東方頭文字D外伝 峠の白兎 --Rabbits dream of becoming HASHIRIYA--   作:Atno108

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響子 「これって・・・なんていうか・・・・ ネタが細かすぎて伝わらない走り屋選手権?」

寅丸 「 それな 」






第四話 「 CHASE ME,CATCH ME!  」

 

 

 

 

 

東方頭文字D外伝 峠の白兎 --Rabbits dream of becoming HASHIRIYA--

 

 

 

 

この作品は東方二次創作作品です。

キャラ崩壊、設定崩壊等にご注意願います。

この作品は作者の妄想で出来ています。

素人並みのクルマの知識、誤った情報等にご注意願います。

 

 

 

 

この物語はフィクションであり、

登場する人物・地名・団体名はすべて架空のものです。

車の運転は交通ルールを守り、

ゆっくり安全運転を心がけましょう。

 

 

 

 

 

 

G県 秋名山。言わずと知れた走り屋達の聖地である。かつて この峠で行われたバトルが伝説となり、現在でも走り屋たちを魅了している。

 

その秋名山のコースの真ん中あたり スケートリンク前のストレートの下のあたりに、カーブの脇に車8台ほどを停められるちょっとした駐車場がある。俗にギャラリーコーナーと呼ばれているところで そこはカーブの道幅も三車線ほどあり、そこに車を停めて休めばコーナーを攻めてく走り屋の車をゆっくり鑑賞できる訳である。

 

 

その日 そこにはまだ夜も明けぬ早朝にも関わらず数台の走り屋の車が停まり、ちょっとした熱気を帯びていた。

その端に 銀色のFCが停まっている。

 

 

咲夜 「なんか今日は 停めてる車が多いわね。」

 

 

FCの持ち主は 十六夜咲夜である。その近く、助手席側に立っているのは 射命丸 文である。

 

文  「今日は麓のほうでイベントがありますからね。その手の走り屋達が集まってるんですよ。」

 

咲夜 「いつもはここいっぱいになるの 日が昇ってからなのに・・・・  あら?」

 

咲夜の耳がエンジン音とスキール音を捉えた。

 

 

モブ 「おい 誰か上へ登ってくるようだぜ。」

 

モブ 「あの音は2台分だぜ。バトルしてるのかな?」

 

 

  「・・・・キュキキキキュキキュキキュキ・・・・・」

 

  「・・・バウウウ・・・バアアアアア・・・・・」

 

  「・・・・・ァファアアアアアアアアアァ・・・・・」

 

 

咲夜 「・・・一台はボクサーエンジンの車ね。インプかしら?それとも新86かしら? もう一台は直4ね・・・CVTを虐める音がする・・・・・」

 

 

   「・・・・ッカアアアアアアアア・・・・」

 

 

咲夜 「!」

 

突如踵を返し、自分のFCの運転席に向かう咲夜。

 

咲夜 「文!乗って!!」

 

文  「え!?」

 

咲夜 「あの二台の後、追いかけるわ!」

 

 

 

モブ 「やっぱここは秋名だからな どんな車が来るか気になるな。」

 

モブ 「もう すぐそこまで来てるぜ。スキール音が近い・・・!」

 

文  「うぅ・・・・走行中の車の中からなんてマトモに写真とれないのに~」

 

咲夜 「せっかくの特等席なんだからよく目に焼き付けときなさい・・・ 来るわよ!」

 

  「ブガアアアッ ブウガアアアアアアアア!!!」

 

  「ファガアアアアアアァァアアアアアアアアアア!!!」

 

 

ギャラリーコーナーの手前のS字コーナー。先に立ち上がってくるのは真っ黒なクーペ。

そのすぐ後ろに 白いマシンが張り付いている

 

 

モブ 「でたあっ! 86だ!! なっ!?なんだあれは!?」

 

咲夜 「先行は新型86。あれは・・・・」

 

文  「え・・・あれって・・・・」

 

 

登りコーナーを全開で飛ばす黒い新86。後ろの白い車はつんのめるように86に接近したまま カーブを曲がっていく。

 

モブ 「うなっ!?」

 

モブ 「か・・・カローラ!?カローラフィールダーだとぅ!?」

 

モブ 「あ おいあのFCも出るぞ!?」

 

