わたしがウロボロスだ   作:杜甫kuresu

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何だあのモコモコドイツライフル! 後方支援込みのわたしが倒せんだと――――――最高だ。だけどアレはわたしの勝ちだからな、異論は認めん。

ああ、バカライフルの評価か?
「見た目100点、性格10点、戦闘力95点、戦闘スタイル150点、ライバル力200点で平均111点」だ。喋り方が特に嫌い、身体は好きだが中身が嫌いだ。

ああ、阿呆が三百人突破らしいぞ。速いじゃないか、おめでとう――――――何で他人事か?
いやいや。わたしは何もしておらんからな、ロケットを飛ばした時に発案者が「私こそがロケットの生みの親! 神!」とか言い出したら引くだろう? そういう事だよ。


我らは踊る影法師

「そうか、処刑人がな。まああやつらならスペアも有る、一度のミスで捨てられるほどの無能でもなかろうに」

「そうですね。ウロボロス様の仰る通りでしょう」

 

 スケアクロウの敬語は気持ちが悪い。助けて無理やりスカウトしてからというもの、ずっとこの調子なのだ。

 どうやら彼女の中で上司として扱われることになったらしい。俺は気の良い知り合いとしてお前を誘ったんだがな、恩を売る気もないし。

 

 話は戻るが今のは処刑人がしくじったという話。アレからはスルスルと話が進んでいく、もう第二戦役という訳だ。M4A1は予定調和でグリフィンに合流したそうだ、噂ではあのバカライフルも居たらしい。

 

「それよりもKar98kが居ったのが惜しい。あやつとは何度殺し合っても飽きが来んだろうに、縁がない」

 

 アレから俺はS09地区とは別方面に走らされていた。

 代理人が言った「後に響く」という事柄の内の()()()。要するに下積みとも言うし、ごみ処理でも有る。

 

 勿論代理人なりに善戦はしてくれたのだろう、俺は彼女に何ら文句は言わないし今後も言うことはない。もう十分してもらったからな、責任ぐらい自分で取る。

 

「ウロボロス様、ご自重ください。部下がまた怯えています」

「ん? ああ――――あの人形の事は考えてはならんな、全く」

 

 表情が緩む。

 

 現在は奪われた拠点の奪取に向かっている。以前に比べれば圧倒的小規模の戦闘であり、俺含めて全体が少しばかり気を抜いてしまうのも仕方ない。

 仕事となれば切り替えはできる連中だからとやかく言うまい、道中いきなりスナイプされて死んだりするなら手前の自己責任よ。

 

 それより。

 

「なぁスケアクロウ、以前のように喋ってくれぬか? わたしはおぬしに敬語を使われると流石に気恥ずかしい」

「あくまで上官ですので」

 

 ある意味融通が利かんというかな。酒入れたらそうでもなさ気なのだが。

 処刑人の次はハンターもS09地区に向かったから、本部に戻っても負けてくれるギャンブル相手が居なくて寂しいよ全く。

 

 アイツラ何時拾えば良いんだろうな。まあCUBE作戦が予定通り始まるなら、俺にナビゲートは入ってくるだろう。意外と世界の構造は親切らしいからな。

 

「それにしてもおぬしらも随分強くなったものだ。わたしはもう要らんだろう」

 

 S12地区で泣き喚いていたあの部隊は何処へ行ったのやらな。全員少なくとも人形の十体は道連れにできる実力を付けてしまった。

 俺は何もしていない。ただ単に自主的に色々していたのだというが、俺は指揮能力は低い。道楽でもらった部隊だから宝の持ち腐れなのだ。

 

 後ろの方でVespidが何やら叫ぶ。

 

「ウロボロスさん以外の所で働いたら暴れられないじゃないですかー!」

「ああ! そうだな、確かにわたしは暴れさせることに関してはプロだぞ! スケアクロウはついてこれんようだが」

「貴方様は少しばかり乱暴かと…………ついていこうとすれば、自然と部隊も強力になりましょう」

 

 そうかいな。俺は自分がやりたいようにぶっ壊してるだけだからな、あんまり後ろのことまで考えちゃいない。頭数で計算には勿論入れるし面倒は見てるが、戦闘の時ばかりは本当に放任している。

 

 あの元隊長が実に優秀でな、ある意味引き取って正解だ。俺が何処ぞの部隊を取っても指揮がガタガタかもしれないからな。

 

「後ウロボロスさん士気上げるの巧いですしね」

「テンションアゲアゲ↑↑↑↑☆、という事だな? 分かるぞ、いや分からんが」

「いやそこまで若々しいキャラだと思ったことないです、すみません。というか逆に爺臭い例えですねそれ」

「何ぃ!? わたしは老けて見えると!?」

 

 違う違うとでも言わんばかりに首を振る隊長。お前上官に向かって非常に失礼だが自覚は有るのかよぉ!?

