ジャックとマスターの話   作:海沈生物

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全てが終わった後にて(4)

息を切らせつつ、彼の部屋へと走る。

何度かレオニダス・キャンプを経験させられた為に多少は体力を持っているが、それでも最大出力で走っているのでかなり呼吸が辛い。肺が潰れてしまいそうで、口呼吸が強いられるために口内がとても渇き、足も棒のようになっており、痛い。

しかし、もし歩いて行ったならば、マシュとすれ違いになってしまう可能性がある。

それだけは避けたい。

 

「……はぁ、はぁ、はぁ……着いた!」

 

彼の部屋の前に着くと、なぜか自動ドアが少し開いており、中からマシュと誰かが話している声が聞こえてきた。

恐る恐るバレないようにドアの隙間から中を覗くと、そこにはマシュとジャックの姿があった。

そう言えば、あの祝賀会会場でジャックが見えなかったことを思い出した。

…それにしても、異色な組み合わせだ。私が仲介している時ならまだしも、マシュとジャックが二人で話しているなんて。引き続きバレないように警戒しつつ、二人の話している内容に耳を澄ました。

 

「…ジャックさんは先輩…えっと、”おかあさん”といて楽しいですか?」

 

「うん!おかあさんはいつも私たちに優しくしてくれるし、大好きだよ!」

 

「そうですか……それじゃあ、ジャックさんは”おかあさん”が誰か他の人と話していて、何か…感じることはありますか?」

 

「うーん……ちょっとだけ寂しいと思う……かな。でも、おかあさんが私たちのおかあさんであることは変わりないから、私たちは気にしないよ!」

 

マシュは目を伏せて、「おかあさんが私たちのおかあさんであることは変わりない…」と小さな声で復唱した。

復唱し終わると、すぅはぁと深く呼吸をして、ジャックに向かって「ありがとうございました、ジャックさん!」とだけお礼を言い、なんとドアの方…つまり、私の隠れている方へと走ってきた。

走ってどこか死角なりに逃げようにも、先程走ってきたことにより、私にそんな体力は微塵も残されていなかった。

 

「……せ、先輩!ど、どうしてこんなところに?食堂で皆さんと一緒に祝賀会を楽しんでいたんじゃ…」

 

突然私と鉢合わせしたマシュは驚きと戸惑いで、顔を真っ赤にしていた。

「あっ!おかあさんだ!」と言って、部屋の中からジャックも出てきた。

 

「えっと…まずはジャック、後で私たちも行くから、先に食堂に行っておいてくれるかな?」

 

「うん、分かった!待ってるからね!」

 

ドタドタ足音を立て、ジャックは食堂の方へと走っていた。

 

「それじゃあ、マシュ。…少しだけ話をしない?」




後で一話で終わる…かな?不安になってきた。
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