FCのロータリーエンジンを全開で回し、会心のロケットスタートを決める咲夜。

 

 

  「ファガアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

文  「あややややややややや!?」

 

 

コーナーの先はスケートリンク前の長いストレート。白いフィールダーは上りで離されたが、その次のコーナーで減速した新86にすぐ追いついた。そのままもつれてコーナーへ消える二台。咲夜のFCも続いてコーナーに消えていった。

 

 

 

 

モブ 「なあ・・・あのカローラに スポーツモデルなんて設定あったか?」

 

モブ 「知らねえよ・・・フツーの走り屋にしてみちゃ、カローラってだけでアウトオブ眼中だろ」

 

モブ 「まあな・・・でも、ありゃどうみても走り屋の車だろ・・・それもヤベーヤツ・・・・」

 

 

 

 

モブ 「峠って・・・・ホント何がおきるかわかんねえんだな・・・・」

 

 

 

 

 

正邪 「なんなんだよ・・・・なんなんだよあれは!?」

 

黒い新86はストレートでフィールダーを突き放すが、コーナーの減速のたびにフィールダーに張り付かれていた。

 

正邪 「登りで・・・なんで登りでカローラなんかに張り付かれるんだ!?」

 

先行の新86を駆るのは 鬼人正邪 である。

彼女はこの峠に今日他県から来たものだか、別に初めて来たわけではなかった。腕に自信がないわけでもなく、あわよくばこのコースで自分の車と腕をアピールできれば、と思っていたのだ。

 

右のタイトU字コーナー。苦しそうに減速した黒い86に、再びフィールダーが張り付く。

 

正邪 「くうっ・・・!こんなはずじゃ・・・・!!」

 

続いて登り勾配のついた左U字コーナーに差し掛かる。

 

 「キアキアキア・・・・ギャガガガ! ガアアアアア!!」

 

立ち上がりで前輪を空転させながら 新86を追従してコーナーを抜けるフィールダー。

 

 

咲夜 「・・・・・・・・」

 

文  「( え? )」

 

続く咲夜のFC。手前のストレートでスピードを乗せると、そのまま一気にドリフト体制に入り、左コーナーを駆け上がっていく

 

その先の上りのストレート。新86とフィールダーとの差はそれほど離れない。

次の左タイトコーナー。躊躇するように速度を落とした新86にフィールダーが張り付く。

 

またストレート。新86はフィールダーを引きはがすが、その先は右のヘアピン。

 

 

正邪 「くっ・・・くそっ!!」

 

ブレーキを踏み減速してコーナーに入る新86に対し、やや速いスピードでコーナーへ突入するフィールダー。

 

  「ブガアアアアアア!!」

 

  「ファアアアアアアアアア!!」

 

 

文  「あやややや。フィールダーにターボモデルとかないはずなんですけどねえ。よくついていけてますね あのフィールダー。」

 

 

咲夜 「・・・・・・・・」

 

 

構わずドリフトしながら右のヘアピンを駆け上がっていくFC。

 

 

文  「(・・・先行している新86。決して遅いわけじゃない。むしろ荷重移動をしっかり意識して、誠実、かつ思い切りよくコーナーを攻めてます。でも、あのカローラは・・・  いや、そんなことより・・・・)」

 

 

なだらかな右コーナーを抜け、左のヘアピンへ入る三台。

 

文  「(咲夜さんが・・・・ ドリフトを封印していたはずの咲夜さんが ドリフトを使って追いかけてる・・・!)」

 

 

新86にせっつきながら 左コーナーを抜けるフィールダー。追従して、ドリフトで駆け上がる咲夜のFC。

 

 

文  「(たしかに、あの独特なコーナリング。前の黒い新86というオサエがなかったら、もっと速くコーナーを抜けていきそうです。あんなことできるなんて・・・)」

 

コース最後の右タイトコーナー。コーナー入口で減速した黒い新86に、フィールダーが張り付く。

そのまま、登り勾配の右コーナーを立ち上がっていく二台。

 

 

正邪 「ちっっくしょぉぉぉおおおお!!」

 

ストレートに入り、一気に加速する新86。しかし、フィールダーはそれをもう追わなかった。

 

