というわけで、着物に着替えた秋津ちゃんを連れて再びセキレイ探しに出発しました。
そういえば原作では結ちゃんはビリビリ姉妹から屋根を伝って逃げてたなと思い出したため、現在僕らは建物の屋根から屋根へと飛び移って探している。
秋津ちゃんはセキレイだから余裕でこなせるし、僕も特典のひとつ『身体能力向上』の恩恵でなんとかついて行けている。
にしても意外といないもんだねセキレイって。
「さすがに新東帝都は広いな」
「……マスター……あれ」
ん? と秋津ちゃんが指差す方向を見ると、紫電が走っているのが見えた。
どうやらあそこで誰かが
ということで、
「行ってみますか」
「……了解」
今度こそ結ちゃんだといいな。
「私はまだ闘いません!」
「はっ! それじゃあ葦牙を見つける前に島へ戻してやるよ!」
雷が見えた所まで行くと、予想通り羽化前のセキレイが光&響に襲われていた。
そのセキレイはミニスカの巫女服のような服装で、髪を後ろでひとつにまとめている。
つまり結ちゃんでした。
「秋津ちゃん、あの2人の相手できる?」
「……それがマスターの望みなら」
「じゃあ頼むよ。適当なところで合流しよう」
そう言うと僕は結ちゃんの方へと向かった。
「あー、そこの拳系のセキレイさん」
「はい? なんでしょう?」
「あの2人は彼女が足止めするからさっさとここから逃げましょう」
「え? でも」
「大丈夫。彼女、秋津ちゃんは強いから。それよりも何よりも、君が優先しなきゃいけないのは君の葦牙を見つけることだろう?」
「……分かりました。ここはあの方に任せます。でもどこへ逃げれば」
「それならいいところがあるよ。着いてきて」
「はい!」
ということで結ちゃんの拉致に成功しました。
こうも素直だと誰かに騙されないが心配になってくるね。
え? 僕は騙してないよ。
ただ誘導してるだけ。
嘘もついてないしね。
そんなわけで結ちゃんを連れて出雲荘に向かうことにした。
出雲荘に向かう途中に秋津ちゃんとも合流し、道すがら互いに自己紹介をした。
「僕は佐橋皆人。大学生と、一応葦牙をやってるよ」
「……秋津……マスターのセキレイ」
「私は結と申します。先ほどは助けてくださりありがとうございました」
「いやいや、礼には及ばないよ。それよりも怪我とかしてない? 結構攻撃されてたみたいだけど」
「はい! 大丈夫でした! 私より秋津さんは大丈夫でしたか?」
「……問題ない」
さすがは戦闘系のセキレイ、2人とも無傷のようだ。
そんなこんなで話しているうちに出雲荘に到着した。
「ただいま帰りましたー」
「お邪魔します」
今回は美哉さんの返事がない。
買い物にでも行ってるのかな。
「まあいいや、上がって上がって。僕の部屋2階にあるから」
「はい!」
階段を登って、僕の部屋である202号室に入る。
入る前に隣のうずめちゃんが「お盛んですな」とでも言いたげなニヤニヤ笑いをしてきたが無視してやった。
壁越しに「無視はひどいんじゃないかな佐橋ちゃん!」などと聞こえたがきっと幻聴だろう。
「改めまして、危ないところを助けていただきありがとうございました」
深々と礼をして謝辞を述べる結ちゃん。
「僕はたいしたことはしてないよ。お礼なら秋津ちゃんに言ってあげて」
「皆人さんってお優しいんですね。……私の葦牙様が皆人さんみたいな方だったら良いのになあ……」
そう言いながら結ちゃんはこちらに擦り寄ってくる。
「結ちゃん?」
「私…っ、どうしよう皆人さん、どんどん身体が熱くなって……」
結ちゃんの息は荒く、頬は赤くなっている。
なるほど、葦牙に反応しているセキレイはこうなるのか。
……発情しているようにしか見えないけど。
「大丈夫、葦牙に反応しているだけだから」
「皆人さんが、私の、葦牙様?」
「そうだよ。だから──」
ちゅっ
「──こうすればいい」
結ちゃんのうなじに鶺鴒紋が浮かび上がり、光の翼が広がる。
これが、羽化。
綺麗なもんだねえ。
「見つけた、私の葦牙様!」
と言って僕に飛びついてくる結ちゃん。
プルルルル、プルルルル。
携帯が鳴る。
このタイミングならおそらく相手は
『パンパカパーン。おめでとう! 君は見事そのセキレイのパートナーに選ばれた』
「こんにちは、M・B・I社長の
『おや、私のことを知っているか。さすがは現役大学生クンだね。それでは
ガチャン。
「あの、説明が不要ってどういうことなんですか?」
結ちゃんが首を傾げる。
「それについては後々話すよ。それよりもお腹空かない? とりあえずお昼にしようよ」
「そうですね、私もお腹が空きました。あ、皆人さん」
「ん? なに?」
「幾久しく」