わたしがウロボロスだ   作:杜甫kuresu

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上司の信頼、忠実で強力な部下、確固たる思想。
足りなかったものを全部持ってる。ウロボロスは姉貴を見て何を思うのやら。

此処まで来るとポッキリ折れて席を譲ってしまいそうだなあ、かわいそう。興奮する。慰めてあげなきゃ。
今回は悪役系コメディ。えげつないネタも有るよ! 後ウロボロスがかなりバカぽんこつだよ!

そして長い。BD特典のOVAみたいなもん。
50位か。10位以内は遠いぜ全く、中々いい感じなのだがね。


完全無欠でぽんこつで【前編】

「よし、パーティーをするぞ」

「あの。もしかしてそれ私に言ってます?」

 

 お前以外に誰に言うんだ、スケアクロウ。我が最高のバス友。

 目線で察しろよと気持ちは込めてみたが、ダメなものはダメらしい。あの部下共ならちゃちゃっとハイと言ってくれるのだが、まあこれはこれで必要な距離感だ。むしろ好ましい。

 

「おぬしだとも、スケアクロウ。我が最愛のバス友よ」

「言い方がちょっと気持ち悪いですわね…………」

「なっ、ともかく手伝え! 良いか、この紙に時刻と場所は書いておいたから、おぬしは一覧の鉄血を呼ぶのだ! 良いな!」

 

 スケアクロウがお前バカじゃないの、みたいな顔で此方を見てくる。辞めろ、俺が惨めな気分になるだろうが!

 ジト目でマスク越しにかなりの不満を見せつけてくるスケアクロウに俺はもうひと押し、というかお前に手伝わってもらわんと俺も一人で達成出来る気はしないんだ。

 

「頼む! 新しいリンスならくれてやろう、この通りだ!」

「水臭いですね、私と貴方の仲でしょう?」

 

 素晴らしい掌返しだ、もう俺は手伝ってくれれば何でも良い。

 

 

 

 

 

 

 

「パーティー、か?」

「ああ。鉄血内は喧騒が足りん、偶には騒ごうではないか」

 

 アルケミスト、コイツは特に遊びがない。

 実は喋る機会もあまりないのだが、俺はパーティーなら僅かな縁でも手繰り寄せる派だ。大体鉄血は大した頭数も居ないんだから、全員呼ぶぐらいの勢いで良いのだ。

 

 アルケミストの左眼が困惑したように細められる。

 

「誘いは有り難いが、あたしは今から拷問が有ってな…………」

「人形の手足をもいで悲鳴と命乞いを聞くアレの何処が拷問だ、おぬしは唯の変態サドだ」

「変態サドとは何だウロボロス! あたしはあの絶叫の奏でる狂想曲の甘美さを理解したまでのこと、決して変態などではない!」

 

 うわ引くわ。敵は一思いに嬲らずブッ殺すのが礼儀で快楽だろ、やっぱ変態性癖じゃねえか引くわ。

 いやまあ確かに悲鳴聞いてると優越感は有る、がそれでレイプじみた所業はしねえよ。

 まあこの前「際どい服着てる癖にそこまで胸ねえじゃねえか!」と宣いやがったトンプソンはゆっくりと蜂の巣にしたが、アレは別口だ。部下が引いてたがどうせ記憶をロストして復活しやがるぞ。

 

 こんな奴ばっかだから生きづらい(正直おぬしも大概な性癖を暴露しておるぞ)。今誰か俺に喋りかけてこなかったか?

 

「訳が分からぬしおぬしやっぱり変態だぞ…………」

 

 考えてみたがやっぱり本気で何言ってるのか分からないんですけど気は確かか?

――――ええっと、訳すと「私はあの絶叫の響き渡る美しさが気に入ってるだけで、変態ではない」ぐらいか。分かる自分が嫌だ、一ミリたりとも理解はしたくない。

 

 だがもうこんな狂った環境だ、俺も嗜好の歪曲ぐらいどうこう言わないさ。理解は出来ないけど、もう仕方ない。そうすることでしか生きれないならそうすればいいさ。俺も所詮人形殺しだ。

 

「…………そうさな、ギャンブル大会を開けば処刑人の本気の絶叫は聞けるやもしれんぞ? 組んであやつらを陥れてみぬか? ついでに代理人もアヒンアヒン言わせてやろうではないか」

 

 突然アルケミストが怪訝な顔をしたかと思うと、顎に手を当ててニタァと笑ってみせる。な、何だお前。気持ち悪いな。

 

「最高の提案だ、乗った。しかしお前、あの代理人をアヒンアヒン言わせようとは挑戦者だ…………かつ背徳者、更に言えば変態?」

「そ、そういう意味ではないからな!? この阿呆! 馬鹿、端子を千切られたいのか!」

「どういう意味だと思ったのやらなぁ?」

「――――――っ!? う、五月蝿い!」

 

 

 

 

 

 

 

「は? 嫌よ」

「おぬし、随分つれないのだなあ…………そんな事だから友達も出来んのだぞ、デストロイヤー」

「何の話よ!」

 