やがて、コースの上終点の 料金所跡の駐車スペースが見えてきた。スピードを上げたまま、そのまま秋名湖方面へ抜けていく新86。一方のフィールダーの方は減速したまま左に逸れ、ゴロゴロと料金所跡の駐車スペースに入っていった。

FCはフィールダーに続き減速していたが、フィールダーが料金所跡に入っていくのを確認すると、そのままのスピードでゆっくりと秋名湖方面へと本線を進んでいった。

 

 

文  「あやややや?声は掛けないのですか?」

 

料金所跡にゆっくりと停まる白いカローラフィールダーを見やりながら、文は尋ねた。

 

咲夜 「別に。私たちはただ道で顔を合わせただけの 赤の他人ですもの。それに・・・・」

 

咲夜は サイドミラーに映るフィールダーのライトが暗闇に消えていくのを確認して呟いた。

 

 

 

咲夜 「あいつが 同じ道を走り続けるのであれば・・・ また、どこかで顔を合わせることになるわ・・・・」

 

 

 

 

 

 

車から降り、スンスンと鼻を鳴らすてゐ。香ばしい、ゴムの焼ける匂いが鼻についた。

 

てゐ 「あちゃー。やっぱもうタイヤが限界か。これでもか っていうほど攻めたからなあ・・・・」

 

カローラフィールダーのタイヤの前にしゃがみ込むてゐ。

 

てゐ 「(とりあえずホイール変えてインチと幅広げてみたけど、やっぱりすぐ減っちゃうんだろうなあ・・・ すこしスポーツタイヤよりの銘柄に変えたから、まだマシになってるんだろうけど・・・)」

 

力なく空を見上げるてゐ。空は明るくなりかけているが、やや靄っぽい。

 

てゐ 「(・・・・なんか、秋名は上りの方が走りやすいなあ。こいつ、馬力ないからそれじゃ困るんだけど。 ・・・まさか、登りの方が向いている、なんてことはないよね・・・・)」

 

 

 

 

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  第四話 「 CHASE ME,CATCH ME! 」

 

 

 

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二時間後。

 

秋名湖畔。ロープウェー近くの広い駐車場。白いフィールダーがポツンと止まっていた。周囲は明るくなり 雨こそ降ってなかったが、うっすらと白い霧がかかり、湿っぽくなっていた。

そこに 白い車がさらに二台 駐車場に入ってきてすぐ脇に止めた。

 

白いS15シルビアと 白いGGB鷹目インプレッサワゴン。鈴仙と妖夢の車だ。

 

てゐ 「お~ おっす おはよう。」

 

鈴仙 「おはよう。」

 

妖夢 「おはようございます。」

 

めいめい車から降りて挨拶を交わす。

 

てゐ 「え~と、そちらが鈴仙の友達の?」

 

妖夢 「魂魄妖夢といいます。宜しくお願いします。」

 

鈴仙 「妖夢も案外車好きだったのよ。知り合いがずっと走り屋やっててその影響があって。私たちが今日麓のイベント行く って言ったらついでに一緒に行こうか って話になって。」

 

てゐ 「うん。この車見れば、ああ走り屋だな ってなると思うよ。」

 

改めてインプワゴンに目を走らせるてゐ。

 

てゐ 「イイナー。インプレッサワゴンかあ。」

 

妖夢 「はい。半年ほど前に中古で買ったものなんですけどね。」

 

てゐ 「これ、280馬力でるの?」

 

妖夢 「それが残念ながら250馬力なんですよ。同世代の鷹目インプレッサセダンのWRXとかはもちろん280馬力なんですけど、ワゴンモデルは250馬力に抑えてあるんです。いじれば簡単に馬力あげできそうですけどね。」

 

鈴仙 「もうインチアップして 車高下げてるみたいね。」

 

妖夢 「ホイールは某ネットオクで手頃なの手にいれたんですけど、車高調はTEIN製の緑色の車高調がもうついてたんですよ。」

 

てゐ 「うお。出た。これあれ、運転席のリモコンで減衰力変えられるヤツ?」

 

妖夢 「ええ。もうリモコンも運転席についてまして。」

 

てゐ 「イイナー。フィールダーの車高調、TEINでもあるんだけど、なんかお高いんだもん。」

 

鈴仙 「これの前についてたホイールは?」

 

