今回は長めな感じです。
「これをこうして………はい」
「おおっ!!凄いじゃねぇか司令!!」
執務室であやとりの研究をしてる際にノック音が聞こえてきたので開けると今作戦で着任した夕雲型16番艦『朝霜』がいた。
話を聞くと暇だから遊びに来たとの事。
なので今あやとりの技を披露してる最中だか朝霜は目をキラキラさせながら見ている。
「ここの提督はあやとりが上手いって聞いていたが間近で見るとスゲーな!!」
「誰に聞いたの?」
「長波姉から聞いたんだ。あやとりが上手い提督はうちしかいないんだせ!!って」
まぁ確かに軍人であやとりが上手い人なんていないよね。
「朝霜、僕は正規の提督じゃないんだ。あくまでも代理なんだよ」
「そんなの関係無いね、あたいから見れば司令は司令さ」
う~んさっぱりしてる性格。夕雲とはまた違うタイプだなぁ。
姉妹が沢山いるから性格もそりゃ違うよね。
次は何を披露しようか考えていると朝霜はにやりとしながら言った。
「司令、噂で聞いたんだけど射撃も得意なんだって?」
「……そうだけど長波に聞いたの?」
「大淀さんから聞いたぜ!!」
大淀さんかぁ。礼号組が揃った事でお昼休みに嬉しそうに話していたけど。
「あたいはこれでも夕雲型屈指の殊勲艦だからな!!砲雷撃戦も得意だぜ!!司令!!勝負しようぜ!!」
朝霜は戦況の悪化時に竣工されて僅か1年足らずの艦歴だが戦果を出していた。潜水艦トラウトを撃沈させた話は有名でありまた本人も対潜戦が得意と言っていた。対潜訓練ではトップのスコアを出していたと報告書に記載してあった。
五十鈴さんは「対潜戦のセンスがピカイチ」と満足そうに話していたのは昨日の出来事。
また砲雷撃訓練でも『飢えた狼』の異名を持つ足柄さんとタイマンをやりあっていた光景は忘れられない。実戦そのものと言ってもおかしくない。
足柄さん曰く「砲雷撃戦はやはりこうでなくっちゃね!!」と眩しい笑顔で言っていた。足柄さんは何て言うか史実通り『狼』だなぁと改めて思った。
朝霜にせがまれて考える。僕は艦娘じゃないからなぁ………。
「朝霜、僕は人間だから連装砲は撃てないよ?」
「そんなのわかってるよ。勝負形式は早撃ちでやろうぜ!!」
良かった。砲雷撃戦やろうと言われたらどうしようかと思ったよ。
艤装は女性しか起動出来ない仕組みになっている。僕は男だから起動出来ない。水面に浮く事すら出来ないからね。
「わかった。準備するから少し待っ‥‥‥」
「準備は既に出来ているわ!!」
声の方を振り向くと足柄さんがドヤ顔で立っている。何でドヤ顔なの?
「砲雷撃早撃ち対決と聞いて!!」
「違います」
足柄さんは本当に砲雷撃戦好きなんだなぁ。キラキラしてるし。
「早くやろうぜ!!」
朝霜に背中押されて
────────
「ギャラリー多いなぁ。そんなに見たいもんなのかな?」
「半分は野次馬、半分は提督の射撃が見たいの半々ね」
足柄さんに言われて辺りを見回す。
駆逐艦、軽巡、重巡、戦艦、空母勢、潜水艦達も見に来てるし。妖精さん達もお菓子を頬張りながら観戦してる。
「ほら、あの方達も見てるわよ」
足柄さん指差す方を見てると
『提督~頑張って下さい~!!』
『ぽい~!!!』
『提督さん!! 頑張って!!』
『気合い!! 入れて!! 撃って下さい!!』
『ハラショ~!!』
艦娘達から応援をうける。少し恥ずかしいな‥‥‥
『提督殿!! いつも通りですぞ!!』
『ぶちかませ~!!』
『ガッチリいこうぜ!!』
『自分のペースでいきましょう!!』
パイロット達からも応援をうける。手を上げて答えると『頑張れ~!!』と答えてきた。
僕は腰に掛けてあるホルスターの銃を手に取り点検していると声を掛けられた。
「司令!!」
朝霜は艤装を背負い手には12.7cm連装砲を持っている。やる気満々だ。
「悪いが手加減無しだぜ!!」
「勿論僕もだよ」
正々堂々、全力勝負するのが僕のやり方。スポーツは得意では無いがこれが礼儀であると思っている。
ちなみにルールは5つの的を3つ以上当てる事が出来たら勝利となる。シンプルなルールだ。
朝霜が海面の上をスムーズに動き定位置に移動する。
「始め!!」
合図と同時に朝霜は目標の的に向かって全速力で近づく。
艤装のメンテナンスはバッチリのようだ。
「やけに飛ばすな。さすが駆逐艦だな」
「だけどよ、あんなに速いと撃つ時ぶれて当たらないんじゃねぇか?」
「何か作戦があるのでは?」
MSのパイロット達はあのスピードでは制御出来ずに当てられないと踏んでいた。実際彼らは経験してるからだ。
「…………」
僕は朝霜に視線を向けていた。
まさかの提督と艦娘の早撃ち対決です。
朝霜を出した理由は作者が好きだからです。異論は認めない。
区切りが良いので続きます。
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