空の碧は全てを呑みこみ、それでも運命の歯車は止まらない 作:白山羊クーエン
シャドーアポクリフは時属性の上位攻撃魔法だ。
時の力を凝縮した魔剣を対象に突き刺しその生命力を奪う。正確には、対象の過ごした年月を削り取ることで現在を改変する攻撃魔法である。
時の力は万物に共通して放たれる。それは当然のことであり共通認識だ。しかし上位属性の気配を漂わせるこの月の僧院では、その常識こそが通用しないのである。
ただ彼らにとって僥倖だったのは、眼前で貫かれた悪魔は時に対しての常識は持ち合わせていたということである。
「っはぁ、はぁ……」
エリィが肩で息をしながら成果を確認する。
精製された時の剣は確かにアークデーモンを貫きその行動を停止させた。それまでの連携により両腕も切断し、結果的に斬殺したような格好になっている。
「…………」
悪魔のエネルギーを根こそぎ奪い去った魔剣が消え去り、それを契機としてアークデーモンの身体が沈む。完全に沈黙した悪魔を数秒間見つめ、
「ふぅ」
そしてようやっと体勢を改めたロイドは肺に溜まった空気を吐き仲間を振り返った。
「皆、無事か?」
「なんとか……アーツの詠唱も最小で済みましたし」
「偶然だが、もろには一発も喰らってねぇからな。後方には攻撃も通ってない」
出現した時に感じた恐怖がいい方向に向かったのか、危機感を持って臨んだ一戦は思いのほか被害もなく終わった。安堵を抱くロイドは気になった点を思い出し口を開く。
「曹長、君のSクラフトはもしかして種類があるのか?」
「はい、いかんせん武装に種類がありますから」
水を向けられたノエルが答える。
彼女のSクラフト『ブラストストーム』はその時々彼女が持つ武器によって数種類のバリエーションがある。メインであるサブマシンガンと動きを封じるための電磁ネット弾は一緒だが、その後の最後の一撃が異なるのだ。
今回は高威力のミサイルポッドを携帯していなかったためスタンハルバードを、それも遠距離型の攻撃に修正して行った。βは遠距離用なのである。
「でもまさか聖典に出てくるような悪魔が現れるなんて、上位属性の気配といい本当にここは普通じゃないようね。原因は、やっぱり鐘なのかしら?」
「でも星見の塔では鐘は鳴っていませんでしたよ。静かに朽ちていました」
鐘楼に向かい確認したティオが言うのだから星見の塔に関しては鐘と関連はないのだろう。それはそれで、では原因は何か、という話になるのだが現在は月の僧院に関して掘り下げる必要がある。
「でも鐘の音が響いたと思ったら出てきましたし、人の手に容易に触れられない鐘が鳴っているんです。鐘が直接の原因ではないにしても調べれば何かわかるかもしれません」
ノエルの言葉は結局先に進むことが一番だということだ。それは全く以って正しかったので五人は歩き始める。
アークデーモンの亡骸を避け階段へと向かい――
「え」
その異常に凍りついた。
「ロイド?」
エリィが首を傾げる中ロイドは振り返り悪魔の残骸を見る。そこで遅れてエリィがそれに気づいた。
「どうして……」
「まずい――っ!」
ロイドがトンファーを握り構える。その瞬間、空の光が空間を包み込み閃光を為す。その眩さに眼が眩んだ五人は、
「ぐぅう――ッ!」
ロイドの苦悶の声と壁に叩きつけられる音で状況を理解した。
「ちぃ……!」
ランディが加速、閃光の先に飛び込みハルバードを振り下ろす。それが伝える覚えのある硬い感触に顔を顰め、すぐに自身に向かってくる凶刃を咄嗟に下に回避。
「ガァ――ッ!?」
しかしすぐに迫った尾の一撃に吹き飛ばされた。
なんとかハルバードを間に挟み串刺しになることをは避けられたが踏ん張りの効いていない状態だったのでそのまま弾かれる。ビリビリと両手を衝撃が襲う中壁の寸前で一回転してなんとか着地する。
