今回は前回の続きです。
視点はぼたんですが、ぼたんの口調ってこれであってますかね
それでは今回もお楽しみ下さい。
令子ちゃんの仕事現場に着いたら驚きの連続だったよ。
まずあたしがこっちに来た目的の櫂斗への連絡先を知る冥子ちゃんが、令子ちゃんとの共同作戦の為に居たし、それからあたしたちの世界から消えた鈴駒がいるじゃないかい。なんで?
「ぼたんひさしぶり~。」
「なんで鈴駒が冥子ちゃんといるんだい!?」
「?…令子姉ちゃんに聞いてないの?」
「…どういうことだい令子ちゃん?」
「あ~、実はね…。」
令子ちゃんに聞いたところ、なんと鈴駒はあたしが帰った日に冥子ちゃんのお母さんの冥華さんと一緒に六道家にいたんだとか。それで櫂斗が冥子ちゃんのサポートを頼んで今に至るとか。
「…というわけなのよ。」
「まさか、そんなことになってるとはね…」
ちなみに鈴駒は冥子ちゃんの仕事に来るのは、今日で五回目だとか。
~閑話休題~
さて、そんなこんなで冥子ちゃんと鈴駒が加わって総勢6人で、今回の仕事をすることになった。
え?なんで6人かって?
なんか令子ちゃんはあたしも櫂斗みたいに除霊が出来るか聞いてきたから、簡単なことなら出来るって言ったら、なんでかあたしも一緒に行くことになったからだよ…トホホ。
それから今回の現場のことを不動産屋さんに聞いたところ、どうやらユニークなデザインにしたら霊的に最上階が鬼門となり、そこから霊を呼び込むアンテナになってしまったんだとか。
「どうするんだい?このままじゃいくら除霊しても、また集まってきてイタチごっこだよ?」
「私が霊を食い止めている間に~、誰かが結界を張って霊の侵入を~止めてほしいの~。」
「じゃあそれはあたしがやるさね。」
「ぼたんが?大量の霊がいるけど大丈夫なの?私がやっても良いわよ?」
「あたしは結界ぐらいなら出来るけど、あんまり長時間はムリさね。だから結界を張ったと同時にたまった霊をなんとかしておくれ。」
「わかったわ。じゃあぼたんが結界を張ったと同時に、私と冥子が結界内の除霊をするわ。そのあと新たに結界を張って問題の部分を改築してもらえば良いわね。」
「美神さん、俺たちはどうしますか?」
「横島君とおキヌちゃんは私のサポート、鈴駒は冥子とぼたんの護衛ね。
…それじゃさっそくかかりましょう!」
令子ちゃんはそういうと横島君が持ってたリュックから色々な道具を取り出して装備していった。
「へー、こっちの霊能者はけっこう道具を使うんだねぇ。」
「令子ちゃんは~、攻撃系の道具使いなのね~。私も頑張らなくっちゃ~。」
「冥子姉ちゃんには式神があるじゃん。」
「でも~、私は式神頼みだから~、自分では何もできないのよ~。」
「…そんなことより中は悪霊でいっぱいよ!みんな用意はいい!?」
「あたしは何時でも良いよ。」
「バサラちゃん~、たのむわよ~。」
ヴヴ…ヴ…ヴュン
『ンモ-。』
「「「「『』」」」」
冥子ちゃんと話していたら準備が整った令子ちゃんから最終確認をされたので、あたしは準備OKと告げ、冥子ちゃんは式神を自分の影から呼び出した。そこから出てきたのは身長が3メートルぐらいある黒い…牛かしら?ともかくそれぐらいある式神だった。それを見たあたしたちは、そのあまりな巨大さにちょっと言葉を失ったね
〔マンション入り口〕
全員の準備が整ったのでマンション内に入ったんだけど…こりゃまたスゴいことになってるねぇ
マンション内は悪霊だらけで、居ないところを探す方が難しそうだった。
「…!?」
ガタッ
『…誰だ!?』
『近寄るな…!?』
『近寄れば殺す!!』
横島君が中の悪霊たちを見て驚き何かに躓いたらしく、その音に反応して悪霊たちはあたしたちを警戒しだした。
「悪いけどそういうわけにもいかないのよ!」
くわっ
『ンモ-ーッ!!!』
令子ちゃんが悪霊たちを除霊しようと構えたけど、冥子ちゃんの式神のバサラが大きく鳴くとともに、周辺の悪霊たちを吸い込んでいった。
「うわぁ…」
「…相変わらず凄まじいわね」
「インダラ!サンチラ!ハイラ!出ておいで~。」
あたしたちがバサラの様子に驚いている間に、冥子ちゃんはまた新しい式神を呼び出した。今度は馬のようなの(インダラ)と蛇のようなの(サンチラ)と毛むくじゃらの良くわからないの(ハイラ)の3匹だ。
冥子ちゃんはインダラの背に乗ると、あたしたちにも乗るか聞いてきたけどあきらかに定員オーバーだから遠慮した。
襲ってくる悪霊たちは全てバサラに吸われるかハイラやサンチラ、それから鈴駒が撃退してるからか、移動しながら冥子ちゃんと令子ちゃんは初めて会った時のことを話している…けど、端から見たらどっちが悪霊だかわかりゃしないね
そんなことを考えてたら、バサラの吸い込みを抜けて何匹かがあたしたちに向かってきた。
幸いその悪霊たちはハイラやサンチラが撃退してくれたから良いけど、コレってもしかして!?
「れ、令子ちゃん…あたしの気のせいじゃなかったら、バサラの吸引力が落ちてないかい?」
「マズイわね…霊の数が多すぎてバサラの吸引力が弱まっているんだわ!」
「やっぱりそうかい!?急いだ方が良さそうだね!!」
「ええ!おそらくあと数分でバサラは使えなくなるわ!急ぎましょう!」
そこからは急いで問題の最上階の部屋に向かった。
〔最上階の部屋〕
最上階の部屋に着いたから、あたしはさっそく結界を張ることにした。
「令子ちゃん!冥子ちゃん!あたしは結界を張るとその間動けないから護衛を頼むよ!?」
「「ええ!/任せて~!」」
あたしは部屋の中央に立つと、そこを起点に結界を最初はあたしを囲むぐらいに張り、次第に大きくしていった。
「…結界ッ!!…今の内に残った悪霊たちを!」
結界がこの部屋を包み込むぐらいまで大きくするとそのまま座り込み、令子ちゃんたちに悪霊を任せて、あとはそれを維持することに集中した。
〔一時間後〕
なんとか部屋中にいた悪霊たちを全て除霊した令子ちゃんたちは、これ以上悪霊が増えないように、結界を張り鬼門を封じた。
「念!…ふう。ぼたん、もう結界を解いて良いわ…ぼたん!?」
「…!?ぼたんちゃん、しっかりして~!?」
あたしは令子ちゃんが新たに結界を張ったのを確認すると、結界を解いたと同時にそのまま気を失ったのだった…。
<続く>
ということで、ぼたんが活躍した回でした。
ぼたんは幽白では結界を張ったことはなかったと思いますが、原作終了後に除霊や結界を張ることを覚えた、というご都合設定です(笑)
最後にぼたんは倒れてしまったので、次回は一旦櫂斗視点に戻り、その後冥子視点にして今回の続きを書いていきます。
それでは次回もお楽しみに。