妖夢 「銀色の安っぽいどっかの純正品のアルミホイールでしたね。もともとついてたのは外して別で売られたんじゃないですかね。 ---鈴仙さんのもホイールとか変えてますよね?」

 

鈴仙 「もうずっと前に変えてるんだけどね。HKSの車高調いれてRAYSのホイール履いてるの。」

 

妖夢 「ほー。」

 

鈴仙のホイールをのぞき込む妖夢。

 

鈴仙 「てゐも最近ホイール変えたんだけど、同じ銘柄なのよ 実は。」

 

妖夢 「 え 」

 

鈴仙 「 ね? 一見すると違うように見えるでしょ?黒の十本スポークって点は同じなんだけど、ホイールの深さが全然違うから別物に見えるのよ。深さがあるシルビアの方が、なんというかそのーーー 」

 

妖夢 「ああ、なるほど・・・」

 

鈴仙 「あまりてゐにそこの事言わないでね。意外と気にしてるから。」

 

妖夢 「鈴仙さんのシルビアもだいたい250馬力ぐらいでしたっけ?」

 

鈴仙 「そうよ。やっぱ馬力あげとか考えてはいるんだけど、問題があってね・・・・」

 

  右側のヘッドライトの下 バンパーの穴の中を覗き込む鈴仙

 

 

鈴仙 「ホラ。これ。銀色の正方形のヤツ。あれ何だと思う?」

 

妖夢 「 え  あれ  インタークーラー・・・?」

 

鈴仙 「そう。インプワゴンと比べると全然小さいでしょ? 純正シルビアS15ターボのインタークーラーはやたら小さいのよ。」

 

妖夢 「これ・・・マトモに冷やせるんですか?」

 

鈴仙 「メーカーからインタークーラーに水吹きかける霧吹きが発売されるくらい。」

 

妖夢 「・・・まさかの水冷ェ・・・・」

 

鈴仙 「だからシルビアで馬力上げする人は みんな大きな前置きインタークーラーに付け替えてるのよ・・・ 当然お金かかるんだけどね。でもそれやらないと馬力上げられないしなあ・・・・。」

 

 

 

 

 

妖夢 「しかし てゐさん朝早いですねえ。私たちも結構早く家でたのに、先についてるだなんて。」

 

てゐ 「ん~。せっかくの秋名だからね。ちょっとコースがクリアな状態で練習したかったし。」

 

妖夢 「いつ頃着いたんです?」

 

てゐ 「え~っと 朝2時に家でて、ここついたのは4時くらいだったかな」

 

妖夢 「 え 」

 

鈴仙 「妖夢。こいつの行動パターンを参考にしちゃダメよ。D坂道も朝 車がいない時間がいいとか言って朝4時とか走ってたりするし。」

 

妖夢 「ナニソレ気合入れすぎでしょ」

 

てゐ 「う~ん しっかしまだ時間には早いかな~?」

 

鈴仙 「そうね。今からイベント会場行ったって まだ駐車場すら空いてないわよ。」

 

てゐ 「じゃあさ、三台でさ、とりあえず秋名のコース下ってまた登ってみない? まだ一般車はそんな出てきてないし、みんなでチョット腕だめしして行こうよ。」

 

鈴仙 「いいけど、てゐ、それやるんだったらてゐが一番前走ってよね。」

 

てゐ 「え~~ 二人とも私のより速い車乗ってるんだから、二人が前走らないと追いつかれちゃうウサー。」

 

鈴仙 「その手には乗らないわよ。またあんたに後ろから煽られ続けられるのはイヤよ。」

 

てゐ 「二人とも馬力で行けば250馬力あるんでしょ?」

 

妖夢 「鈴仙さんのシルビアは250馬力でFR車 私のインプワゴンは250馬力で四駆ですね。フツーに行けばFFやFR車より四駆の方が速いんですけどねーーー」

 

てゐ 「じゃあ、妖夢、一番先走る?」

 

鈴仙 「(妖夢、やめときなさい。私がうんにゃらじゃなくて、冗談抜きで煽られるわよ。)」

 

妖夢 「え、えと、それは遠慮しときます、コース走ってた てゐさんが先導するのがいいんじゃナイデスカ?」

 

