「さて、では作戦を開始する」
僕の言葉に皆頷く。
メンバーは、秋津、結、草野、焔、松、そしてうずめの6名。
まあ、松さんは秘密部屋で情報操作を担当するため実働部隊ではないが。
「では皆さん、このインカムを装着するです。これで松を経由して他のメンバーに逐一情報を流すことができるです」
と、松さんはメンバー全員に松印のインカムを手渡した。
「ありがとう、松さん」
「いえいえ。でもみなたん、本当に気をつけてくださいです。確かにみなたんは普通の人間よりも丈夫で身体能力も高いですが、それでもセキレイとは雲泥の差です。しかも最悪四つ巴の戦いになるかもなのです。しっかりみんなに守られてるのですよ?」
「分かってるよ。心配してくれてありがとう、松さん」
「はいです!」
「……マスター、私は何をすればいい?」
秋津ちゃんが久しぶりに発言をした。
「そういえば、実働部隊のそれぞれの役割を説明してなかったね。まずNo.09がピンチ、もしくは捕縛された時に敵を攻撃するのは結ちゃんと秋津ちゃん」
「はいっ!」
「……了解」
「で、No.09が包囲網から脱した時に他の敵を足止めするのが、焔さんとうずめちゃん」
「分かった」
「任せて!」
「うん。それでくーちゃんは僕のボディガード。できる?」
「うん!」
ではでは、
「水のセキレイ捕獲作戦、開始!」
とは言ったものの、最初の内に僕ができることは結ちゃんに背負われて移動時間を短縮するくらいしかない。
……なんとなく虚しい気分。
「皆人さん、どうしたんですか?」
「いや、なんでもないよ」
「佐橋ちゃんは女の子に背負われてビミョーな気分になってるんだよねー」
ニヤニヤといやらしく嗤ううずめちゃん。
「うるさい、ヒラヒラのセキレイ」
「ヒラヒラじゃなくて
うずめちゃんも割と本気モードなので、私服ではなくて比礼を身体に巻いた状態だ。
ちなみに他の皆も戦闘用の服装をしている。
「佐橋、今気づいたのだが……」
と、焔さんが深刻そうな表情をして言った。
なんだろう。
作戦の問題点でも思いついたのかな?
「僕の身体がさっきの羽化で完全に女性体で安定した! これで佐橋とセックs」
『何を口走ろうとしてるですか! 篝たん!』
おお。
焔さんのトンデモ発言を止めたのは、意外にも松さんだった。
そうだよね、まだ子供のくーちゃんもいるんだし、そういう発言はダメだよね。
『みなたんの初めては松のものです!』
訂正、こっちも考えていることは同じだった。
「お兄ちゃんの初めてって、なに?」
純粋に疑問に思ったのだろう、くーちゃんが質問してきた。
くっ、そんなピュアな目で見ないでくれ。
「……マスター、敵発見」
「ッ! そうか。よし、みんな無駄話は後だ。戦闘に入るよ」
秋津ちゃんマジ天使!!
おかげで話の内容を有耶無耶にできた。
「役割はさっき説明した通り。イレギュラーが起こったら松さん経由で報告すること。随時僕が指示を出す」
僕の目でも戦闘をしているのが見えたところで結ちゃんには降ろしてもらって、僕とくーちゃん、秋津ちゃんと結ちゃん、焔さんとうずめちゃんのそれぞれで固まって並走することにした。
無論、僕とくーちゃんという鈍足組にスピードを合わせてだが。
僕らが近づいていくと向こうも気づいたのか、遠距離攻撃が来たが、月海との戦闘で疲弊しているのか勢いがなく、先頭にいる焔さんの炎と秋津ちゃんの氷で簡単に防げた。
「なんなんだ、お前達は!?」
おそらく御子上か氷峨の傘下の葦牙であろう男が叫んだが、そんなのは無視無視。
目指すは月海と敵のセキレイが戦っている激戦区。
さて、僕は月海の白馬の王子様になれるかな?