黒猫物語   作:クロム猫

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3話になります。



3.近距離砲撃

 朝霜は目標の的を見て心が踊る。

 

(あたいの砲撃戦を見せてやるぜ!!)

 

 艤装も調子が良い、妖精さん達頼むぜ。

 艤装の中にいる妖精たちが顔をだし親指をグッと立てた。

 

 

「おりゃあ!!」

 

 

 掛け声と共に朝霜の身体が海面から離れる。

 綺麗に飛べている。

 

「跳んだのです!!」

 

「でも待って!!的との距離が離れすぎているわ!!」

 

「あの野郎焦って飛ぶタイミングを間違えたのか!?」

 

「ん~何かあるかも知れないわ天龍ちゃん」

 

 艦娘達から不安の声が上がる。誰が見ても明らかに距離が足らないのだ。

 

「とんだです」

 

「きょりがたらない」

 

「はやさはたりてる」

 

「このままじゃおちるだけです」

 

「うてずにおわるのか~」

 

 妖精達が喚いている。

 

 

「跳んで空中から撃つ気か!?」

 

「高さはあるが距離が足らねぇぞ!!」

 

「しかも速度が速いからあのままだと的にぶつかります!!」

 

「ヤバイんじゃねぇか!?」

 

 鉄の巨人(モビルスーツ)のパイロット達は悪い予感が当たったとばかりにチビ(朝霜)を見ている。

 

 

「あわわわわ………」

 

 提督の右隣で心配の声を出しているのは夕雲型19番艦の『清霜』。

 マル急計画によって建造された駆逐艦。夕雲型の末妹末っ子であり戦艦に憧れる駆逐艦ある。

 朝霜と一緒にいる事が多い為か朝霜と見かける事が多い。

 

「……」

 

 左隣には腕を組んで朝霜を見る朝潮型10番艦『霞』。

 真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦、レイテ沖海戦、オルモック輸送作戦、ミンドロ沖海戦、北号作戦、そして最後の戦場、天一号作戦に参加した歴戦の駆逐艦である。

 艦隊の旗艦も務め作戦の戦果に献上してくれたり時には相談役にもなってくれた。着任早々「クズッ!!」って言われたのはへこんだけど……。

 この間清霜の為に夜食のおにぎりを作っている所を見たけど仲間への気配りもある。

 パイロット達から『小さいハートマン軍曹』のあだ名で呼ばれている。ちなみにあだ名で呼んだパイロットは霞に小一時間追い掛け回されている。

 他の鎮守府の提督達から『霞ママ』って呼ばれているけどなんでだろ?

 

 

「霞、あのままじゃ朝霜が……」

 

「落ち着きなさいな、黙って見ていなさい」

 

 霞に言われ朝霜の方を見る清霜。不安の表情は消えないが今は朝霜を信じるしかない。

 

 

「妖精さん!!今だ!!」

 

 朝霜の艤装から黒煙が出ている。ギャラリーのざわめきが大きくなる。故障か?

 朝霜の顔は笑っている。待ってましたと言わんばかりに。

 

 

 距離が足らない?

 

 飛ぶタイミングを間違えた?

 

 距離は足りている(・・・・・・・・)

 

 タイミングも予定通り(・・・・・・・・・・)

 

 

 あの距離から仕掛けるのがベストだから飛んだのだ

 

 

 突如大きな音と共に朝霜が加速する。爆発の反動を利用し的に近づく。

 

「まずは!! 手前から!!」

 

 2つの的に一瞬でペイント弾が着弾する。一瞬の出来事にギャラリーは何が起こったわからない様子だった。

 

 飛びながら2つの的を撃ち終わり残りの3つの的に目を配り距離を測る。

 丁度いい距離だ。朝霜はにやりと笑う。

 

「おらぁ!!」

 

 真上に連装砲を撃つ。反動を利用し海面の上を滑るように進み、速度は落ちておらずすぐに的に近づく事が出来た。

 

「この距離なら!!」

 

 姿勢を整えながら的に向かって連装砲を構え的に撃つ。滑りながら撃っているにも関わらずブレずに撃つ。

 的からの距離はすぐ近くだが速度が速い為撃つのは困難、なおかつタイミングを測る時間もわずか。

 朝霜にとってはそれは「想定内」であるのだ。

 

 

 あっという間に的にペイント弾を着弾した。的は全て当たりど真ん中に着弾している。

 

 静寂が続く、そして一気に歓声が沸き起こった。

 

 

「てやんでぃ!!すげーじゃねーか!!」

 

「一番目立ってずるい~!!」

 

「マジパナイ!!」

 

「榛名、感動しました!!」

 

 

 朝霜が皆の歓声に答え手を振っている。良い笑顔だなぁ。

 

 足柄さんはうんうんと頷いている。

 大淀さんはハラハラして見ていたので成功するのを見て「良かった…」と呟いた。

 霞は「まったくあの娘は…」と言う表情で朝霜を見つめる。まるで我が娘を見守るようなまなざしで。

 清霜は目をキラキラさせて「朝霜~!!」手を振っている。

 

 

「おみごと~」

 

「すいらいだましいみせつけたぜ」

 

「やっぱりくちくかんはさいこうだぜ」

 

「おまえがナンバーワンだ」

 

 妖精さん達も歓声出している。

 途中何かおかしい台詞あるのは気のせいかな?

 

 

「すげぇ!!全部命中!!」

 

「ど真ん中とはやるじゃねぇか!!」

 

「距離、速度を計算していたんですね!!」

 

「ヒュー・・ビックリさせやがって!!」

 

 パイロット達も歓声上げながら拍手をしている。

 

 

 朝霜は近距離砲撃の戦法で行った。連装砲のような小型の主砲は遠距離になると威力はあまりないが近距離なら有効な射程内だ。

 駆逐艦の特性を生かし機動性を重視した砲撃戦を想定したに違いない。

 今度夕立と綾波で組ませて演習に行かせてあげようかな。良い演習結果を出してくれるに違いない。

 

 

「司令官、次はあんたの番よ。準備しなさいな」

 

 

 霞に言われて気づいたけどこれ対決だったんだっけ。

 朝霜の砲撃射撃を見てて忘れてた。

 

 よし‥‥やるからには全力でいかせてもらうよ朝霜。




パソコンから打ち込むのは楽ですね。
結局続いてしまったよ、しょうが無いね。

礼号組揃って嬉しくて全員出したので満足です(使命感)


会話でどんな艦娘がいるかわかる方いたらぜひ感想欄にどうぞ。

感想お待ちしております。
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