てゐ 「う~ん、そっか~。でも下りはともかく上りは馬力ある車が先の方がイイヨナー」

 

妖夢 「じゃこうしましょう。てゐさん、鈴仙さん、私の順番で下りましょう。そして下で折り返す所で順番入れ替えしましょう。」

 

てゐ 「下はバスの折り返し場みたいなとこあるから並べるのも簡単だろうしね。とりあえず下ってみるか。」

 

鈴仙 「(妖夢、私を抜かす分には構わないけど、てゐは速すぎるわよ 追いつこうとしてムチャしないでね)」

 

妖夢 「(大丈夫ですよ。カローラですもの、ちぎられるなんてことはないでしょう。ちょっとついていくって感じで 気楽に後ろ走ればいいんですから。)」

 

鈴仙 「(・・・・・・・・)」

 

 

しばらくして、薄く霧が出る中、カローラフィールダー、シルビア、インプワゴンの順で 三台の車が駐車場から麓の温泉街方面へゆっくりと出発していった・・・・

 

 

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   「ファガアアアアアアアアアアア!!!」

 

   「ボグアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

右コーナーを立ち上がり 全開でスケートリンク前のストレートに突入するシルビアと インプワゴンの二台。先行するシルビアとインプワゴンとの差は少し空いていたが、長いストレートでインプワゴンが差を詰める。

 

 

妖夢 「くっ・・・ 鈴仙さんも結構とばすじゃないですか・・・・!!」

 

4速に入り、加速しながら次のコーナーへと突っ込んでく二台。

 

 

鈴仙 「落ち着いて・・・・  次のコーナーは奥の方がきつくなる複合コーナー。入口は速度落とし過ぎなくていいけど、奥でしっかり曲げないとっ・・・!」

 

 

 

 

   「キイアアアアアッ キッ キアガアアアアアアアアア!!!」

 

 

   「ガアアアアアアアッ ガアアアアアアアア!!!」

 

 

モブ 「うおあ! 今度はシルビアとインプワゴンだ!!」

 

モブ 「ここのコーナーの下りは結構傾斜ついてる上にブラインドコーナーで直角コーナーだからみんな怖がるんだけどな・・・ 二台ともいい突っ込みしてるぜ!」

 

 

続くスネイクコーナー区間へと入っていく二台。先行のシルビアは 始めの右コーナーをアウト気味に抜けると、そのまま次の左コーナーのイン側へと寄せていく。

 

妖夢 「・・・!!! あ、あれは・・・・!!」

 

 

   「ゴッ! ガゴゴゴゴゴ・・・・・ゴッ!!」

 

そのままイン側をすっ飛ぶように曲がっていき、インプワゴンに差をつける 鈴仙の白いシルビア。

 

 

妖夢 「あれは・・・浅いけど、確かに溝落としっ・・・!あれ、本当にやると、本当に速くなるんですね・・・・!!」

 

左、右とスネイクコーナーを抜け、再び左へ大きく曲がるコーナー。シルビアは左側、IN側の溝に少しタイヤを掛けると、IN側をクイックに かつ安定して抜けていく。

 

妖夢 「なんだろあれ・・・ タイヤを引っかけてる感じじゃないのに、明らかに速く曲がってく・・・  まるで 見えない曲がる力でも作り出してるみたい・・・ 」

 

 

次の右ヘアピンを抜けると 右の緩やかなカーブ。続くストレート。二台の速度が上がる。

 

   「ファガアアアアアアアアアアアア!!!」

 

   「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

シルビアとの差を詰めるインプワゴン。短いストレートの先、道は少し左右にうねった後、急に左ヘアピンが現れる。

 

 

鈴仙 「・・・・・・・・・・」

 

妖夢 「えっ、鈴仙さんこれツッコミすぎじゃ・・・・!!!」

 

手前からブレーキを踏んだインプワゴンに対し、シルビアは猛然とヘアピンに突っ込んでいく。やや遅れて光るブレーキランプ。2,3回点灯させたと思うと、溝にタイヤを掛けずに IN側をすっ飛ぶように曲がっていった。

 

妖夢 「えっ、なにあれ・・・・」

 

そのまま次の右直角コーナーを全開で突き抜けていくシルビア。ヘアピンの立ち上がりで出遅れたインプワゴンはそこで離された。

 

