セキレイはありですか?   作:四季式

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第6話

 まず初めに言っておこう。

 僕の妹、佐橋ユカリは僕と同じく転生者である。

 

 しかし、ユカリと僕には決定的な違いがあった。

 原作知識の有無である。

 

 僕は前世ではセキレイの最新巻まで読んでいて、大まかな流れや登場人物について知っているが、ユカリはそうではない。

 全くセキレイについて知らずに転生したのだ。

 

 そんな彼女が転生者ではないかと疑いだしたきっかけは、僕の呼び方が『お兄ちゃん』ではなく『兄さん』だったことだ。

 初めは僕の存在によるちょっとしたバタフライエフェクトだと思った。

 兄の中身が違えば妹の呼び方くらい変わるだろう、と。

 

 しかし、ユカリの性格は原作とはかけ離れていた。

 原作ユカリが活発で強気な女の子だったのに対して、このユカリは冷静沈着であまり感情を表に出さない子だった。

 僕が小学生になったくらいの時にはその違いは歴然になっていて、流石にこれはおかしいといろいろ考えた結果が『僕と同じく転生者なのではないか』というものだった。

 それを確かめるべくユカリに「ユカリって転生者?」と聞くと目を見開いて驚いていた。

 

 2人でいろいろ話した結果、ユカリもあの死神少女に会っていたり、特典をもらっていたりしたことが分かった。

 それからのユカリは唯一前世のことを気がねなく話せる僕にだけはよく懐くようになり、というか懐きすぎるくらいにデレた。

 具体的には、中学生になっても一緒に風呂に入ろうとしてきたり(小学生までは一緒に入ってた)、布団に潜り込んできたり、一緒に出かけると腕を組んできたり、童貞を狙われたりといろいろあった。

 

……最後のはマジでシャレにならない。

 

 

 

 

 

 そんなわけで、その妹がやって来る。

 

 

 

 

 

■■■■■■

 

 

 

 

 

「というわけで妹が来ている間、みんなにはここから離れていて欲しいんだ」

 

 現在僕の部屋には秋津ちゃん、結ちゃん、焔さんが集まっている。

 

「しかし佐橋、別にここから離れなくても別の店子ということで紹介するなりすれば良いことじゃないか? 現に僕は別の部屋に住んでるし」

 

「えーと、その妹さんのことはよく分かりませんが、そんなに警戒しなくても大丈夫なんじゃありませんか?」

 

「甘いよ2人とも。あいつは僕のことになると性格が変わるというか、行動が大胆になるんだ」

 

 以前学校の女友達を家に呼んだら(男女混合で複数)「兄さんに近づかないでください、この雌豚ども」とか言ってその場を凍らせたことがあった。

 

 その話をしたら秋津ちゃんが、

 

「……それなら……問題ない。……私は既にマスターの雌奴隷」

 

 などと大胆発言しやがった。

 

「さ、佐橋が望むなら、僕だって!」

 

「じゃあ結もめすどれい? になりまーす」

 

 なんだか部屋がカオスになってきた。

 

 

 

 

 ピロリン

 

 

 

 

 あ、メールだ。

 ケータイを開けて確認する。

 差出人はまたユカリからだ。

 えーとなになに『近々とは言っても、もう目の前に来てるんだけどね(笑)』か。

 

 ………ん?

 

 

 

 

 ピンポーン、と出雲荘のチャイムが鳴った。

 

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