 

「若干ジジ臭いの気にしてるのに…………でも口調はなあ、こればっかりは直してはいかんだろうが…………」

 

 だってウロボロスの数少ないアイデンティティだしさ(おぬしちゃっかり失礼ではないか?)…………。

 それにもう慣れちまったから直そうにも直らないしさあ。というか俺だってさ、一応御本人リスペクトしてるからこれ以上ズレ込みたくないし(もう手遅れだと思うのだがオイ聞かぬか)…………。

 

「隊長がウロボロスさん泣かせた―!」

「ええ、私!? ち、違いますよ。単に老獪だとか年季とかそういう意味でですね…………」

「やっぱり老けておるのではないか~…………」

「辞めておきなさい。ウロボロス様はこうなるともう何を言ってもネガティブですから」

 

 

 

 

 

 

 

「おお、ハンターよ! 敗れてしまうとは情けない!」

「全くです。たかだかグリフィンのゴミ屑、何を苦戦しているのでしょうか…………」

 

 代理人がガチの舌打ちをする。辞めてよ、八つ当たりでデコピンとかされたら俺の頭が今度こそ弾ける。

 またKar98kが居たらしい、というか帰ってきたやつにアイツから伝言が託されていた。

 

 内容がまたアレなもので

 

『色々探してみたけどやはり君が一番だった、何時か攫いに行くよ。一妻多夫制だって何とかなる世の中だ、仲良くやっていこう』

 

 だそうだ。

 は? というかまず性別女だったの、ひょっとしてだけど。尚更性格嫌いだわ、いよいよ身体しか興味無い。

 そして絶対適当に言ってるなアイツ、あの時もそうだったが言葉が薄っぺらいことこの上ない。

 

 大体素で僕とか言っちゃう女ヤダし。というか人形のしかも女同士で婚約って、どこのニッチジャンルの二次創作だっての。

――じゃなくて、機嫌の悪い代理人を宥める。この人地味に怖いからな。

 

「い、いやですが次は侵入者なのでしょう? あれは先の直球馬鹿とは一味違います、安易に撃破とは行かんでしょう」

「当たり前です。また猪突猛進で貴重なスペアを消費されては、いよいよ私は再教育し無くてはならないもの…………っ!」

「そ、そうですね! そりゃそうだハハハハハ!?」

 

 誰か助けて!? 本気でキレてるんだけど!?

 流石に明日は我が身とビクビク待機していると、代理人が何かをハッと思い出したように俺の方を見る。何だ、デコピンはヤダよ俺。

 

 じわりと頬を伝った嫌な汗。これは予感が当たる感じがする。

 

「…………直球馬鹿であろうと、豪速球となれば」

「まさか!? 待ってください、嫌ですよわたしは!」

「プレイボールッ!」

「はい!?」

 

 最近代理人がおかしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「という訳だ、まあ付き合ってくれ。侵入者よ」

「ストレスとウロボロスのせいで代理人まで狂ってしまいましたか…………」

 

 おい何で俺のせいなんだよ。十割十分でストレスだろ。

 侵入者は薄っぺらい笑みで挨拶をする、この掴めない感じは俺とはどうしても合わない。嫌いではないんだが、代理人とは全く別のベクトルで無機質なのがどうにもな。

 

 嫌いじゃないんだ、本当に。バス友その2だし。スケアクロウはリンス馬鹿だがコイツはボディシャンキチである、肌への拘りは鉄血一。俺も見習っている。

 

「まあ変わった組み合わせもよかろう。どうせ今回は「暇つぶし」で良いのだろう?」

「はい。何か案はありますか? 一応わたくしは用意していますが」

「そりゃおぬし、AR小隊とUNOでもすればよかろう」

 

 頭がオカシイのか、という顔で見られる。

 

 俺の部下を見ろよなお前、「ああ、また変な事言ってるしガチっぽい」と諦めと覚悟を秘めた悲壮な表情をしているじゃないか。

 あやつらの寛容さ、諦めの良さに比べてお前は何だ。絶対イヤだ、みたいな顔しやがって。

 

「おぬしなあ、アチラには今回Kar98kが居るのだ。迂闊に出ればわたし達が巻き込み事故で徒に壊しまくるだけだ、時間を稼ぐだけならドンパチよりパーティーゲームの方が適任だろう」

「それっぽい理屈を仰っしゃりますけど、恐らく此処に居る誰一人として納得できていませんからね?」

「問題ない、こやつらはもう慣れておる」

 

 可哀想に、と態度を隠す様子もなく憐れみの視線を俺の部隊に向ける。何だ文句あっか、俺は「何時でも抜けていいし、そもそも一々メンバーなど覚えていない」とはっきり明言してるんだからな。むしろただの物好きしか居ねえ。

 

 まるで俺が引っ張り回してるみたいな。

 

「テーブルと椅子も持ってきておるし、コーヒー豆も菓子も持ってきているのだぞ。むしろどうして遊ばぬ」

「もう貴方とは二度と任務を共にしたくありません…………」

 

