セキレイはありですか?   作:四季式

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第2話

 こんにちは、死神少女にサクッとやられた転生者です。

 あんなやり方だけど無事転生することができました。

 問題の転生先だが、なんと『セキレイ』の主人公『佐橋皆人』だった。

 死神少女も言っていたが、これは大当たりだ。

 

 これで男の夢、ハーレムができる。

 ハーレムですよ。

 酒池肉林ですよ。

 おっぱい天国ですよ。

 

 ………すまない、少し妄想が暴走した。

 そんなわけで原作開始までの19年間、佐橋皆人として生きてきました。

 

 あ、新東帝大学には現役で受かりましたよ。

 現在2年生です。

 原作皆人くんのような豆腐メンタルではないので、ハイスペックな頭脳を十全に発揮できました。

 

 閑話休題。

 

 さて、そろそろ時期的に原作開始なので、死神少女からもらった能力のひとつ『セキレイの感知』をあてにセキレイを探している。

 感知と言っても、こっちにいるような気がするくらいの微弱なものなのであまり期待はできないが。

 

 むっ、どうやらセキレイが近くにいるようだ。

 

 「結ちゃんだといいな」

 

 僕は感知を頼りに歩を進めた。

 

 

 

 

 

■■■■■■

 

 

 

 

 

「おかしいな、この辺だと思ったんだけとな」

 

 僕が今いる場所は、夜になるとガラの悪い人たちが集まりそうな『いかにも』な所である。

 

「原作ではこんな所で会ってないんだけどな」

 

 そう愚痴りながらも足は止めない。

 なぜだかこっちに行かなきゃいけない気がする。

 そして辿り着いた公園のような場所には、一人の女性がいた。

 その人はワイシャツの上に血のついた白衣を着て、ぼぅっとした様子で座っていた。

 その額には鳥を模したような模様が………って、もしかして。

 

「君、セキレイ?」

 

 確かこの子は廃棄ナンバーと呼ばれていた秋津ちゃん。

 

「……セキレイじゃない……壊れてる……失敗作のセキレイ」

 

「なら、僕と一緒に来ない? 今は無理だけど、いつか必ず君を羽化させてあげる」

 

 最後の能力『葦牙としての才能』が本能的に教えてくれる。

 

 秋津ちゃんを羽化させるには『まだ』足りない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 秋津ちゃんは僕を選んでくれたのか、はたまた誰でもよかったのか、手を引くと素直について来てくれた。

 

「僕は佐橋皆人。僕のことは、まあ好きに呼んでくれていいよ」

 

 僕の下宿先までの道すがら秋津ちゃんと話す。

 

「……じゃあ……マスター」

 

「喫茶店でも開いてそうな呼び方だけど、まあいいや。僕は秋津ちゃんって呼ぶからね」

 

「……マスター……マスターはどうして私を選んだの?」

 

「他の人には無理そうだけど、僕なら条件次第で秋津ちゃんを羽化させられるからってのもあるけど、一番の理由は僕が初めて出会ったセキレイだからさ」

 

 自分で探し当てた初めてのセキレイ。

 羽化はまださせてあげられないけど、それでも初めてのセキレイには変わりないから。

 

「秋津ちゃんこそ、どうして僕について来ようと思ったの?」

 

「……よく分からないけど……マスターが……温かかったから」

 

 それが繋いでいる手なのか、それとも他の何かなのかは秋津ちゃんにしか分からないけど、彼女が僕を選んでくれて良かったと思った。

 

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