気づいたら一歩だった   作:konya

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ジムへ

学校卒業前の2月に伊達さんとリカルド・マルチネスの試合があった

 

普段はワイワイしながら親子で見てるのだが

この日ばかりは無言で真剣に見た

 

伊達さんの今までの試合の映像なんかがよく流れて伊達さんばかりがテレビに映る

 

勉強にはなるんだがリカルドの情報をもっと!と強く願うも

伊達さん特集とも思われる映像からそのまま試合という流れになった

 

結果は原作通りなのか2RKO

リカルドは圧倒的だった、伊達さんは流血しているのにリカルドは綺麗な顔だ。

 

試合前の調整相手とスパーでもしたと思われるレベルに見えた

 

あまりにも強い

テレビ越しとはいえ見る事はできたし録画もした。

 

底が見えないしこれからまだ強くなるんだろう

 

普通に練習してるだけじゃ絶対に勝てないと思う

なんでもこなせる様にスイッチの練習もしていたがもうやめるか?

 

いや、リカルドもできるんじゃないか?

使い方しだいだし原作でも千堂のサウスポースマッシュがあった

 

ごちゃごちゃ考えている内に勝手に体が動いていたようだ

母さんのタオルが振るわれたが無意識に払った

 

一瞬で冷静に慣れたしこれには両親もビックリだ

いつも笑顔の父さんですら驚いていた

 

母さんには正座して謝っておいた

 

謝罪したあたりで両親もいつもの調子に戻ったけど反抗期と勘違いされそうで怖かった

 

両親には中学校に通うようになったらジムに通いたいと伝えようと思う

 

家族内では僕がボクシング馬鹿なのは既知の事だ

 

ただ家計が心配だ

 

原作では母子家庭だったし生命保険の金でやりくりしていた可能性まである

 

仕事は順調なように思えるが相談して悩まれるくらいだったらジムは見送るしかないと思っている

 

進学先を一応相談されるほどだから私立も行こうと思えば行けたと思えるのでおそらく大丈夫だろう 

 

毎日毎日リカルド戦のビデオを見る

綺麗なジャブという事しかわからない

 

真似をしようにも鏡を見ながらやっても第3者に撮影してもらわない限り検証ができない

 

中学校に進学した頃には父さんには打倒リカルドだと伝えてあるし

ヘッドギアをもっている事だし いっその事グローブを買って父さんに殴ってもらおうと考えたがやめた

 

タオルだからやってくれるのであって母さんが妥協してくれているだけで

殴らせたらイカれてるとしか思えないし父さんも殴らないだろう

 

中学1年の6月になり様子見という事でようやくジムに行く許可が出た

 

父さん同伴だが鴨川ジムへきた

 

窓の外から中にいる人を確認する

練習生?が何人かと鷹村さんがいた

 

青木さんと木村さんに宮田君もいない

宮田君はいると思ったんだが時間が合わなかっただけか?

 

色々頭で考えていると父さんがジム内に入っていったので

僕も続けて中へ入る

 

「こんにちはー」

 

父さんがいきなり入ったのでとりあえず挨拶だけしておく

 

練習生のほとんどがこちらを見る

 

完全に浮いている

みんなどうみても高校生以上にしか見えない

 

「なんじゃ」

 

鴨川会長きたー

 

「一歩のやつがどうしてもボクシングをやりたいって言うもんだから来た」

 

「幕ノ内 一歩です ボクシングを体験したくてやってきました!」

 

「ふむ、体験か ええじゃろう」

 

まずは周りを見学して鷹村さんをじっと視る

 

鷹村さんがサンドバッグを叩く動きを視ているうちに自然と体が動く

 

鷹村さんが叩き終わるまで途中からシャドーをやっていたらしく周りの視線が痛い

 

鷹村さんと目が合う

 

「おい、打ってみるか?」

 

「は、はい!」

 

鷹村さんから声がかかるとは思ってなかったので変な声が出そうになった

 

グローブを貸してもらい

 

様子見でサンドバッグを叩く

 

ジャブ ジャブ ストレート

 

体の調子は良好だ

 

思い切りやってみよう

 

ドンッ ドンドン ズトンッ ドスッ ドン

 

サンドバッグの揺れの戻りに合わせて本気で殴ると体のどこかを痛めそうだから避けて横から叩く

 

サンドバッグの動きに合わせて自分も少し動いて叩く

 

ドンドンドンドン ドドン

 

体が温まってきて回転が上がるも肩に手を置かれて止められた

 

鷹村さんだった

 

「おまえ、今までボクシングをやっていたのか?」

 

「はいっ、小さい頃からプロボクサーになるのが夢だったのでずっと練習してました!サンドバッグを叩くのは初めてでしたけど」

 

「じじいっ!」

 

「見ておったわ!小僧ッ!リングに上がれ!」

 

想定してなかった展開にドキドキする

普通は体験初日の人をリングに上がらせないだろう

 

父さんの方を見ると八木さんらしき人と釣りの話?か何かで盛り上がっている

 

父さんも会長もフリーダムすぎるだろう

 

そういえば原作の一歩もいきなりスパーをやらされてたような?

 

目の前の事に集中しよう

 

シューズを借りて リングに上がって深呼吸する

 

「ミット打ちですか?」

 

「そうじゃ」

 

鴨川会長のミット目掛けてパンチを重ねていく

 

ときおりこちらの顔目掛けてミットがきても回避し防御し払う

 

さすが鴨川会長だ、こちらのレベルに合わせてミットを動かしてくれてるのか

 

今までこの為に育ててきた筋肉を思い切り使えるのが嬉しい

 

ミット打ちが終わってリングを降りる

 

会長がベタベタと全身を確かめるように触ってきた

 

ミット打ち中に父さんが八木さんと話し合っていたのか

これから自由に通っていいようだ

これで週に何度かこのジムに通えると思うと嬉しくなる

 

本当は毎日でも通いたいのだがボクシングをするのは僕のワガママだしジムに行く事を相談したときに小遣い無しでいいから通わせてほしいと言って、でも仕事も手伝いたいと困らせたものだ

 

その結果が無理をせずに仕事もボクシングもできて小遣いももらえる事になった

 

それからは他の練習生の邪魔にならない場所で軽くストレッチをして鷹村さんを見ながらシャドーして終わった

 

鷹村さんとはある程度会話した。

1R連続KOの事やずっと気になってて今まで注目していて試合を直接視れなかった事が残念だとか父さんが勝手に話してしまって注目していた事がバレてしまった。

 

今も「一歩がいつもよ~」みたいな感じで父さんが鷹村さんと話している

 

鷹村さんも父さんも豪快な所は少し似てるのかもしれない

 

今日ここに来れただけで良い勉強になった

 

鷹村さんのパンチに合わせて体を動かしていたから思えたのだが

視えるのだが体が追いつかない

 

横から見るのと正面から見るのでは全然違ってくるだろうし

全てが鷹村さんに負けている

 

恐ろしい事にまだ強くなっていくんだろう

 

帰る頃には会長を含めてジムの人達に「これからよろしくおねがいします」と挨拶してから帰った

 

ある程度体を動かしたがまだまだ余力がある

 

トレーニング量をもう少し増やしてみてもよさそうだが

一人でストレッチにも限界があるし両親にマッサージをしてもらうのもなんだが申し訳ない

 

山口接骨院はもうあるんだろうか?

ストレッチは十二分にやっているのでおそらく少々トレーニング量を増やした程度ではお世話になる事はないだろう

 

父さんとは帰りにボクシングと仕事の話をしながら一緒に帰宅した

 

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