東方頭文字D外伝 峠の白兎 --Rabbits dream of becoming HASHIRIYA-- 作:Atno108
でも僕はてゐちゃんの方が好きです。
東方頭文字D外伝 峠の白兎 --Rabbits dream of becoming HASHIRIYA--
この作品は東方二次創作作品です。
キャラ崩壊、設定崩壊等にご注意願います。
この作品は作者の妄想で出来ています。
素人並みのクルマの知識、誤った情報等にご注意願います。
この物語はフィクションであり、
登場する人物・地名・団体名はすべて架空のものです。
車の運転は交通ルールを守り、
ゆっくり安全運転を心がけましょう。
「ブガアアアアアアア ガアアアアアア」
D坂道。深夜。白いランエボVが西から東へ走っていく。
D坂道は急流が作り出した狭い長い谷に沿うように作られた道である。そのため、西側から、東側からどちら側から走り始めたとしても、上り、下りの大きな差はない。
しかし細かいアップダウンが続き、複合する様々なタイトコーナーがドライバーの腕を試していた。
寅丸 「ふふふ。ようやくこのコースにも慣れてきた気がします。」
ランエボを操るのは寅丸星。彼女はこの県に最近越してきた者である。地元で鍛えた腕を試すべく、走りこんでいたのである。
寅丸 「この先は道幅があって、かつ、タイトな区間! 気を引き締めていきますよーーー ん?」
星はバックミラーにライトが映ったのに気付いた。
寅丸 「一台追ってくる・・・ランエボか?インプレッサか・・・?」
「ギュキイイイイッ ギャアアアアア」
「グオアアアア」
「ブガアアアアアアアア」
コーナーのたび消えていたライトは再び現れる度近づき、白い車の輪郭と、横に鋭角に入ったヘッドライトと丸いフォグライトがわかる程度にまで接近していた。
寅丸 「上等じゃないですか!コーナー2個も抜けたら消してやりますよ!」
「ボッ ボウンッ」
「グアアアアガアアアアアア!」
「ギアアアアアアアアアアアア!」
高速左コーナーに飛び込む2台。そのまま逆向き右コーナーのトンネルに突っ込み爆音をトンネルに反響させながら加速していく。
その先。また左カーブ。タイト。ブレーキング。
「ブガアアアア」
寅丸 「くっ!?」
速度を落としたランエボに、後続の白い車はほぼノーブレーキで急接近する。
「キイアアアアア」
「ギアアアアアアア!」
「ガアアアアアアアアアア!」
寅丸 「張り付かれた!?なんなんだコイツ!?」
「ブガアアアアアアガアアアアア!」
「ガウンガアウン」
「バアアアアアアア!」
合間のわずかなストレートで差を開けるランエボ。しかし、その差はコーナーのたび完全に詰められてしまう。
寅丸 「振り切れない!このマシンがちぎれないなんて!」
「バゴンバゴンバゴンバゴン!」
「ガアアアアアアアアアアアア!」
「ブガアアアアアアアアアアアアア!」
カーブしながら橋を渡り上り。上りきったらストレートの下り。その先は下りのタイトS字コーナーである。
「ギアアアアアアアアアア!」
「ガアアアアアアアアアアアアア!」
寅丸 「なっ!?」
長めの下りストレート。次のコーナーのため減速した星のランエボの横を 後続の白いマシンが 加速し追い抜きをかける。
寅丸 「この人・・・この先の道を知らないの!?この先は下りのきつい左!