そして、やっと視界が復帰した。
「く、マジか……っ」
ランディが睨む先には現れたときと全く同じ状態のアークデーモン。焼き払ったはずの腕も再生しておりダメージは微塵も感じられない。
「ロイドさんっ!」
ティオが駆け寄りアーツを詠唱し始める。ロイドの胸には三本の深い裂傷があり、夥しい血が服を濡らしていた。
「待ってティオちゃん!」
エリィがティオのアーツの前に薬瓶を取り出し内心でロイドに謝罪、一気に傷に振り掛ける。
「づぅぅぅうううっ!?」
焼けるような音と共にロイドが声を上げる。その痛みで覚醒したのか薄っすらと目を開けた。エリィはその様子を確認した後踵を返して悪魔へと向かう。
そこでティオの詠唱が終了、ティアラの光が傷を塞いでいった。
「大丈夫ですかっ!?」
「なんとか……ありがとうティオ」
倦怠感に苛まれながらも立ち上がる。まだ脅威は去っていないのだ。
「すみません、解毒が先でした」
「大丈夫だ。それよりティオ、EPは平気か?」
頷く少女を確認後、まだ残る損傷に顔をしかめながらロイドは走り出す。眼前ではランディとノエルが接近してアークデーモンを撹乱、エリィが詠唱に入っていた。
ロイドはエニグマを起動、スタンブレイクで一気に加速しアークデーモンの左腕を止めに入った。紫電が走る中、一瞬動きが止まった悪魔に対しランディとノエルがスタンハルバードを振り上げ同時に頭部を打ち据える。
導力によって高められた衝撃はかなりの威力を誇るがそれでも悪魔は揺るがない。ただ攻撃を受けた後は攻勢に出るのが遅れるので足止めにはなっているようだ。
ロイドはその隙を狙って跳び退り攻撃範囲を逃れ、入れ替わるようにエリィのソウルブラーが襲い掛かった。しかし彼女の表情は硬い。
「く、この程度じゃ……っ」
エリィが歯噛みするのは下位魔法ではアークデーモンに影響を及ぼせないからだが、シャドーアポクリフによって激減した彼女のEPでは上級魔法が使えない。精神力も疲弊している中、既に彼女の選択肢は支援一択になっていた。
「エリィ、下がれ! ティオ!」
既に彼女を攻勢戦力として計算することは厳しい、万一のための回復要員として残してティオにアーツを任せる。
アークデーモンが攻撃を開始する。ランディとノエルに対しその右腕を振り上げるとともに反転、尾を振り回した。
フェイクを織り交ぜる知能に驚く間もなく尾の一撃をランディは受け止め、止まったそれを飛び越えてノエルはエニグマを駆動、へヴィスマッシュを眼球目掛けて振るう。それを頭を傾け角で受け止めたアークデーモンは咆哮、そのまま角を伸ばしノエルを襲う。
「うあ……ッ!」
反撃とばかりに眼を目掛けて向かってくる角を首を捻って回避、しかし頬を切り裂かれ帽子が飛ぶ。吹き出た血が宙を舞い悪魔の顔に降りかかった。
「ああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
ランディが再びのウォークライ、尾を跳ね除ける。
それでも二度目のそれは負担なのか口端から血が零れた。その甲斐あって赤紫に包まれた彼のCPはフルスロットル、最大の一撃をくり出せる。
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
しかしそんな隙をアークデーモンは作らない。逆にウォークライの隙を突いて振り上げたままの右腕を解放する。それはランディの脳天向かって迫るも彼は瞬時に回避、左肩を砕く結果になる。
激痛に対し表情を変えないランディは一回転、炎熱の一撃でなぎ払う。
「クリムゾンゲイル!」