   「バガアアアアアアアアア!!!」

 

インプワゴンが右コーナーを抜けた時、妖夢が見たのはシルビアが次の左コーナーへ吸い込まれるように消えていく姿だった。

 

妖夢 「 あんなの・・・ついていけない・・・  鈴仙さんすごい・・・ あんなに速くなってたなんて・・・・・  」

 

 

 

 

5連ヘアピンを抜け ちらっとバックミラーを確認する鈴仙。

 

鈴仙 「妖夢もいつの間にか消えちゃった・・・ もう三人ともバラバラね・・・・」

 

 

左タイトコーナーを抜ける鈴仙のシルビア。

 

    「キィアアアアァァァァアアアアアア!!」

 

鈴仙 「とんだツーリングね。全然まったり一緒に走れないじゃないの。」

 

続く右ヘアピンを抜ける鈴仙。

 

 

鈴仙 「 あ。、このストレート。 なんか見た覚えがある。さすが『舞台』に使われた峠ね。ところどころソレっぽいポイントがあるのが楽しいわ。」

 

見晴らしのよいストレートを飛ばすシルビア。そのまま右のゆるやかなコーナーへと突入していく。

その先にあるのは、きつい左。

 

鈴仙 「よっと。」

 

コーナーのつなぎ目。うまく荷重移動を掛け、左向きに曲がる体制を作り出し、一気に左コーナーを抜ける鈴仙。

 

    「キャアアアアアアアア!!!」

 

鈴仙 「すごい。ホントここ絵に描いたように荷重移動できる場所なんだ。気持ちいい・・・」

 

続くS字コーナーをぬけていくシルビア。

 

鈴仙 「ここは少し立ち上がり重視で 次のストレートに飛び込む っと・・・」

 

その先にあるのは三車線に広がる左コーナー。

 

鈴仙 「うわっと。」

 

IN側を攻めた鈴仙はコーナー中間で強い衝撃を感じた。

 

鈴仙 「ここのコーナー 橋の繋ぎ目で 段差があって滑りやすいのか コーナーも思ったよりきついし。なるほど。これじゃあアウト側へ滑りやすいわね。」

 

 

最終コーナーをゆっくりと曲がるシルビア。

 

鈴仙 「うん・・・ 初めて来たコースだし、こんなもんだと思う。とりあえず自分ができる走りはできたつもりだし。」

 

車をゆっくり減速させながら 静かに前を見据える鈴仙。

 

鈴仙 「まだ、まだまだなのはわかったけど これはこれで楽しめたし良かったんじゃないかな。とりあえず・・・・ とりあえずあいつにはちゃんとお灸据えとかなきゃ。」

 

 

 

 

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妖夢 「てゐさんっ・・・・!」

 

てゐ 「おう、遅かったじゃないか。」

 

鈴仙 「・・・・・・・・・・・」

 

 

鈴仙と妖夢の車がコース終わりのバス折り返しスペースに入ってきたのは、てゐがその場所に車を停めて、一息ついて、だいぶ経った後だった。

 

てゐ 「チョット本気で飛ばすとついてこれないトハー。」

 

妖夢 「な・・・なんなんですかあの曲がり方は!」

 

鈴仙 「まあなんとなくこんなことになると思ったけど」

 

 

三台の車列の先頭を走っていたてゐのフィールダーは 下りの第一コーナーを加速しながら抜けたかと思うと、次のヘアピンも一気に抜けてしまい、後ろ二台を残して見えなくなってしまったのだった。

 

妖夢 「鈴仙さんもすごく速かったですけど、てゐさんのはもう なんていうか・・・」

 

鈴仙 「ね?速いでしょ?コイツ調子乗るとすぐ人のことほっぽいといて自分だけ先消えちゃうんだから。」

 

妖夢 「鈴仙さんがいつもグチってる話って本当だったんですね。」

 

てゐ 「ちょっとまて。そこの二人はいつもどんな話してるの?」

 

鈴仙 「さてと。この後だけど とりあえずまた上へ登るの?」

 

妖夢 「まだ駐車場空くにはだいぶ時間ありますね。」

 

てゐ 「さっきはスタート地点の料金所跡 通り過ぎちゃったからな。あそこ戻って見学するのがいいんじゃないかな?」

 

