漆黒の髪を靡かせ、粉雪のように優しい君は(俺ガイル) 作:みうみん
雪ノ下雪乃side
彼女は本当に勘がいい子だから。
私の考えも本音も全部わかっているから。
顔も性格もスタイルも……本当にいい子だから。
そんな彼女に依存したから。
私は悪い子だから。
「いつか」なんて曖昧な言葉で彼を縛りつけてきた。
彼は優しいから。自分を犠牲にしてまでも助けてくれる。
そんな彼を、ありのままの私で、私は私のままでいいのだと教えてくれた彼を拒絶してしまったから。
私は彼女みたいに想い続けたり、受け入れたりできなかった。
誰かに頼らないなんて言いながらいつも押し付けてきた。
だから、彼女を差し置いて、彼を縛りつけたままでこの想いを打ち明けることは卑怯なことだ。
こんな気持ちになるのは初めてだったから。
こんな酷く脆い気持ちを抱くことなどないと思っていたから。
いつもそばにいてくれた。
気がつけばいつの間にかそばにいてくれた。
あなたは眩しすぎて、まっすぐ見ることなんてできなかった。
でも、もうこの気持ちに嘘をつくことはない。
あなたは私の光。
願うことがもし許されるのであれば……
言葉にしても意味はないのかもしれいけれど……
彼のような人には二度と会えないと思うから……
欲しいものがあるから……
あなたに届いて……
これが私の「答え」
由比ヶ浜結衣side
いつのころだろう……
別れ際にいつももう少し一緒にいたいと、この時間が、息ができないような大切で幸せな"今"が続けばいいのにと強く思ったのは……
この気持ちにもし名前をつけるとするのなら……
たぶん「恋」なのだろう。
人を好きになるってこういうことなんだなって初めてわかった気がした。彼に会えて良かったって。これからもよろしくって。心からそう思えた。よく淡い想いとか儚いとか表現されるけどそんなもんじゃない。熱くて熱くて熱すぎて、周りなんて見えない。どこにいても、どこへ行っても彼だけを見つめていた。
けど、どこかに彼女がいて…彼女の考えに、彼女の本音にずっと昔から気づいていたのに彼女みたいに諦めたり、譲ったり、拒否したりできなかったから。
私は悪い子なんだ。
全部彼女のせいにして、彼女に依存して逃げてるだけなんだ。
ただ彼と彼女の間に…そばに居たいだけなんだ。
でも、全部終わってしまうのが怖かったから。
全部気づいていて押し付けてきたのはあたしのほうだから。
だから、ごめんね。ゆきのん……
もう彼の前では涙は見せないんだ。
彼は優しいから泣いてたら立ち止まって手を差し伸べてくれるから。
本当に最初から最後まで、彼はあたしのヒーローだったから。
だから、これでいいんだ……
バイバイ あたしのヒーロー。
自分の恋物語は終わったから……彼と彼女の答えを見届けるんだ。大きな声で笑顔で声をかけるんだ。捻くれてて、どこか気だるげだけど、本当は真っ直ぐでひたむきな、そんな彼と不器用で堅実な彼女の側で支えられるような人になりたい。
これがあたしの「答え」
だから、これからもよろしく。 ヒッキー、ゆきのん。