それは自身の肩に刺さった右腕を切り飛ばし、胴体の半ばまでを抉り取る。アークデーモンは絶叫、しかし再び空の光が浮き上がり煙を上げて傷が修復されていく。
「くそ、限がねぇ……ッ」
改めて肩口を押さえたランディが呻く。たちどころに傷が治ってはジリ貧だ、直に体力が尽きた五人が倒れ伏すだろう。
しかしそんな未来を許せるはずもないロイド・バニングスは、空の光が立ち込める瞬間を見て一つの仮説を立てた。
「曹長、エリィ、ティオ。どう見る」
ロイドが三人に尋ねた。それは接近する自身やランディより視界が広いためにわかることがあるからだと知っているからである。尋ねられた三人は未だ咆哮を続ける悪魔を視界に収めながら口を開いた。
「――多分同じことを思っていると思うわ」
「そうですね、おそらく間違いないかと」
「霊圧は絶えず向上しています、おそらく――」
ロイドは頷いた。
「ああ、あの悪魔は簡単にあそこを動かない。光は足元から流れてきた。つまり――」
アークデーモンは床に描かれた目の文様から力を得ている。そしてそれが原因か、あの場から離れることはそうそうしない。
それはつまり、悪魔にとってあの絵図がどれだけ重要であるのかを証明する事実だ。
「でもロイドさん、きっとあの絵――いや召喚陣ですか、きっとただ壊しただけじゃ効力までは奪えません。聖典の悪魔のように、その存在を否定する攻撃でないと」
「教会の法術が使えれば……」
物理的に破壊するだけではあの悪魔は止まらない。あの召喚陣もなくならない。
「それでも今俺たちにそんな手はない。可能性がないわけじゃないんだ、とにかくあの眼を破壊する」
超回復を続けるアークデーモンを倒しきるのは難しい。かといってあの悪魔が完全に移動不可能だというわけでもない。彼らに残された望みは、その超回復の源を破壊することだけである。
「ギアアアアアアアアアアアアアッ!」
アークデーモンが絶叫した。回復はしても痛みはあるのか、それとも復元そのものに痛みが伴うのか、いずれにしても更に理性を失った瞳で五人を見つめる。
幻想上の生物、その逆鱗に触れたことによる緊張は極限に達し、彼らの精神を鋸のように削り切っていく。
「――ッ」
それでも、歩みを止めることはしない。
エリィがアーツを唱える中ティオが行動を開始しロイドとランディ、そしてノエルまでもが走りアークデーモンに迫る。目的は悪魔の足元を砕くこと、そのためには何とかして悪魔を引き摺り出さなくてはならない。
「っは……」
ランディが吐息と共に血を零し速度を落とした。それを見ていてなおロイドもノエルも言葉はかけない。
彼を追い抜いた二人は目で会話しノエルが跳躍、空中でエニグマを駆動した。それを見上げたアークデーモンは頭部の角を向け刺突をくり出す。空中で詠唱を開始したノエルに避ける術はない、故にロイドがその進行する角を両のトンファーで真横から迎撃、軌道を逸らす。
身体の中心を狙った角は彼女の右側を通過し、重力に誘われたノエルは地上に辿り着く前にアーツを解き放つ。
「ストーンスパイク!」
大地から石の槍をくり出す地属性下級魔法、しかし地面から生まれるそれは誕生と共に空の瞳を破壊する。
はずが――
「ちっ!」
ストーンスパイクは悪魔の足元からではなく右に逸れたあらぬ場所で発動しオブジェを造り出した。二人は同時に舌打ちし、ロイドは振り上げられた右腕を睥睨して後方に跳躍、すんでで回避する。
「おらぁあ!」
エリィのアーツで回復したランディが入れ替わるように突貫、振り下ろされた右腕を足場にして悪魔の頭上を侵略し後頭部を撃ち抜く。
「ガァ――ッ!?」
翼に守られていたそこは唯一の欠点だったのか、衝撃力を上げたとはいえ今までのものよりも効果があった。前方に傾く悪魔、そして目の前にいたノエルは左方に回り一回転、遠心力を加えたハルバードでその勢いを加速させる。