鈴仙 「分かったわ。じゃあ、私、てゐ、妖夢の順番で登りましょう。追い抜き禁止煽り禁止のローテンポで。」

 

てゐ 「およ?」

 

鈴仙 「だってー。まだ霧晴れる気配ないし、コース楽しむのはもう十分でしょ? 走り足りないなら別の日に一人で来なさい。ツーリングってのはねえ、互いが離れないようゆっくり走るもんなのよ。」

 

妖夢 「助かります。」

 

てゐ 「うう。鈴仙がそういうなら。」

 

鈴仙 「それじゃあ料金所跡の駐車スペースまで戻りましょう。てゐ? 妖夢がついてこれるよう遅めで走るんだから煽らないでよね?」

 

てゐ 「わかったわかった悪かったってば。わかってればちゃんとおとなしくゆっくり走るってば。」

 

   

 

 

 

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鈴仙たち三台が頂上の料金所跡に戻ってきた時、霧はさらに濃くなり、近くの給水塔ですらぼやけて見える状況だった。先頭の鈴仙は、道から逸れ、ゆっくりと駐車スペースに入っていった。

そこには、先客がいた。銀色の角ばったクーペタイプの車が 割と手前の方に止まっていたのだ。

 

てゐ 「あっ あのバカ。何やってんだ。」

 

鈴仙はシルビアをその後ろに止めた。後からの二台はその後ろに止めれば、駐車スペースの中に入りきらない。てゐはフィールダーを前へ出そうとしたが、銀色のクーペは察して前の方へ移動したため、三台はそのまま並んで縦に駐車することができた。

 

 

てゐ 「すいませーーん!!ありがとうございます!!」

 

車から降りながらあわてて謝るてゐ。

 

咲夜 「いえいえ。どういたしまして。」

 

てゐはその時初めて 銀色のクーペの車種を確認した。

 

てゐ 「(FC・・・・)」

 

咲夜 「また随分と霧が濃くなってきたわね。あなた達、走りに来たの?」

 

鈴仙 「あ、いえ。観光で来たんです。」

 

銀色のFCに乗っていたのはもう咲夜だけのようである。三台に目を走らせる咲夜。

シルビアとフィールダーとインプワゴン。ナンバープレートに目を移す。

 

咲夜 「あなた達、K県から来たの?」

 

妖夢 「はい。仕事仲間で秋名を見に行きたい、ってことになりまして。」

 

咲夜 「奇遇ね。私もK県出身の走り屋なのよ。どのあたりで走ってるの?」

 

鈴仙 「私たちはD坂道 ってところで走ってるんです。」

 

妖夢 「私は大清水峠 走ることが多いですね。」

 

咲夜 「ふ~ん」

 

白いフィールダーの方に目を移す咲夜。

 

咲夜 「(このフィールダー、さっき86を追いかけ回してたフィールダー?それっぽいオーラがあるし、峠でフィールダー持ち込むヤツなんて聞いたことないし。いちおそうだと思った方がいいわね。)」

 

てゐ 「(う~ん、さっき後ろ走ってたFCってこのFC?確信持てないなあ・・・  コーナーでちらっと見ただけだし、探りいれるわけにもいかないし・・・・)」

 

咲夜 「D坂道を知ってるんだったら、二十六夜峠ってところも知ってるかしら?」

 

鈴仙 「え、え~と?」

 

てゐ 「ああ、あるある。鈴仙、かなりY県側に寄ったところだよ。前M姫峠行った帰りに通ったけど・・・  道の駅の近く、D坂道途中の交差点から、北西へ山超えていく道でしょう?真ん中に長いトンネルがある。」

 

咲夜 「そうそう。そこが昔私がホームコースにしてた峠なのよ。たまに今でも行くわ。」

 

てゐ 「(あそこもかなりドリフト跡がある峠だったような)」

 

咲夜 「もしかしたら、また向こうの峠で会うかもしれないわね・・・ いいえ、もし気が向いたら、遊びに来ればいいわ。」

 

てゐと鈴仙の方に向き直る咲夜。

 

咲夜 「私は 十六夜 咲夜っていうの。むこうでこの名を出せば、きっと会えるはずよ。」

 