減速しないと川底へ真っ逆さま・・・・・なにっ!?」
寅丸星は目の前に現れた白い 丸っこいステーションワゴンの機体に驚愕する。
寅丸 「あ・・・・あ・・・・あ・・・・」
「キアアアアアアア!」
「グアアアアア」
「ファアアアアアアアア!」
そのまま左コーナーに入り、難なくクリアし、闇の中に消えていった車に、星はこう呟くことしかできなかった。
「あれって・・・・カローラ・・・フィールダー・・・・?」
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第二話 「 TIGER DANCE 」
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てゐ 「ちーむ?」
鈴仙 「うん とりあえず今夜会合があるから行ってみようかなって。」
職場での休憩時間。てゐと鈴仙は小さな椅子にすわり、テキトーに会話している。
鈴仙 「車好きが交流するサイトがあって、そこでD坂道で走る人対象にグループ募集してるようだったから入ってみたの」
てゐ 「オフ会みたいな感じか。ネットで仲間作るって なんか今ドキだな~~」
鈴仙 「ナニ年寄りみたいなこと言ってんの。てゐだったらどうやって走り屋仲間作るのよ」
てゐ 「おう そりゃあれでしょ 峠でたまたま出会った者同士バトルして互いに志雄をぶつけ合いラストは互いの闘志を称えて熱く手をにぎ」
鈴仙 「あんたそれで仲間できたことあんの?」
てゐ 「ない。」
鈴仙 「うん。 んで今夜集まるっていうけどてゐは予定空いてる?」
てゐ 「あう?」
鈴仙 「こういうのいきなり一人で行っても浮くだけじゃん。どうせ今夜走り行くだけでしょ?」
てゐ 「うが。確かに走り込むとしたら宮ノ内かD坂道だけどさ。てか、そいや・・・」
鈴仙 「うん。道自信ないから道案内お願い。」
夜。長いD坂道の中でも東の方にある道沿いのコンビニに、ちらり、ほらりと走り屋が集まってきている。
白いランサーエボリューションV ほぼ純正の姿で置いてあるのは 寅丸星の車である。
ボンネットが黒いカーボンルックになっている銀色のZC32S型スイスポは 村紗水蜜の車、
濃い緑色で丸いリトラクダブルヘッドライトを出している NAロードスターは幽谷響子の車である。
さらにその脇には 白い真新しいNDロードスター 雲居一輪の愛車が止まっていた。
一輪 「ふう。今日は少しは集まるかしらねえ。」
寅丸 「ネットでは何人か来てくれると言ってました。まだ時間はやいですし大丈夫でしょう。」
響子 「今日もいろいろな車が集まって どんな車が見られるか楽しみですっ」
村紗 「う~ん 私は早く走り込みに行きたいかな」
寅丸 「村紗さんは走る気マンマンですね。」
村紗 「先週は途中で切り上げる状態になっちゃったからね。」
一輪 「ああ、あの事件の話か。」
寅丸 「うぐっ」
響子 「響子はっ 寅丸さんがあのあとちゃんと元気になってよかったと思いますっ」
一輪 「本当なの?あの話?星が 星のランエボがカローラに抜かれたっての?」
寅丸 「はい。新しい白いカローラフィールダーでした。ネットで調べたら・・・最近の162型?テールライトも横に伸びてるヤツですね」
村紗 「そんなミニバンみたいな車・・・星のランエボが抜かれるハズないんだけど。まあウチラの中では星が一番早いんだからなんとも言えないんだけどね。」
一輪 「きっと何かと見間違えんじゃない?星、あなた疲れてたのよ。」
村紗 「うんうん。あの時の星の狼狽っぷりったらなかったもん。」
寅丸 「だってー。峠の真ん中でやたらよく曲がるカローラに遭遇して・・・」
村紗 「『ワタシわぁ・・・峠で死んだぁ営業マンの幽霊でもぉ見たのかぁ・・・?』」
一輪 「やめっ・・・似すぎっ・・・!プクククッ」
寅丸 「ちょっとぉー!ホントに居たんですってば!」
寅丸星たちが止めてる所から少し離れたところに 白いR33GTS4ドアセダンが止まっている。
持ち主のレティ・ホワイトロックは買い物を終え、コンビニから出てきたところである。
レティ「あの子達、最近よく集まるようになったわね・・・ こんな所でもチームってできるもんなのね。あら・・・?」