そして、
「ハイドロカノン!」
いつの間にか悪魔の後方へ移動していたティオが水流を発動、悪魔を更に前に仰け反らせた。
そこまでしてようやく一歩、一歩だけ、アークデーモンを瞳からずらした。
「うおおおおおおおおおおっ!」
ロイドがトンファーを振りかぶる。狙いは黄色く染まった地上の眼球、その中心部。
そこに渾身の一撃をと気合を込め、狙いを外さないようにと瞳を凝視し――
――泣いている人の背中が見える。
――白いローブ、流した白銀の髪。
――その人はこちらに振り向き、涙を拭い。
――平静を装って、ただ一言。
「クロスブレイク――ッ!」
叫んだ言葉が何かもわからず、ただ流れる身体のままに動いた。
右の一撃は横薙ぎに瞳を両断し、左の止めはそこに封をするように縦にくり出された。それが描くのは十字、聖なる十字架である。それは間違いなくアーツの発動ですら防いだ瞳を砕きその烙印を破り斬った。
地面に亀裂が走り、一瞬紫色に輝いた瞳はその活動を停止する。
そして、その瞳に魅入られたアークデーモンは断末魔の声も上げることなく姿を消した。
* * *
鐘楼に至る。景色は最上、連なる山々は白い装飾を纏って我こそはと息巻いているように見えた。
そんな空間に浮いている黄金の鐘はコバルトブルーの光を纏って震えていた。振動のような微細な音が絶えず鳴り響いていて長時間近くにいることは難しい。ただ、悪魔が出て来た時のような大きな音は立てていなかった。
「風で揺れて鳴った、なんてないわよね。この様子じゃ……」
エリィが神秘の象徴を眺めて呟く。
鐘が人知れず鳴る、という現象は単純に言えば鐘が揺れれば鳴るのだからその揺れが人為的なものでなければ問題はなかった。しかし高度が高く風が地上より強いこの場所においてさえ、この巨大な鐘が風に揺らされるとは到底思えなかった。そして何より、鐘はこんな光を放たない。
「……この鐘からは上位属性の気配がします。月の僧院の異変の大元と言って間違いはないはずです」
「そうなると、この鐘を止めればあの変な魔獣や悪魔は出てこないというわけですか」
ノエルが鐘に近づこうと手を伸ばし、しかしそれは空を彷徨った。異質な存在に対して警戒心が働いているのだろう、それは鐘には届かなかった。
「力ずくで止めるしか方法はない、かな」
ロイドとランディ、そしてノエルの三人で鐘を三方から抑えにかかる。振動が全身を伝わり不思議な感覚に陥るが、十数秒も経つと鐘は振動を徐々に小さくしていった。
やがて完全に止まるとティオが閉じていた瞳を開き属性の気配が消えたことを伝える。三人が掌に残った感触を見つめる中、五人は今回の騒動について会話を始めた。
「結局鐘が異常の原因、もしくはそのスイッチのようなものだったわけだけど、そもそもこの鐘は一体……」
「……もしかしたら
1200年前崩壊したゼムリア文明は現在とは比べられないほどの文明差があったとされる。その時代の未知の物体を古代遺物と呼んだ。
七耀教会がそれを回収しているのは偏にその危険性による。古代遺物は想像もつかないほどの効果を持つものもあり、とある地方を一瞬で崩壊させた塩の杭などはその筆頭である。
突如出現した塩の杭は触れるもの全てをたちどころに塩へと変えた。現在はその接触部分が全て塩になったために活動を停滞、教会によって管理されているがそれでも一級の危険物である。
そんな古代遺物はどこに何があるのかわからない。そのため教会は専門の部隊星杯騎士団を結成しその管理に当たっているのである。
「ならその星杯騎士団が回収にくるんじゃねぇのか?」
「レンちゃんが言っていたでしょ、エラルダ大司教が封聖省を嫌っているから星杯騎士が来ないって。たぶんそのせいじゃないかしら」
