五人の団長と花騎士たち   作:夜刀ノ神

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遅くなって申し訳ないです


序章 3、ロリ団長

グリドの白き森淵

 

ザクザク、ザクザク

 

静かな森に積り積った雪を踏みしめ固めながら前にすすむ小柄な少女がいる

 

時折手に持ったコンパスを確認しまた進んでいく

 

「此処に来るのもひさしぶりじゃのう」

 

その少女、シロタエギクは周りを見渡しつぶやく

 

「といっても、一度来たことがあるだけでほとんど覚えてないんじゃがな」

 

たれと話すでもなく孤独を紛らわすようにつぶやく

 

「まったく、ベルガモットの王女様も無茶を言う」

 

シロタエギクはなぜ自分がこんな辺境の土地までやって来ることになったか想い出していた

 

 

 

とある日 ベルガモットバレー シュウメイギクの自室

 

「さて、第何回かはもう忘れてしまったが、年長会始めるとするかえ」

 

「いえ~い・・・眠い」

シュウメイギクの開始の挨拶に変な盛り上げを見せる少女はヒノキだ

 

「いつも思うんじゃがこの会開く意味あるのか謎なんじゃが」

 

「わらわもそう思わんこともない。が、こう似た者同士仲良くしようではないかえ」

 

「お休み~~」

 

「ああ、結局わっちと王女様で話すことになるんじゃな・・・

そう言えば、もう一人いなかったか?、まだ見たことはなかったが確かもう一人いるんじゃよな?」

 

「ああ、『荒野の魔女』のことかえ?」

 

「そうじゃ、そうじゃ確か魔女様もわっち達と似たようなものじゃろ?」

 

「何度も誘ってはみておるが、多分来ることはないんじゃないと思うぞえ」

 

「そうか、一人でも話し相手が増えればさらに話がはずむと思ったんじゃがな、ままならないか」

 

「そうじゃ、今日は頼みがある」

 

「なんじゃ、藪から棒に」

 

「シロタエギクは、総合騎士団の話を知っておるか?」

 

「総合騎士団・・・ああ、聞いたことあるんじゃ」

 

「そうか、それならば話が早い、そなたにはあの人を起こしに行ってもらいたいのだ」

 

「あの人じゃと?、まさかあの人か?」

 

「そなたの師匠のさらに師匠、彼人は今回の件にぴったりなのだ、行ってくれるな?」

 

「仕方ない、王女様の頼みじゃ迎えに行くするかの」

 

「そうか、行ってくれるか、助かるかの人が団長としてついてくれればかなりの戦力になるよろしく頼むぞ」

 

 

 

 

 

「はあ、ああわ言ったものの、辿りつくのにこんなに時間がかかろうとは・・・」

 

そんなことを一人つぶやきながら、意味ないだろうとは思いつつも

もらった地図を確認する

 

「うぬむ、周りが白すぎてやはり地図も役に立たぬか・・・」

 

思ったとうり役には立たなそうだ

 

 

しばらく意味もなさそうな地図とにらめっこしつつ進んでいたシロタエギク、

幸い羅針盤があるので帰る方向に困ることはないが、そのまま手ぶらで帰るわけにはいかない

 

「せいっ!」

 

こんな雪の中でも元気に活動している害虫を討伐しながら、進んでいく

 

そしていまシロタエギクの目の前を大量の害虫が行進していた

 

「むぅ、流石にわっちでもこの数の害虫を一人で相手にすると無事に帰れる自信がないのじゃ」

 

身体は小さくても流石は歳を食っているだけはある、むやみと敵に突っ込んだりせず、

引くのも大事だということを知っている

 

「?あの害虫達、不自然にあそこだけ避けておるな、そう言えばシュウメイギク殿が言っておったな」

 

旅立つ際に言われた言葉をシロタエギクは思い出す

 

『例の場所には、閉ざされた屋敷の姫が結界を張ったと聞く審議は定かではないが、

おおよそ間違いはないであろう、近づくものを返す結界だ注意すればすぐ気づくであろう

では、頑張ってな』

 

「もしやあれは、結界の効果なのかのぅ、確かめてみるしかあるまい」

 

思い立ったが吉日、すぐに実行とはいかないが、回り道をして害虫が避けていた道に入り先に進んでいく

 

「うむ、やはり先に行くほど返そうとする力が強くなっているのぅ、幸いわっちは魔力も多いからまだ

耐えられるようじゃ」

 

その道を進んでいくと、やがて絶壁の中に作られたような白亜の神殿が姿を現す

 

「ほぅ、これは美しいのぅ純白の雪化粧に白亜の神殿かこれがもっと都に近かったらのぅ」

 

栓のないことを言いつつも白亜の神殿に入っていく

 

入って目に飛び込んできたのはシロタエギクと同じくらいはある、水晶でできた蕾だった

不思議と透き通っているのに中が見えない

 

「これはまた、見事な水晶じゃなぁ」

 

何気なくシロタエギクは水晶の蕾に手を触れてしまう

 

「な、なんじゃ一対突然光始めたぞ、魔力が少し吸い取られた気もするんじゃ、どうなっておる」

 

シロタエギクは警戒し距離を取る、すると待っていたかのように蕾がゆっくりと回りだす

 

しばらく警戒しつつ見守っていると回転が遅くなり始め同時に花びらが開き始める

 

「さて、蛇が出るか鬼が出るか」

 

微妙に違う気がするが置いておこう

 

開き切った花びらの中心にいたのは少女だった

 

「ふあああ、よく寝た」

 

花びらから起きた少女にシロタエギクは恐る恐る話しかける

 

「あなたが、桜ノ宮 舞(さくらのみや まい)桜ノ宮 舞殿であっているかのぅ?」

 

「そうよ、私が桜の宮 舞よ舞ちゃんて読んでね

 

 

これが舞とシロタエギクとの出会いだった


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