レティの耳が東の方から直線を進んでくる車のエンジンを捉えた。
レティ「なかなかの音ね・・・ターボ車かしら?」
寅丸 「一台・・・いや二台きますね。」
コンビニに向かって長いストレートをゆっくり進んでくる白い車が2台。先頭の車は鋭く横に入ったヘッドライトが光るクーペ、S15シルビアだ。後続の車はシルビアの影に隠れて見えない。
一輪 「シルビアかあ。またずいぶんご立派な車が来たわね」
響子 「後ろの車なんでしょう?シルビアよりちょっと背高いように見えますけど。」
2台分のコンビニへ曲がるハザードを確認し、注目する寅丸一行。先頭のシルビアがコンビニへ舵をとり、グイッと侵入した時、後続の車が初めて姿を現した。
寅丸 「!?」
村紗 「え・・・あれって・・・・」
一輪 「ちょ・・・カローラって今あんなのなの?」
白い機体に大きく黒く空いたグリル。前下部分に広がる鋭いフロントスポイラー。前輪の前には縦長のエアダクトのようなものが見える。グリル横には小さめのフォグランプ。鋭く横に入ったヘッドライトにはLEDラインも見える。ZRE-162 カローラフィールダー中期型。グレード「WxB」。TRDのフロントスポイラーをつけた一台だ。
一輪 「派手ね。ランエボを真似したようにも新86やインプをパクったようにも見える。」
響子 「都心でもああいうの走り始めたの見たことありますけど・・・全然風格が違いますね。エアロいれて、車高落としてあるんでしょうか。」
村紗 「不覚にもかっこいいと思ってしまった。」
寅丸 「スヤァ」
響子 「助けて。星さんがさっきから息してないの。」
村紗 「返事がない。ただの屍のようだ。」
寅丸達のところからは少し離れた所に止める2台。S15シルビアから降りる鈴仙。
鈴仙 「てゐ。とりあえずここで間違いないみたい。」
カローラフィールダーの運転席が開き、車の持ち主が降り立った。黒髪、白いロプ耳の少女。因幡てゐである。
てゐ 「あの一団がそうなのかな?とりあえず声かける?」
鈴仙 「うう。いざとなるとどう声かけりゃいいか」
てゐ 「おう なんかウダウダしてたら向こうから来たぞ」
鈴仙とシルビアの方へ歩いてくる寅丸星。
寅丸 「こんばんはー」
鈴仙 「こんばんわー。初めまして。この前グループに入れて頂いた鈴仙・優曇華院・イナバです。」
寅丸 「ええ、鈴仙さんですね。シルビアの。キレイですねー。」
鈴仙 「はい。まだ買ったばっかでいじってなくて。」
寅丸 「ターボ車です?」
鈴仙 「ええ、後付けではなく、もともとついてるヤツで。」
寅丸 「おー。スペックR・・・。ところで、あの、その、そちらの方は?」
寅丸星がおずおずとてゐのほうに目をむける。
鈴仙 「あ えーと 自分のところの仕事仲間で車仲間で」
てゐ 「因幡 てゐといいます。よろしくです。」
寅丸 「てゐさんですか~。お車ってこれ、最近のカローラですよね。」
てゐ 「ええ、カローラフィールダーの1.8リッター車。オートマなんですけどねこれ。」
一輪たちもシルビアの方へ移動し、談笑し始めた。
響子 「すごいグリルですよね。インタークーラーとか入ってそう。」
てゐ 「残念ながらターボなしなんですよ。中にあるのはラジエーターだけ。」
鈴仙 「後付けでターボかスーチャつければいいのに。」
てゐ 「付けたいんだけどねー。これ140馬力しかないし。」
寅丸 「 え 」
てゐ 「2代前のフィールダーはNA車1,8リッターエンジンなのに200馬力でるっていう車だったんだけど、こいつはハイオクやめてエコ仕立レギュラーエンジンだから140馬力。ターボとかつけて200馬力は欲しいな。とか思ってはいるんですけどね 中見てみます?」
調子こいてエンジンルームを開けるてゐ。
村紗 「うーむ 中意外と余裕あるかな・・・?」
てゐ 「でも中いじるのは大変そうで。ほら。ここ。タワーバーつけるのも手ぇこう突っ込んでやらないと」
一輪 「140馬力で十分だと思うけど私は。」
寅丸 「オートマというかCVT車ですよね セミオートマ機能はついてます?」
