またの名をアド何とかさん
永遠少女の殺害予告
人界暦372年7月22日、セントラル・カセドラル、その最上階にて、とある少女が目覚めた。それは少女と言っていいのかどうか、かの精神が男のアリスよりも疑問に思われるほどに、歳を重ねている。しかし、その容姿は、端正かつ優雅、まさに神のように美しいものであった。その名はアドミニストレータ、世界の管理者である。本当の名前は、別にあるのだが…
彼女が起きるのは、とても珍しい。ライトキューブの記憶容量が限界に至っているが故に、なるべく新しい情報を捉えず、そして寝ているときに、情報を整理するため、彼女は悠久の眠りについているのだ。公理教会最高司祭としての仕事は、殆どは元老長のチュデルキンに任せてある。その彼女、世界の管理者が目覚めたということは…
世界の時が動き始めたことでもある。
彼女の脳は、世界、つまりはカーディナルシステムのメインシステムと接続している。そのカーディナルが、ある一つの魂、フラクトライトの、世界からの脱出を捉えた。そのこと自体は不思議なことではない。もともと外の世界の人間からそのことについて説明を受けていた。もちろん彼女本人に、ではなく、カーディナルシステムそのものに、ではあるが。しかし、彼女が疑問に思ったのは、その期間が短くなっていることである。よって、彼女は解釈した。
(実験は成功した。つまり…異端者を排除しなければ…)
彼女は目覚めた直後、
「ねえ、チュデルキン。ここ最近、違反者が出た?
そうして、彼女は画面を消した。彼女は、もう一度寝転がり、考え始めた。
(今まで、確かに禁忌目録を破った者もいる。しかし、そのいずれも、逃げることまでは考えなかった…さらに言えば、ダークテリトリーに行くなど…そこまで強烈な自我を持つ個体が現れるなんてね…)
実験は正しく成功、外の人間は大喜びだろう。しかし…彼女にとっては、死活問題であった。そのものの活動を止める、もしくはシンセサイズの秘儀を行わなければ、この世界は、かの少女以外は捨てられる。彼女は、世界の管理者として、動かなくてはならない。
(アリス・ツーベルク…あなたを、抹消する)
ラスボスにまでモテモテアリスちゃん