ジャックとマスターの話   作:海沈生物

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素敵なお茶会(6)

「あっ!いた」

 

カルデア館内を捜索し始めてから数分、管制室の中に探していた人物がいた。

金髪に王冠を被った騎士…アルトリアだ。

 

「こんにちは、マスター。私に何か用ですか?」

 

「うん、今日の午前中に私を襲ったことについて詳しく聞かせて欲しいのだけど、いいかな?」

 

「…はい」

 

直感で私が事情を大まかに把握していることを察して観念したらしく、彼女は事の顛末を話し始めた。

 

 

昨日の夜、エミヤに少し用事があり食堂へ行くと、彼はおらず、調理場に赤いノートとお菓子が置いてありました。

少し席を外しているのだろうと思い、退屈潰しに赤いノートを読むことにしました。

…これが事の口火を切るきっかけになりました。

 

赤いノートの中には挿絵と共に、とても分かりやすくお菓子の調理法が書かれており、一見して私にも出来るのではないか、と考えました。

その中でもホットケーキは簡単そうで、そんなに時間もいらなそうだと思ったので、調理場を漁ってマスターの為に作ることにしました。

これでマスターからの好感度も上がり、もっと出撃させてもらえると思って作ったのですが…なぜか何度作っても、ゲル状のスライムのようになってしまったのです。

そんなことをしている間にエミヤが帰ってきました。

調理場は荒れ果て、砂糖や塩の袋も空っぽ。

このままだとエミヤにもマスターにも叱られてしまうと思いました。

そこで私は調理場の棚の中に隠れて、なんとかエミヤをやり過ごそうとしました。

結果として…もちろんですが、彼にバレました。

小一時間説教をされ、説教が終わると、片づけはやっておくからもう寝ろと言われ、部屋に帰らされました。

その日…まぁ昨日なのですが、言う通りに寝ました。

 

そして今日。

朝、ご飯を食べに食堂へ向かうと、エミヤがマスターに何か話している姿が見えました。

途端に私は壮大な勘違いをして、彼が昨日のことをマスターに告げ口したのでないか、と思い込みました。

これは好感度が下がった、と思った私はどうにか好感度を上げれないかと考え、ある策を思いつきました。

昨日、無理矢理エミヤに帰らされた時に持って帰ってきてしまった赤いノートがちょうどあったので、マスターと一緒にクッキーでも作り、今日の午後からあるアフタヌーンティーに持ち寄ろうと考えました。

 

そこで近くにいた字があまり読めないジャックに、マスターに読んでもらうであろうことを見越して怪文書めいた手紙を渡し、あえてマスターの部屋に入っていく所を見せて、怪しんだマスターがマスターの部屋に入ってきてくれるように誘導したのです。

正直、手紙に一緒に料理を作りたいと書けば良かったという話ですが、あの時の私はもし普通に誘ったとしても、昨日のことを知って失望したマスターは誘いに乗ってくれないのではないか、と思っていたのです。

まぁ、だからと言って、怪文書というチョイスはどうなのかという話ですが。

 

そして上手くマスターを誘導して、マスターが部屋に入ってきた瞬間、なぜか部屋の電気が消えました。

焦った私は赤いノートをベッドの下に落としました。

もしそれを持ってマスターがエミヤの元に渡してしまえば、またエミヤに叱られ、マスターからは失望を超えていないものとして扱われるかもしれない、という思いに駆られました。

そこから、赤いノートを取ろうとしているマスターを一旦気絶させて赤いノートを回収しようとしました。したの…ですが。ドアからエウリュアレの矢が飛んできて、マスターの頭に刺さりました。

突然のことで私は戸惑いました。

ドアのほうを向くと、開いたドアの陰からエウリュアレが満足げに意識を失いかけているマスターを見ていました。

 

「さぁ、マスター。足が疲れたからおんぶしていってちょうだいな」

 

そこからは…察してください。私の口からはとても…




あと一話続きます。

(怪文書の下りは…うん、なんかこう…うん。次こういう話書くときは、気をつけます…はい。あと、エウリュアレの魅了、意識ない人にはかからないのではとか色々と書いた後に気付きました。手遅れなので、これも次から気をつけるようにします…はい)
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