Re:ゼロから始める異世界生活 with 風神の白悪魔 作:月見草クロス
ホ「おい」
「朝だぁぁー!!」
朝が来た。いやぁ、にしても昨日はよく勉強したぁ。文字はとりあえず読めるし、次は何覚えよっかなー♪
トントン
と、今日も扉を叩く音がした。
「どーぞー」
がちゃりと扉を開けて入ってきたのはシフィさんだ。
「起きたんですね。おはようございます」
「おっはよー」
「とりあえず着替えをしてください。着替え終わった呼んでくださいね?」
シフィさんは僕が元々着ていた服を置いて、一旦部屋を出ていった。
なーんかあの子冷たい気がするなぁ。いいけどさぁ、ラムみたいに馴れ馴れしい方がいい気がするなぁ。
~少年着替え中~
「シフィさぁん、終わったよー」
そう言うと扉をまた開いて、シフィさんが顔だけを覗かせた。
「では、まず朝食なので、着いてきてください」
「はーい」
僕はシフィさんを見失わないように、走って追いかけた。
うーん、広い!!広すぎるよこの屋敷!!
なんと、朝食を食べるための場所まで5分以上かかった上、同じような光景しか見なかった。
「あら、来たのね」
あからさまに邪魔そうに見てくるのはピンクのメイド、ラムだ。
「相変わらずだねぇ……ラムは」
「ラムはラムだから」
「いや意味わかんないよ……」
と、またコントをしていると、料理をラムと瓜二つの青髪のメイドが運んできた。
「あれがラムの妹さん?」
「そうよ、自慢の妹よ」
「レムです」
「よろしくねー」
「…よろしくお願いします」
なんでちょっと嫌そうな顔するのこの人。
あ、人じゃなくて鬼でした。
と、そこにジャージ姿のナツキスバルがやってきた。隣にはエミリアさんもいる。
「あ、ホノカ。起きたのね」
「よぉ、ホノカ」
「エミリアさんおはよー!!」
「俺は無視かよ!!」
「えへへ」
「笑うところじゃねぇよ!!可愛いけど!!」
「……え?」
どこが可愛いのだろうか。
「………はぁ」
「ねぇ、ラム?なんでそんなため息なんかつくの?」
「全部ホノカのせいよ」
「えぇ!?」
僕なにかしました!?ねぇ!?
「……そんな事いいので、早く席に着いてください」
レムが痺れを切らして声をかけてきた。
「そう……だね。みんな座ろー!!」
「なんでお客のお前が言うんだよ……」
スバルのツッコミを受けつつ、僕は席に着いた。
それと同じくらいに……二人広間に入ってきた。
一人は髪の毛クルクルの幼稚園児……?で、一人はピエロみたいな格好の背の高い人だ。
「……だれ?」
僕はすぐ隣にいたスバルに聞いてみる。
「あー、あのピエロがこの屋敷の持ち主のロズワールで、クルクルのロリはベアトリスだ」
「言葉の意味は分からないけど馬鹿にされたのは分かったのよ!!」
「はいはい」
スバルはすっかりここに馴染んでいるようだ。適応能力高そうだもんなぁこいつ。
「で……ロズワールさん?」
「いかにーも、私がロズワール・L・メイザールだーぁよ。ウヅキ ホノカくん」
んー、なんだこの人。凄まじく変な人だぞ。
「とりあえずお二人もよろしくですー」
「……お前は面倒なやつじゃないのを祈るのよ」
「大丈夫僕スバルアンチだから」
「お前ほんっとに酷いよな!?おかしくないか!?」
なんだろうか、スバルならいじっても問題ないような気しかしないんだ。
「…ホノカ、お前よくわかってるのよ」
「いや、ベア子?」
ベアトリスさんとスバルの会話を見ているのも面白そうだけどそろそろ食べないのかな?お腹空いた。
「…そろそろ食べましょうか」
ここでシフィさんが話をきってくれた。
「……それでいいですよね?ホノカさん」
「うんー、よく分かったねー、シフィさん」
「顔に出てましたよ、お腹空いてるって」
「えへへー」
「……やっぱ女の子なんじゃ」
「男だから!!シフィさんまで言わないでよ!?」
「おいひー」
「やっぱ女の子だろお前」
「なんかスバルに言われるのは本能的に拒絶するなぁ」
スバルがいじろうとしてきたのを軽くあしらって、ロズワールさんの方を見る。
「…で、多分言いたいことがあるんですよね?」
「そーだーぁね、一番大事なことは後にするとして……とりあえず君には褒美をあげなきゃいけないんだーぁよ」
「んにゅ?僕なんかしましたっけ」
「やったじゃない。私を助けてくれたし、ラムを助けてくれたでしょ?」
まぁ、確かにエミリアさんとラムを助けたけど……
「え?それしかしてないよ?」
「……やっぱり無知ね、ホノカは」
「お姉様、無知と言うよりこれは病気だと思います」
「いやそこ双子!!地味に酷いよ!?無知なのは認めるけど!!」
この双子もほんとにシフィさんの大人しさを見習って欲しいものである。
「…あのね、私はルグニカの王選の候補者なのよ」
「……王選?ってことは王様になる得る人ってこと?」
「そういうことみたいだぜホノカ。これで自分がどれだけでかいことをしたか分かったか?」
「んー…でも助けるのは当たり前でしょ?褒美もいらないよー、むしろ匿ってくれたことに感謝すべきなわけで」
「……優しすぎませんホノカさん」
シフィさんにまで言われた。普通だと思うけどなぁ……
「まぁ、俺ももらったんだからもらっとけって」
「じゃあ、住ませて。雑用でもなんでもするから」
僕は真っ先に浮かんだのはそれだった。だってまだ住む場所ないんだもん。
「んー、いーとーぉも」
「ってことはお前もここで働くのか?」
「そーゆーことかなぁ」
「……ホノカも欲がないのね」
エミリアさんが凄く残念そうな顔をしている。
え?なんで?
「じゃあ、私はスバルに付き添ってるから、シフィ、後でホノカにこの屋敷を案内しておきなさい」
「わかりました」
「あ、あとメイド服用意しときましょう」
レムさん!?
「いいわね、しときましょうか」
ラムさん!?
「……そうですね」
シフィさん!?
「ということでホノカ……」
「僕はメイドじゃないから!!執事だから!!僕、男だからぁ!!」
相変わらず、この見た目のせいで苦労が耐えない僕なのだった。
しばらくはリゼロ1本で行くかもです。にしても、ロズワールの口調は未だに難しいなぁ