「以上。というわけで、装備の最終調整に入ってくれ」
全員「了解」
解散を促すと、それぞれが機体の調整に入り出す。コックピットから色々できるようになってるあたり、本当に時代は進んだと思う。
今回はハイパー・バズーカを持つため、機動力には相手によっては致命的な隙になりうる。勿論、新型を警戒はしているが、基本的にはザクが敵であることを前提に入れなくては勝てる戦いではないのは明瞭だ。
そんなことをちらほら考えていると、弾薬の補充完了を示す、予備弾薬カートリッジのランプが緑色に光る。100mmマシンガンに弾薬を装填し、機体の上体を軽く動かす。駆動には違和感がなく、むしろかなり軽い。
「行こうか?」
全員「いつでも」
全員から返事を受け、深く息を吸い、軽く吐く。そしていつもの出撃指示を出す
「第37機械化混成部隊、出撃。戦闘に備えよ!」
全員「了解!」
計5機のMSが立ちあがり、そのまま前進し始める。端から見れば、迫力ある映画のようだろうが、こっちは足の位置を間違えないよう意外と必死だったりする。味方を踏んづけて転んだは笑えないものだ
「そうだ、ユウキ、そのパワード・ジム、先行試作型だから壊すなよ?」
ユウキ「たいちょー、ボクへの信頼が薄いなぁ、もう」
「生憎、品薄状態だ」
ユウキ「けちな品揃えだなぁ」
ユウキがぶーぶー愚痴っているが、パワード・ジムは、上や、重装備による高い制圧火力を要するような部隊から、高い期待の元に開発されている。しかしながら、この短期間でここまで広い適正能力を見せたジムシリーズには開いた口が塞がらない。
それでも、ある程度のカスタム化をしなくてはならないのは、少数配備や、計画頓挫に繋がってしまうだろう。ジオンのザクを見る限り、様々な環境において、カスタム化をシンプルに済ませられている、という現実を見ると、やはり、ジオンを上手に感じる。
つまり、おかしくないのは、デザートタイプや、高機動型、さらには、こういう地域専用の新型、このオデッサでいない方がおかしいのではないか?
アレック「小僧、来るぞ。読みが当たったな。例の新型だ」
「了解。ライダー3、報告、感謝する。各自警戒」
ここで戦力と情報を失うわけにはいかない以上、構えを取る。
その機体は、濃い青色、見たところ、火器は持ち合わせていない、機動力を確保するためと思われる、最低限の防御効果のみに絞られたシールド、近接を主とするためだろう。ビーム・サーベルとも、ジオンのヒートホークとも違う、言うなれば鉄剣だろうか。だが、この機体はルーキーなんかに扱えるものではないだろう。
標準ラインで火器に頼らずとも戦える証拠というのが、気迫だった。あからさまにヤバイ雰囲気がする。だが、気になるのは、左手の指、太い。
理解しがたい。この一言で十分に言い表せる。そして、青色、噂に聞く、あのラルだろうか?地上にいるとは聞いていないが
だが、そうとしか思えないプレッシャー、会ったこともない男のプレッシャーを、俺はこの時に見た。はっきりとした、幻想として
ちなみにパワード・ジムはもう少し後の時系列に地上で少数配備がなされているため、外伝、ブルーディスティニーのような運用試験部隊、モルモット隊のような立場を第37機械化混成部隊のイメージにしてくれると良いかも