てゐ 「ええ。パドルシフトじゃなくて横でやるヤツですけどね。あとはあのスポーツボタンが頼りですかね。」
村紗 「座席も結構セミバケット風になってるんだな。スポーツモードってどうなんの?」
てゐ 「オートマのギアの変速が変わるのと、たぶん回り方とかフケとか変わってると思う。これVVTエンジンだから空気量を調整するんですよね。それをエコ用とスポーツ用と切り替えられる。」
村紗 「それをカローラでやってるのか」
てゐ 「だからちょっと変わった車なんですよね。なんというか、迷走しているw」
村紗 「ふ~ん そうかそうかあ・・・ そうなると走りも見てみたくなるなあ。」
てゐ 「ん?」
一輪 「え ちょっと村紗。」
村紗 「入団テストだよ入団テスト。すこしD坂道を一緒に走ってみようか。」
響子 「(ムラサさんいいんですか?相手は)」
村紗 「(大丈夫大丈夫。星を抜いた車がこのカローラだとは限らないでしょ? カローラなんかいくらでも走ってるんだし。)」
一輪 「(え ちょ それは)」
てゐ 「いいですよ。どうせこの車は 走らせないと目立たない車ですし。」
村紗 「おう。いいね。とりあえず君先行で後ろから様子を見てあげるよ。」
一輪 「(ちょっと、やめときなさいよ大人気ない)」
寅丸 「(私はどうなっても知りませんよ。)」
村紗 「(ふふふ。自分だってこのD坂道は走り込んで慣れているんです)」
村紗 「万に一つでも カローラなんかに引けを取るなんてことは ありませんよ」
三十分後。
村紗 「バカな・・・・コーナー4つで千切られた・・・・orz」
一輪 「だから言ったのに。」
てゐ 「センパイィ~。テストの結果はどうですかぁ~?」
村紗 「合格・・・ガクッ」
鈴仙 「大人気ない」
てゐ 「なんか言った?」
村紗 「あいつ、ブレーキングだとか立ち上がりだとかそんなレヴぇるじゃねえ。そのまんまのスピードでコーナーつっこんでいきやがる。バケモンだ。見てるこっちが寿命が縮む。」
寅丸 「(立ち上がり見てましたけどたしかにあれじゃあせいぜい140馬力・・・ バケモノなのは車の方じゃありませんね。)」
鈴仙 「じゃあ、そしたら、次は私の番かしら?」
一輪 「 え? 」
鈴仙 「入団テスト。私はてゐほどは速くないんですけど・・・ チームに入れてもらいたいんです。受けさせてくれませんか?」
響子 「(やばいですよ。鈴仙さん入団テスト受けないといけないと思ってますよ誰かさんのせいで。)」
一輪 「(とは言われても当の本人はヤムチャ状態で戦闘不能だし、私と響子はそこまで走りに特化した走りじゃないし。となると・・・)」
寅丸 「(え?私?)」
響子 「(頼みますよ~り~だぁ~)」
寅丸 「(わかりましたこうしましょうホントは入団テストはいらなかったと説得して)」
一輪 「(あのキラキラした目を前にして説得できるかしら?)」
寅丸 「(うっ・・・!)」
寅丸 「お待たせしました鈴仙さん。私が相手になります。」
鈴仙 「よろしくお願いします。」
寅丸 「では鈴仙さん先行で走ってもらいます・・・自分のペースで走ってもらって構いません。見ればわかるでしょうが 私の車はランエボV。ノーマルで年代モノですが4WDと280馬力は健在です。目いっぱい走って下さい。」
鈴仙 「それって・・・」
寅丸 「入団テストは勝ち負けではありません。あなたの走り、見極めさせてもらいます。」
一輪 「ハイハイ。とりあえず車並べて。響子ちゃん、またカウント頼める?」
コンビニのすこし先のストレート。二台の白い車が縦に並ぶ。
「ブ ガ ガ ガ ガ ガ ガ 」
「ブアアアン ブオン ブオン」
一輪 「改めてみるとスゴイ絵面よね。どっちも2リッターターボだし。」
てゐ 「イイよなー アイドリングだけでなんか高揚感あるもん。」
「ブオ ブオ ブオ ブオ ブオ」
寅丸 「準備はいいですか?」
鈴仙 「はい。OKです。」
頷く鈴仙。
「ブガガガガガガガ」
響子 「それでは!カウントォ始めます!」
「グアアアン グオンブオン」
響子 「5ォ! 4! 3! 2! 1!」
「グアアアアアア」
響子 「GOぉ!!」
「バアアアアアアアア!」
「ファガアアアアアアアアア!」
