「着いたよ。ここが僕の下宿先の
秋津ちゃんの手を引っ張り到着したのは、
「ただいま帰りましたー」
玄関を開けて帰宅を告げると、奥からトタトタと足音が聞こえてきた。
「お帰りなさい佐橋さ……ん」
笑顔で出迎えてくれた美哉さんだったが、秋津ちゃんを見るとその笑顔が固まった。
「佐橋さん、その方は?」
「セキレイですよ。廃棄ナンバーですけど」
「………」
「………」
「………はあ、
「もとより承知の上ですよ」
「そうですか、なら私が言うことはありませんね。それで、その方のお名前は?」
「秋津ちゃんっていいます。それで申し訳ないんですけど、美哉さんの服を貸してほしいんですがお願いできますか」
今の秋津ちゃんの格好は裸ワイシャツに白衣なんていう奇抜なものだからね。
「着物で良ければお貸ししますよ」
「ええ、お願いします」
「では秋津さん、こちらへ」
秋津ちゃんは美哉さんに連れられて行った。
「とりあえず、部屋で待ってるか」
僕は2階にある部屋に向かった。
「佐橋ちゃん佐橋ちゃん」
階段を登り切ると、僕の隣の部屋からうずめちゃんが覗いていた。
「朝早くから出掛けたと思ったら女の子を連れて帰ってくるなんてどうしちゃったの? プレイボーイに目覚めちゃった?」
「違うよ。彼女、セキレイなんだ」
「おお、これで佐橋ちゃんも葦牙の仲間入りってことだね」
「いや、まだそういうわけじゃないんだ」
「なに、まだチューもしてないの? へたれめ」
「違うよ、彼女はい秋津ちゃんは廃棄ナンバーなんだ。だから今の僕では羽化はまだできないんだ」
「へえ、なるほどね。でもその言い方だといつかは羽化できるみたいだね。ほんとにできるの?」
「できるよ、というかしてみせる。そのためには他のセキレイを羽化させる必要があるけど」
「ほほう、つまり佐橋ちゃんはハーレム希望ということだね。いやん、私も狙われちゃう」
「うずめちゃんはもう羽化してるでしょう……」
と、うずめちゃんと談笑している内に着替えが済んだのか、階段を登ってくる気配がある。
「美哉さん、秋津ちゃんの着替え終わりましたか?」
「ええ、とっても可愛くなりましたよ♪」
美哉さんに次いで階段を登ってきた秋津ちゃんは白を基調とした着物を着ており、なんというか、めっちゃ色っぽくて綺麗だった。
「……マスター……似合う?」
「うん、とっても似合ってるよ。さて、着替えも済んだことだし出掛けるか」
「あら、またどこかへ出掛けられるんですか?」
「ええ、またセキレイを探しに」