「しかし今回その古代遺物が動いたんですよ? 好き嫌いは排して協力を要請するべきです。大司教もクロスベルのためなら……」
「いや、エラルダ大司教も頑固というか二言がないタイプだから、実質被害が出ていないに等しい現状でそこまでを望むことはできないだろう」
それでも本心ではロイドもそう望んでいる。しかし支援要請で会話した限り彼の人はよほどのことがない限りは折れないだろう。
とにかくも不可思議な鐘の鳴動は止め、僧院の異界化も破った。これで任務は終了だが、まだ最大の謎が残っていた。
「――問題は、誰がこれを作動させたのか、だ」
ランディが鐘を拳で叩きながら呟く。自然に起こった、というにはエリィのいうように規模が大きすぎるし鐘を吊るしている天井や鎖も老朽化こそしているが異常はない。となれば、誰かがこれを鳴らしたのである。
「一般人には無理ですね。鐘を鳴らしたと同時に属性の異常が起き、更に幽霊紛いの魔獣まで現れたのなら、ここから無事に出口に辿り着けません」
そもそも、無力な存在は月の僧院まで辿り着けない。少なくとも警備隊員ほどの装備を持っていなければ不可能な行為だ。
「今までのことを考えるならルバーチェ、と言いたいが、奴らにどれだけの意味があるのかは怪しいな」
「今回わたしたちが確認した異常は鐘の鳴動と異界化した僧院、そして異様な魔獣と悪魔です。これらの情報からルバーチェに実があったと考えることはできますか?」
ティオがロイドに話を振り、彼は口元に手を添えて思考する。しかしそのどれもがしっくりとこなかった。
最初に考えたのは鐘を利用して魔獣を操作しようということ。これは黒の競売会の損失を埋めるために対抗勢力である黒月を潰す、ということを考えた場合の戦力補強だが、そもそも鐘を容易に持ち出せない以上難しい上に軍用犬とは違い明らかな異形だ、黒月が警察ないし遊撃士に被害者として情報を漏らせば逆に不利になる。
今回の騒動は鐘ありきなのだ。あの巨大な鐘を利用するには持ち運ぶか相手を連れ出すかのいずれかが必要であり、ルバーチェがそんなまどろっこしいことをするとは思えない。
となるともし彼らの仕業だとして、その目的は得られた情報ではわからないということになる。どちらにしても、今回の犯人を特定するには至らなかった。
「犯人は別にいるかもしれないってことですね……」
ノエルは憂鬱な表情で呟く。彼女の任務はこれで終了したわけだが、その大元がわからないとなるとやはり気分が良くないのだろう。
しかし前述のとおり任務は終了、停滞した空気を動かす為にノエルは撤収を提案し、五人は様子を確かめながら明るくなった月の僧院を離脱した。
* * *
――彼らが僧院を出た時、クロスベル市歓楽街のカジノハウスにおいてとある異変が起こっていた。
今まで給料のほとんどをカジノに落としその経営に貢献してきたとある客がある日を境に急変、大金を巻き上げ始めたのだ。その圧倒的な直感と運、実力は歴戦のディーラーを絶句させ、支配人も困惑、僅か数日でビップ待遇にまで上り詰めるほどだった。
しかし、常にその人物と連れ添ってやってきていた知人はそれ以上に困惑していた。性格が荒々しくなったと困惑していた。
それも当然か、いきなり大金が舞い込んでくれば気分も高揚し横柄になるだろう。そう言ってよくあることだと締めようとした支配人は、数秒の躊躇いの後に発されたその知人の言葉に首を傾げた。
いや、変わったのはカジノで大当たりする前だよ。本当に突然荒くなったんだ――
クロスブレイク:初期構想におけるロイドのクラフトの一。詳細不明だが、属性攻撃ではないと思われる。本作では異常があるのは使用者本人。