 正直でよろしい、お前への好感度が大きく上がったぞ。次回はお前に合わせてやる、正直者は優遇されてなるべきなのだよ。

――最も、次回とやらが有ればの話だがな。

 

 公開チャンネルに繋ぐ。侵入者は文句こそ言うが邪魔をしない、諦めが早いんだな。

 

「あー、テステス。聞こえているか、愛すべき鉄クズの諸君――――――そうだ。ウロボロスだ」

 

 すぐさま繋がった通信の一つから、聞き覚えのある息を呑む声。

 

『――――――ッ!? ウロボロス、どうして此処に居る!』

「おおー元気だなM4。実はおぬしの事が好きだからな、押しかけ女房でもしてやろうかと」

『下らない冗談はやめろ、今殺しに行くから場所を言え』

 

 おうおう、血の気が多いねお前は。良い、それぐらいで良いのだ主人公など。強がるな、綺麗ぶるな、我々は尽くが唯の破壊者なのだからな。

 

 M4の声は怒り、焦り、驚き、混ざりきらない多くの感情を勢いで綴じ込めたような複雑な音色。周りの部下も俺の取り逃した獲物と有ってか少し息巻いている、お前らも中々血の気が多いんだよな。

 

「先に言っておくがKar98kは喋るな、話が長くなるのでな」

『綺麗な前フリから華麗に参上、貴方の妻のKarちゃんですよ!』

「それで。本題と行こうか」

 

 無視無視、コイツに構ってたら会話が始まらん。

 ブーブーとKarからブーイングが飛んできているがこっちがブーイング飛ばしたいぐらいだ。お前さえ居なけりゃ今回はあらゆる意味で穏便なんだから。

 

 俺が侵入者に付き添う形になったのはKar98kの対抗策としてだ。お前居なけりゃ原作に変に介入せずに済んだんだっての。

 

「まあ、難しいことは言わん。偶には菓子でも食いながらお話でもしようじゃないか」

『それはどういう比喩? 全力で殺し合うってこと?』

「言葉のままさ。しっかり偵察しようが何人連れててこようが構わんから来い、少なくともわたしは武器など構えておらぬことを約束してやろう。眉間に銃を突きつけられながら話してやっても良いぞ、グリフィンの人形は貧弱だからな」

 

 はい、終わり。通信を切る。

 侵入者が異教徒でも見るような軽蔑混じりの視線を向けてくる。怖い怖い。

 

「裏切るつもりですか」

「まさか? おぬしはわたしの兵も連れて余所で暴れておけ、一人で十分だ――――――別に素手でもM4ぐらいなら殺せるからな」

 

 あの程度なら頭を握り潰すのも簡単なこと。まあ余程の事がなければ今回は殺す気なんて無いのだが。

 

――侵入者は俺の後ろの部隊に視線を寄せながら問う。丁度椅子とか設置しているな、もう慣れてるしなコイツラ。

 

「一応聞きますがお気は確かですか?」

「違えに違え尽くしているとも。見ての通り、部下が手慣れるくらいにわたしは狂っておる」

 

 何時も通り「しょうがないなあ」と言わんばかりの呆れ笑いをしながらセッティングする俺の部隊を見て、侵入者は呆気にとられっ放しのまま部隊を統率し始めた。




「神絵師のライブドローイングで眠っていたペンタブを起こそうとしたが、作業速すぎて『おえっ』って声出ました。
P.S. ここから話がしんどいので更新は遅いし長い。クライマックスだから仕方ないね。」
ところであやつがCUBE作戦のログを見直しておったが阿呆過ぎないか…………若すぎる。代理人「殿」も教育してくだされ、ゴミって。
ハンターと処刑人アッサリ死んだな、しっかり改造してやらんとな()。

さて。後書きなぞ経験がない、好きに喋ろうか。
まずは28位まで日刊に入れたのだとか。素晴らしいな、わたしは暴れているだけだが。おぬしらの熱意的なサムシングだろう?

狙うは1位などともほざかん。わたしより魅力のある主人公なぞゴマンと居るだろう、構わん。好きな物を愛し、溺れ、死ね。それで良い。


ああ、とうとう「10話に納めるんじゃ後半が1万文字の連続なので無理」とほざき出しおった。まあ読みやすいほうが良いだろうし、サクサクっと終わるのもアレだな? わたしは構わん、文句はあやつに言え。

わたしへの質問等々は随時募集しておこう。感想返信は多分…………ノリノリだな。多分わたしだ、過重労働で訴えてやろうか…………。
そう言えばわたしのイメージ曲は「Frontline」だったりウロボロスのBGMだったり迷ったそうだが、「わたし達」に限るなら「阿吽のビーツ」らしい。
――――うん? 歌詞の意味が分からなくないかこの曲…………?
まあわたしは自分のテーマなどどうでも良いがな。日によって違うわそんなもの。
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