Gunslinger〜復讐の銃〜 作:ライト@顎割れガンマン
オリジナル小説です!
楽しんでいただければ幸いです。
ーーgun of's Avengeーー
ガン・オブズ・アベンジ
第1話.復讐者
そこは静寂そのものとでもゆうように、
木々の発する摩擦音すら聞こえない...。
...いや、流石に少しばかり盛った、
草や葉の擦れる音が微かだが聞こえる。
こんなご時世だ。
真夜中の森の中にそれ以外の音など
あるはずが無いのだ。
まるで木々の葉から、
直に闇でも吐いているかの如き暗さ。
漂う霧も相まり、その森での視界は
まさに漆黒と言うに相応しかった。
このような森に人は決して立ち入ったりはしないーーーー。
ーーーーー筈だった。
静寂佇む森の中に、1人...
たった1つのうごめく影があった。
頭にはカーボゥイハットを深く被り、
肩には、ズタボロのポンチョを身に付け..
...見るからに年期の入った、ジャケットにジーンズ、ブーツ。
腰には右腰と左前に1丁ずつリボルバーを挿し..
葉巻の煙を振り撒き、鼻歌を奏でる1人の男
その男は、草花を踏み潰し
ズカズカと密林を突き進む
その目に迷いなどなく。
ただ、
ひたすらに森の中で歩みを進めていた。
木々はただ佇み、
隙間の暗黒からは
だが、木々の間の暗黒から一つ
こちらを突き刺さすような
鋭い視線を男は感じていた。
男は、
2丁の銃があるうちの1丁へと手を近づけた。
暗雲のなかから草木をかき分け、
風を切るような音を立て何かが近づいて来る。
ーーーーザザザザッ!!
近づくソレは、確実にこちらに来ている。
と、銃のグリップに指先が触れるか触れないかという所で...
『見えた。』
視線を向けていたと思われる人物が男へと
物凄い速さで草むらを突き抜けるように
向かってきた。
いや!向かって来たなどと言える速さでは無かった!
明らかに人の出せるような走力ではない!
ーーだが男は『ソレ』を知っている
それも憎い程に。ーー
「...ようやくだなぁ!吸血鬼ァ《ヴァンパイア》!!」
と男は葉巻を吐き捨てると同時に、
取り出した一丁のマグナムリボルバーを
飛び出してきた「吸血鬼」へと発砲し始めた。
ーー『ドゴォン!』と
胸を貫くような爆音を吹き鳴らし、
男は、物凄い速さで弾丸を撃ち出していく。
いくつもの弾丸をぶち込まれた肉体からは
グチャグチャと血肉を撒き散らすも、
吸血鬼は止まることは無かった。
「ブァガがァ!!
そんなモンで天下の吸血鬼様が殺せるかよ!
人間風情が俺の巣《なわばり》に入って来たのが運の尽きだったなァァ!」
吸血鬼が手の爪を立て、
男へ突きを放つ。
男の肉体と
吸血鬼の爪が接触しそうになった時...
男は右手の銃で突きを受け、逸らす。
そして、ポンチョの裏から
薄灰色の棒のような物を取り出し、
吸血鬼の心臓部へと突き刺したのだ。
男は、不敵な笑みを浮かべながら
「そんじゃ、こいつなら...
殺せるか?」
と言った。
「な...なっ!?」
吸血鬼は少し驚いた後、
「ったく...
悪足掻きしやがってよォ人間風情がァ!」
そう男に言葉をぶつけた。
だが、男は余裕ある表情で、
「フッ、足掻かなきゃなきゃなんねぇのはテメェの方さ..吸血鬼..胸をよーく見てみろよ」
吸血鬼は、
視線を下ろし刺さったものを見る。
かすかに煙が出ていた。
「ぐがァ!!...っテメェェェ!!銀を!!」
「どうした...?抜かねぇのか。」
男はほくそ笑みながら吸血鬼に投げかける。
「...ッツ。」
...男が胸に刺したのは、
銀の杭だった。
吸血鬼にとって銀とは、
弱点であり。耐性の無い吸血鬼達
ましてや始祖や神祖でもない、
吸血鬼には触れるだけで命の危険をもたらすレベルの物だった。
「銀じゃ..抜けねぇよなァ!
...オラよぉ!!」
男は吸血鬼を突き飛ばし
胸に刺さった杭を思い切り蹴り込み
より深くに差し込む。
ーーグシャリと心臓部近くを貫かれ
力が入らなくなったのか、
その場にグタリとへたり込む吸血鬼...。
「...テ...テメェ...何モンなんだ...
最初だって...俺は気配を殺してたんだゼ?
...そ..それに吸血鬼の攻撃に反応するなんざ...」
ーードォンッ!!
「がァァ!!」
男は吸血鬼の脚を潰したのだ。
そして風穴の空いたソコに拾った太枝を差し
逃げられない様にした。
「て..てめぇ、何者だ...?何て名だ...?
何の為に俺を..?」
吸血鬼が何と問いかけても、
男は鼻歌を歌いながら腰のポーチから
弾を取り出している。
「...お..おい、聞いてんのか?」
吸血鬼は不安そうに問う。
男は銃に銀色の弾を詰めながら口を開いた。
「なんだ?吸血鬼。」
冷淡な口調にどう思ったのか。
激昂し、
「オメェが何者か聞いてんだよぉぉぉ!!」
ーーハァ...
とため息を付くと、
弾詰めを終えたのか銃をひと回転させ
銃を吸血鬼の額へと向ける。
「ハッ、何者か知りたきゃ自分から言えよ。」
と額でコツコツと銃を鳴らしながら
吸血鬼に吐き捨てる。
「オレはデイ!デイ・テイラーだ!
はぐれ者だ!ここを縄張りにしている!
アンタら何者なんだ!」
吸血鬼は名乗った。
「ほーう、それで..?デイ。
...あ、俺が何者か...だったか?」
男は、吸血鬼の額から銃を離し吸血鬼から
離れていく。
「そ、、そうだ!」
吸血鬼は首を縦に振った。
そして
男は立ち止まった。
ーーその後の出来事はまさに一瞬だった。
男は、振り返りざまに吸血鬼の
両目、両耳、両肩を撃ち抜いた。
銀弾で撃ち抜かれた傷は、
吸血鬼でもそう簡単に癒えることはない。
いや、吸血鬼だからこそ...だ。
男の、足元には濃霧のおかげか、
湿った地面のおかげか、
すっかり火の気が消えた葉巻があった。
「...ァア゛ァァァア...
どうして...どうして、こ゛んなァ...」
男は葉巻を拾いながら言った。
「悪いな。
お前に直に恨みがあるってんじゃねぇ。
吸血鬼...そう。
お前の種族そのものに恨みがあんのさ。
これがお前を殺す理由だ。
そして、
なんの為にお前を殺すか..だったか?」
男は一旦の間を置き。
「...たまたま私怨を持った俺が、
たまたまその対象が居るという情報を得て、
対象がたまたまお前がだったってだけさ。
ーー悪いな。」
ーーー男は、最後にそう言い残し。
森の暗がりへと消えて行ったのだった。ーー
ーーーその男の名は、、。
如何でしたでしょうか。
現実よりのダークファンタジーだと思っていただいて大丈夫でござる。
のんびりと投稿いたします。