 いやだってお前友達ゼロ人じゃん。オフ会ゼロ人より致命傷負っちゃってるじゃん。

 プリプリとして怒っているちびっ子、デストロイヤー。俺的にはちょっと扱いにくい妹みたいで実は嫌いじゃない。意外と道とかしっかり教えてくれるし親切でかつ丁寧な仕事をする方なんだけど、如何せんこの言動で他のやつからの評判はアレ。ちょっとかわいそうなやつだ。

 

 俺は平気だ、大学生の時もこんな扱いにくい従兄妹ぐらい居た。

 

「あんたに友達が云々なんて言われたか無いわよ、セーラー○ーン女!」

「あ!? 言ってはならぬことを言ったなデストロイヤー、わたしは友達いっぱい居るし!」

 

 少なくともお前じゃ勝負にならんぐらいいっぱい居るわ!

 大体この髪型を馬鹿にするとは何事だ、俺だけでなく貴様はウロボロス御本人も敵に回したからな分かってんのかコラ(全くだ、やってしまえ)

 

「後ね、あんた鏡の前で自分見てニヤニヤするの辞めなさいよ! アレ本気でキモいんですけど!?」

「なぁっ!? わたしは可愛いだろう!?」

「自分で言うの…………!?」

 

 そんなドン引きしなくても良いだろ。

 実際以前のコメントに困るフツメン顔に比べりゃ圧倒的に良い。化粧がないのが惜しいくらいだ、【まあしなくともわたしは可愛いのだがな!】

 

――わたし? わたしって言わなかったか俺、今の誰だよ。何か今日は思考に変なものが混ざってる気がする…………。

 まあ良いや。

 

「ともかく、おぬしもちゃんと来るのだぞ! いつもみたいに漫画読んでたりしてみろ、わたしが直々に部屋から引っ張り出してやるからな!」

「要らないお世話よ、べーっ!」

 

 

 

 

 

 

 

「あなたは子供ですか」

「いや、その、返す言葉もない…………」

 

 代理人に窘められた、真顔で言われると確かに大人気なかったな俺…………。

 しかし、やっぱりあの時明らかに俺じゃないやつが頭で喚いてたよな。何だろうアレは。

 

「それで、返答のほどは」

「構いませんよ。どのみち作戦外の時間など、大抵は整備しかしませんから」

 

 なんと仕事人間な台詞だろう。それに哀愁も虚しさも苦痛も見いだせない貴方が俺は本当に心配だ。

 

「そんな寂しいことを言わないでください、夜ならわたしが貴方を温めて見せま「成る程、このサブアームは調整したところなのですが――――――的になって頂けると?」申し訳ありません代理人様わたしは貴方に絶対服従ですご不満でしたら靴舐めましょうか?」

「不潔なので結構です」

 

 この流れ前も見た。

 いや、この人には本当に勝てない。この世に足音を鳴らした頃から世話になったし、今も何かとサポートはしっかりしてもらってるからな。

 

 夜に温めるは冗談にしても、秀吉よろしくヒールを懐で温めてもバチは当たらないと――――――それは本当だ。

 代理人は顔じゃ分からないから、しっかり会話をしなくてはならない。逆に言えば、ちゃんと喋ればちゃんと返ってくるとも言う。

 

「今のは冗談でも、まあ困ったことが有れば何なりと。ウロボロス、この権威と謀略の全てを駆使してみせましょう」

「何を今更、分かっていますよ」

 

 ひえ、この人俺をしっかり扱き使うつもりだ。潜在的なSでは、いや仕事だからなのか? 分からねえ。

――だが気になることは有る。この際聞いておこうか。

 

「というか断らないんですね、嫌がるかと」

 

 何気なく聞いてみただけなのだが、代理人がピタリと固まってしまう。

 珍しい、彼女が固まるのは考え事と困惑している時だけだ。今の俺の質問は動揺に値したのは間違いないということで、俺の中ではちょっぴり優越感の有っていい案件だ。

 

 あんまり俺に表情を見せてくれない人だからな。ある意味それが唆ると言えば然りだが。

 

「…………理由なんてありません、部下の生活に触れるのも役目ですもの」

「本当? 何か固まっていましたよ」

「本当ですわ、私が嘘をついたことがありましたか?」

「ありません、では信じましょう」

 

 

 

 

 

 

 

「良いだろう、私に射撃で勝てればいいぞ」

「じゃあオレと肉弾戦な」

「ナチュラルにわたしと決闘しようとするでないわ阿呆コンビ!」

 

 大体わたしが勝つからな、これでも高スペックだぞ!

――だから今のは誰だ。わたしじゃなくて「俺」だっての。

 

 とはいえこのコンビ、いつも俺にギャンブルで負けてるからって此処ぞとばかりに渋るつもりだ。どうせ参加するくせに面倒な連中め。

 言ってやるのは簡単だがまあ、実はこういうノリが嫌いではないのも事実。二人してニヤついている辺り、つまりこれはじゃれ合いのたぐいなんだろう。

 

 良いだろう、受けてやる。

 

「――――――それはパーティーの前戯としようではないか」

「「??????」」

「なあ? おぬし達が言ったのだ、そうだろう? わたしは「本気」で良いのだろう、なあおい? おぬし達が、申し込んだ決闘なのだろう?」

 

 じゃあボッコボコにしても良いんだろ? 別にちょっとばかし腕がもげても文句はないんだろ?