てゐ 「うひうっ!」
「ガアアアアアアッ ガウッ ガアアアアアアア!」
「ブアアアアアアアアアア!」
てゐ 「あれが2リッターターボ車のフル加速・・・」
響子 「やっぱお二人ともスゴイデスッ! 空気震えてるかと思いました!」
一輪 「(やっぱりあの鈴仙って子は初心者ね・・・すこしギアチェンジの間が長いわ。・・・・最も、ギアの扱いがうまくてもコーナー攻められないと話にならないんだけど。)」
「ヴァアアアアアアア」
寅丸 「(スタートからの長いストレート。これを超えた第一のコーナーがいきなり難しい。スピードが乗った状態でどれだけ速度を落とせばいいかわかりにくいし、狭く、暗くて見えにくい。さあ、どうくる・・・?)」
「ファアアアアウ 」
コーナーのやや手前でスピードを落とす鈴仙のシルビア。
寅丸 「(やはり速度を落としますか。慎重ですが、コースはわかってるようですね・・・ おや?)」
「ガアアアアアア!」
寅丸 「(再加速!コースの状態を見てから攻め込んでますね!それなら・・・!)」
木と崖に包まれ、暗くなっている第一コーナーに吸い込まれるように突っ込むランエボV。シルビアはすぐ次のコーナーに差し掛かっている。
寅丸 「(この先は右に左にコーナーが続く区間・・・ただ右左にハンドルを切ってるだけならラクですが、実際にはそれぞれのコーナーは角度が違うっ!)」
「ギュキ ギュキ ギュキ」
「グオオオオオオオ ガァアアアアアア!」
「ボア ブガアアアアアアア!」
鈴仙 「右っ! 左! 右! ストレート!」
寅丸 「(ストレートと緩いコーナーが合わさった高速区間を抜ければまたブラインドコーナー。その先はS字コーナーです!)
「ギュアアアアアアア!」
S字コーナーに滑り込むシルビア。右、左と大きく車体を振り、綺麗に立ち上がっていく。
寅丸 「(その先は奥の方がきつい複合コーナー!)」
鈴仙 「っくうっ!!」
たまらずコーナーの真ん中でブレーキを踏む鈴仙。それを予測していた寅丸星のランエボVは シルビアにバンパーギリギリまで接近しつつもぶつからず、離れていく。
鈴仙 「っはあっ 危なかった 今のっ・・・!」
寅丸 「(鈴仙さん、ここのコースの形状を完全には把握しきれてないですね・・・それだけに、反応がいい。左右のワインディングに対するハンドリングも綺麗です。覚えきれたら、もっと速く走れるはず。)」
二台は両方向一車線の狭い区間に入っていき、自然と速度を落とす。そのまま速度を落としたまま、
三連続ヘアピンを下っていく・・・
「ガアアアアアアン、グアアアアア・・・・」
鈴仙 「(このヘアピンを下った先、橋のたもとが折り返し地点だっけ・・・)」
橋の手前。交差点で広くなっている所でUターンする2台。
寅丸 「(てゐさんほどではありませんが、鈴仙さんも・・・ううっ!)」
「バガアアアアアアア!!」
上り坂で急に加速し、登りの三連ヘアピンに突っ込んでいくシルビア。
寅丸 「(なるほど!上りの方が加速しても安定するというわけですか!出遅れた!ギアがっ!)」
猛然とヘアピンを駆け上がっていくシルビア。一歩遅れたランエボは吼えながら加速する
「グオアアアアアアア!」
「バゴウッ!」
「ガアアアアアア!」
寅丸 「(苦手なヘアピンをついてくるとは・・・偶然ですかね?この先の区間で追いつけるか・・・)」
星の目が光る。
「ボッ ボウンッ!」
「ブガアアアアア!」
「アアアアアアガアアアアアアア!」
狭い区間を抜け トンネルから飛び出す2台。その先は下りの長いストレートと緩やかなコーナー。
モブ 「おおっ!今のは!」
モブ 「S15シルビアとランエボVだな。まったく2台ともいい走りしてるぜ。」
モブ 「でもこの先結構タイトだからあのペースじゃきついぜ。刺さらなければいいが。」
緩やかに右に 左にとカーブした先、二台はもつれながら左急カーブへと突っ込む。
寅丸 「くっ!?」
寅丸星のランエボが外側のラインを描く中、イン側のラインへと切り込むシルビア。
ほんの少しではあるが、両車との間がまた開く。
寅丸 「いまのまさかっ・・・!」
次のS字カーブ。シルビアはゆったりと大外のラインをなぞっていく。
