも、マシュの行方も気になる。どちらを取ればいいのか、私はとても葛藤した。

…アンデルセンは”お前の心の思うがままにすればいい”みたいなことを言っていたが、二つの選択肢があって、二つとも選びたいと心が思ったならば、実際どうすればいいのだろうか。

 

「…簡単だ、マスター。そんな時は”あとでどうにかならない方を選べ”」

 

「…えっ」

 

突然背後から聞き覚えのある声が聞こえたと思って振り返ると、そこにはなんとアンデルセンがいた。

彼は少しため息をついて、また口を開いた。

 

「もう一度言うぞ。”あとでどうにかならない方を選べ”。もしも”心優しい無駄な心配をかけたくない”とでも思っているなら気にしなくていい。俺と部屋で寝ている文豪が適当な弁論で、そいつらにお前の事を誤魔化しておいてやる。だから、気にするな」

 

「…分かった、ありがとう!それじゃあ行かせてもらうね」

 

彼に軽く頭を下げてそのまま別の部屋を探しに行こうとすると、後ろから「あの雪花の少女は座を失った者の部屋にいるはずだ」と欠伸交じりに教えてくれた。

「ありがとう!」と返すと、「…あぁ」と珍しく皮肉なしで返事をしてくれた。

 

私は彼の部屋へと足を急がせた。




あとに早くて二話で終わる予定です。
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