 AR小隊は生かしてしまったからな、俺達(わたし達)は正直な所持て余しているんだ。これは良いお誘いだったよ、そうだとも。だってどれだけやっても、『(わたし)は悪くない』。

 

「あ、ヤバイぞハンター。コイツオレ達を殺す手前までやるつもりだ」

「お、そうだな。悪いウロボロス、やっぱり普通に参加するな私達! 意地の悪いことを言ったのは謝る!」

「遅いわたわけ! 精々酒を飲める程度には体が動くよう、天に祈りでも捧げておれ――――――――ッ!」

 

 二人の顔が青ざめるが遅いんだよ。もうやらなくちゃ気が済まん。

 どうせスペアは山ほどある。なあに、ちょっと骨が軋む痛みを味わってもらうだけさ。コイツラはそんなの正規軍辺りで言葉通り死ぬほど受けてきた仕打ちだろう、死にはせんさ。

 

 慌てふためく二人に思わず恍惚。愉しいなあ、良いぞ。

 

「悪かった! この剣貸してやるから、な!?」

「私の拳銃もくれてやる! 待って、止まれ!」

 

 うるせえ。もう引きずってでも連行だオラ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『という訳で、前座のハンター&処刑人コンビの蹂躙も終えた。改めて挨拶しよう、ウロボロス――――――今回はこの宴にお集まりいただき恐悦至極』

 

 死体が後ろに転がっている、ああースッキリした。

 マイクまで有るのでよく会場に響く、盛り上がりは俺のマイク越しの声より数段上だったが。コイツラやるとなったら色々持ってくるんだよな、マイク持ってきたのちなみに夢想家だから。アイツ楽しそうだなあ、元々そういうタイプとは言え。

 

 飯もそれっぽいのが数多くチョイスされた、曰くスケアクロウセンスらしい――――――七面鳥、チキンナゲット、ポテト、ローストビーフ、ジュース諸々。これはクリスマスだぞスケアクロウ。

 

『これについてだが、実は理由はなくてな。わたしが馬鹿騒ぎしたかっただけなのだが…………簡易措置として『ウロボロス初実戦で大ゴケおめでとうの会』としようではないか』

「褒められたことではありませんよー!」

 

 いつもの無表情で声を張ってくる代理人。意外とノリノリなんですね貴方。

 周りも見たことのない代理人の浮かれ方にざわついた後ケラケラ笑い出す。響いたのは俺の部下共の阿呆な応援団ライクな掛け声。

 

「良いぞウロボロスさん、イチャつけー! 代理人xウロボロスサイコー!」

『バッ、バカおぬしら殺されるぞ!? あーいや申し訳ありません、わたしの部下は揃いも揃って悪ノリだけは得意でして…………』

「――――まあ今日は良いでしょう。『今日は』、ですが」

 

 ほら怒ってる。アイツラも流石に次はない可能性が有ると悟ったのか、一気にざわついた後シーンと固まってしまう。

 お、俺が礼でも言わないと不味いな。

 

『寛大な措置、感謝致します…………利用価値は有るので壊さないでくださればと』

「冗談ですよ」

 

 空気が凍った。だよね誰も今のが冗談だとは思えなかったよね、でもあの人のイントネーション的に多分アレマジで冗談言ったらしいんだよ。俺は今日から信じられなくなってしまうかもしれない。

 

 ヤベえ、またアイスブレーキング入れなくちゃな。

 

『ええい、やっぱりこの人の冗談は分からぬ! まあ良い、ではわたしが出し物と行こうではないか! まずはトランプでマジックをしてやろう、わたしの早業に惚れてしまっても知らんぞぉ!?』

 

 よしよし、何とか持ち直したぞ。勢いでマイクをぶん投げたり決めポーズとかして誤魔化しきれたぞ、身体張るのは戦場で慣れてるからな(わたしの体でされると屈辱的だな全く)

 

『ほれほれ、舞台に立ちたい目立ちたがりは居らんのか! グリフィンの鉄クズ共に『鉄血はシャイガールばかりかい?』なんて笑われてしまうぞ!』




ウロボロスすき、幸せな世界線提供したい。憑依か転生か迷うと思うんですけど、敢えてボカしてます。本体が残ってたらそれはそれで良い。
途中から一人称がおかしかったですが「誰の言葉」かはご想像にお任せします。

「TSって可愛い展開も有ったよな(うろ覚え)」であんまり見せないぽんこつな所も多めにしてる。ナンパ癖有ったり、短気だったり。本編だとカリスマと悪役にポイント振らせてるから本格的に巫山戯ないしね。

この小説って最初からラストシーンが一個だけ決まってるんですけど、何か途中で泣くかもしれん。展開的に泣けるわけでもないし上手い構成してないだろうけど俺が泣くかも。
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