妖夢 「!?」

 

鈴仙 「は、はい。どうも。」

 

咲夜 「さて、せっかくだけど私はおいとまするわね。帰りも気をつけて帰るのよ?」

 

 

FCに乗り込み、発車させる咲夜。銀色のFCが霧の中へと消えていく・・・

 

てゐ 「なんていうか、不思議な感じがする人だったね・・・」

 

妖夢 「って、二人とも知らないんですか!?どうりでオーラがすごい人だと思った!」

 

鈴仙 「?」

 

妖夢 「十六夜咲夜!元D1ドライバーですよ!ああ・・・サインぐらいもらっとけばよかった・・・」

 

鈴仙 「え」

 

てゐ 「うそだぁ~ 同性同名の別人でしょ~ 昨夜 咲野 柵屋・・・・」

 

妖夢 「私は顔写真も見てるんです!ああ、失礼なことしちゃったかな~」

 

鈴仙 「あの人が・・・・」

 

ぼーっ と霧のかなたを見やる鈴仙。

 

妖夢 「鈴仙さんっ!思いあがってもあの人に勝負なんて挑んじゃいけませんよ!私たちなんて、プロレベルには遠く及ばないんですから!」

 

 

 

 

 

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同日、夜。D坂道。いつものコンビニで寅丸星たちは集まっていた。

 

橙  「は、初めまして。RX-8に乗ってます、橙と申します。こ、ここら辺走り始めたのは最近なので、イロイロ教えていただけるとうれしいですっ!」

 

寅丸 「おお・・・・うれしいです!また仲間が増えましたよ!」

 

一輪 「ハイハイおちつきなさい。 ーーよろしくね、橙ちゃん。こんなグループだけど仲良くしてね。」

 

チルノ「よろしくな!後輩!」

 

レティ「コラ。 ーー実は私たちも入ったばっかなの。よろしくね。」

 

橙  「は、はい・・・」

 

 

寅丸星たちのグループは、新しく入った 橙と名乗る子の歓迎モードに入っていた。

 

橙  「(ふう、なんとか潜り込むことはできた・・・)」

 

皆と談笑する一方で、橙は脳内で思考を巡らせていた。

 

橙  「(この前の白いフィールダー・・・多分このあたりの走り屋グループに入ってるはず・・・・  とりあえず、ここのチームに身を置いて、素性を調べてやる・・・!)」

 

 

響子 「そういえばいつものあの二人組、来てませんね。」

 

村紗 「あ~そうそう。ここに集まってるほかにもメンバーいるんだけどね。」

 

一輪 「今日は秋名のほう行くからこっちには来れないって言ってたわよ。」

 

橙  「へ~ 他にもいらっしゃるんですか。」

 

村紗 「うん。がんばってるのと、変なのと。」

 

橙  「変なの?」

 

村紗 「うん。なぜかね、カローラフィールダーに乗ってるヤツなんだけどね それがさ」

 

 

 

  「ピロピロピロピロピロ。ピロピロピロピロピロ。」

 

 

 

寅丸 「あっ 電話です。少し待っててくださいね。」

 

仲間から離れて、電話に出る寅丸星。

 

寅丸 「もしもし」

 

?  「やあ、今大丈夫かい?ご無沙汰してるね。どうだい?そっちの様子は。」

 

寅丸 「ええ、まあ。結構仲間も増えたんですよ。よかったらー」

 

?  「どうやら、もう星より速い人も見つかったようだね」

 

寅丸 「!?」

 

?  「いやなに、実は近いうちにそっちに行けそうなんだよ。だからよければ紹介してもらえたらな、って思ってさ。 できればーー」

 

寅丸 「あ、あなたまさか・・・」

 

 

 

 

ナズーリン 「一番速い相手を頼むよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

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てゐ 「県外まで出かけると どうしても帰り渋滞に捕まる。オートマだとつらい。疲れてるのにトロトロ運転だと、睡魔が。睡魔が。。。  止まるんじゃねえぞ・・・・止まるんじゃねえぞ・・・・・」

 

鈴仙 「居眠り運転ダメ絶対」

 

寅丸 「次回 「 PLAY MY GAME 」」

 

てゐ 「昨日どうやって帰った 体だけが確か」

 

 

 

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