寅丸 「気のせいですよね・・・ この先の連続コーナーでもしアレをやられると まずい。」
ストレートと緩いコーナー。ランエボVが咆哮をあげ、差をつめる。
寅丸 「ガラじゃありませんが、こうしなければ置いてかれますからね!この先は連続コーナー。 さあ、見せて下さい!」
鈴仙 「・・・とりあえずここまでは抜かされずに来れたけど、やっぱり差をつけてゴールしなきゃ 勝ったと認めてはくれないだろうしなあ。」
狭くなる道幅。薄暗いブラインドコーナーの先には、連続コーナーが控えている。
鈴仙 「やるか・・・一かバチか。イメージは、ブレーキで前輪に荷重を乗せること。なおかつっ・・・!」
緩やかなブレーキング。ややオーバースピードぎみにコーナーへ突っ込んでいくシルビア。
鈴仙 「乗せすぎず、ちょうどいいところで アクセルを踏み、前へ 斜め前へ逃がす!」
「カクウッ!」
イン側へ すっ飛ぶように曲がるシルビア。
寅丸 「! でた! あのコーナリング!」
右へ 左へ 車体を振りながら疾走するシルビア。ランエボVとの差が少しずつ開く。
連続コーナーを抜け、わずかなストレート。その先、また連続コーナー。
鈴仙 「次!右ぃ!」
「ファガアアアアアア!」
鈴仙 「左!」
「キュキ、キュアアアァァ・・・」
鈴仙 「右!」
「ガアアアアア・・・」
鈴仙 「左・・・クッ!」
ややアンダーステア気味に膨らむシルビア。鈴仙は思わずブレーキを踏み、修正舵を入れていた。
鈴仙 「最後・・・うまくいかなかった・・・速度落ち過ぎて、前輪に荷重乗せる余裕がなかった? う~ん・・・」
最終コーナーを抜け、ストレートへ出るシルビア。ランエボVとの差はすでに詰められていた・・・
寅丸 「鈴仙さんすごいですよ!速い!速いですよ!」
鈴仙 「でも私、全然離せなかったし、それに・・・」
寅丸 「何言ってるんですか!あのコーナリングができれば文句ないじゃないですか!」
ぐっ と黙る鈴仙。一呼吸おいて話しだす。
鈴仙 「私も、あのコーナリングがすごいことがわかるのはわかるんです・・・でも何もかも 何となく なんです。毎回成功するわけでもなければ、どうすれば成功するのかすら よくわからない・・・」
寅丸 「(まあ、毎回成功させるヘンタイが身近にいると、自信なくす気持ちもわかりますが。)」
ちらっと因幡てゐの方を見る寅丸星。てゐは離れたところでフィールダーにもたれて のんきに
野菜ジュースを飲んでいる。
鈴仙 「でも、今日は、たまたま成功した瞬間があって、それで・・・ ホント、まぐれなんです。だからー」
寅丸 「だったら、練習すればいいじゃないですか」
鈴仙 「え?」
寅丸 「私たち、練習するためにここに集まるんです。決して速く走れるわけじゃない。自分の腕に絶望する時だってある。それでも 走り続けるんです。どこまでも。車はーーーー
車は前に突っ走るようにできてるんですから。」
鈴仙 「・・・・・!」
寅丸 「鈴仙さん、私たちと一緒に走りませんか?」
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D坂道、東端の入口の信号。その近くに車が止まっている。背の低い蒼いMR2。AW20だ。
???「ふうん・・・思ったより走り屋いないけど、いい道じゃないの。」
車にもたれかかり、ググル地図でコースを確認する少女。水色のショートヘアが暗闇に光る。
???「地元の走り屋とかも いるにはいるんだろうけど。」
少女は目を上げ、にかっと笑った。
チルノ「最強の私の前じゃ 敵じゃないでしょ!」
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一輪 「ところで星。チームとか作ったのはいいけどチーム名どうすんのよ?」
寅丸 「ふっふっふ~ ちゃんと考えてあるんですよ。D坂道の頭文字は偶然にもD! ならばこれしかないでしょう!」
村紗 「おいバカやめろ」
響子 「次回は!「 COOL YOUR DIVINITY 」!です!」
寅丸 「ぷぅ~ろぉ~じぇ~くぅ~」
一輪 「それ以上いけない」
寅丸 「え~~」