春。それは出会いと別れの季節。
「ンー!今日は絶好のお茶会日和デース!」
とある天気の良い日。金剛はお茶に比叡を誘った。
榛名や霧島は任務に就いた鎮守府の関係で遠く離れているため、二人きりのお茶会である。
「天気に恵まれましたね!遠征中お姉さまの方はお変わりありませんでしたか?」
「バッチリお変わりナッシン!比叡の方も一人で大丈夫だったノー?」
比叡は金剛を筆頭とする姉妹達に愛されて育ってきたので超シスコンである。お風呂もご飯も寝る時も、どんな時も姉妹のうち誰か一人が傍にいた。しかし今回の金剛の遠征で一人鎮守府に残された比叡。果たして彼女はきちんとお留守番ができていたのか。
「実は、その~。一人で寝るのってかなり心細くてですね、ちょっと寝不足気味に…」
「デスよねー」
「でもでも、それを見かねた親切な方が一緒に寝てくれたんです!」
「えっ?」
一体誰デショ?金剛は首をかしげながら紅茶の入ったカップを持ち上げる。
わりと甘えんぼな暁?ツンデレな叢雲?それとも意外なところで不知火とか?
「それはなんと、赤城さんなんです!」
金剛は持ち上げたカップをそのまま置いた。腕の震えがカチャカチャと食器を鳴らす。
「あ、あー…赤城と、一緒にデスカ?」
「はい!一緒に寝ました!」
一緒に……!?(驚愕)寝た……!?(混乱)
「変なコトとかは無かったノ…?」
「変なコト…いえ、別に。いろんなところを揉んでくれたくらいで特には」
いろんなところ。ちちしりふともも?
金剛はテーブルに両手を付き、ガバリと立ち上がった。
「それ変なコトデース!」
「えーっ!そうだったんですか!?」
アァー!私の知らない所で比叡が汚されて行くゥーー!
金剛は机に頭を叩きつけ、それきり沈黙した。
春。それは出会いと別れの季節。
1:20XY/04/02
【悲報】なんか比叡ちゃんにいやらしい事してたとか噂が立つ
スリードッグ:20XY/04/02
実際マッサージしただけ定期
スリードッグ:20XY/04/02
今までの加賀さんの前例とかあるしこの評価も残当
スリードッグ:20XY/04/02
なーんか比叡ちゃんに対してはいやらしい感情が出てこないんだよねぇ
この感情について教えてエロい人!
エロい人:20XY/04/02
比叡ちゃん→感情むき出しの活発っ子。子犬を愛でるような感覚のため性的な感情には結びつかない。
加賀さん→感情を表に出すのが苦手。ヒィヒィ言わせて鉄面皮をはいでやりたいというSっ気を刺激されている。
スリードッグ:20XY/04/02
有能
スリードッグ:20XY/04/02
あっそっかぁ…(理解)
スリードッグ:20XY/04/02
加賀さんは存在がスケベ(超速理解)
1:20XY/04/02
無防備かつ無知な相手に手を出すとか犯罪なんだよなぁ…
スリードッグ:20XY/04/02
(加賀さんは合法でしたか…?)
おちん:20XY/04/02
開けろ!!デトロイト市警だ!!
「とまあ、そういう事がありまして」
鎮守府内にある人気の散歩スポット、桜の並木道で赤城がそう締めくくる。
それを聞いていた吹雪の反応は「そうですか…」といまいちパッとしない。
「いやもうそれ自業自得ですよね」と吹雪。普段から加賀をあれやこれやしている赤城は鎮守府全体の艦娘からそう見られても仕方がないほど評判がアレだったのだ。
「評判がアレですか?」
「アレですよ。隙を見せた艦娘を片っ端から毒牙にかけているとかなんとか」
「別にそんなことはありません。ちょっとボディタッチが多いくらいで、実際毒牙にかけたのは一人だけですよ」
毒牙にかけた実績がある上でボディタッチが多いのが問題なんだよなぁ…と思いながらも、吹雪は言葉を飲み込んで苦笑いを返す。
「ところで赤城さんは噂をどうこうしようとは思わないんですか?」
これは吹雪がずっと抱えてきた疑問だった。こんな悪評が立っていればなんとかしようとするのが普通だ。目の前のひとは普通とは言い難いけれど。
彼女の疑問に対し、赤城は澄んだ瞳でこう言った。
「ひょっとすれば噂ではなくなるかもしれませんからね」
「ああ、うん…」
そうだよね。赤城さんってこんな人だったよね。吹雪はそう思い口を噤み、それきり会話は途切れた。
桜の並木道を二人で歩く。ぱらぱらと舞い散る花を吹雪が目で追っていると、そのうちの一つが自分の鼻に乗っかってしまった。
「あら、吹雪さん。鼻に」
そう言ってひょいと花をつまみ上げる。風で長い黒髪が靡き、散りゆく桜も相まって神秘的な美しさを見せる赤城。しかし吹雪は近くなった顔の距離に思う所はなく「気配りのできる綺麗なひとなんだけどなぁ」とただただ残念な気持ちになっていた。
彩雲01:20XY/04/02
えー、先ほどまでの観測結果をまとめますと…
ブッキーはノンケ!ノンケです!
清楚マン:20XY/04/02
ここの住民はスケベなことしか考えないのか(諦観)
スリードッグ:20XY/04/02
そうだよ(便乗)
スリードッグ:20XY/04/02
そうだよ(ぶどう酒の名無し男)
スリードッグ:20XY/04/02
これブッキーがノンケじゃなかったらどうなってたの?
1:20XY/04/02
然るべき対処をします
スリードッグ:20XY/04/02
対処、あっ…(察し)
スリードッグ:20XY/04/02
やっぱり噂通りの女じゃないか(ふんぬ)
スリードッグ:20XY/04/02
◆非常に健全◆
1:20XY/04/02
で、ここまでの流れで分かると思うけど…
安価の時間だああああああ!!
スリードッグ:20XY/04/02
安価うれしいヤッター!
スリードッグ:20XY/04/02
【安価】うおおおおおおおおおおおお!
スリードッグ:20XY/04/02
うおおおー!あっちーーーー!
1:20XY/04/02
てなわけで今回のお題はこちら!!ドン!!
なんか残念そうな目で見てくるブッキーにどう対応する?
安価↓5
スリードッグ:20XY/04/02
俺のために毎日味噌汁を作ってくれと要求する
スリードッグ:20XY/04/02
そらをとぶ
スリードッグ:20XY/04/02
加賀さんとの熱い夜の事を囁く
スリードッグ:20XY/04/02
食堂までかけっこじゃい!
スリードッグ:20XY/04/02
比叡にやったみたいに撫でまわすんだよォォォーーーッ!
清楚マン:20XY/04/02
あ…やっとまともな安価が当たったんですねって…
スリードッグ:20XY/04/02
撫でまわすのがマトモなのだろうか?清楚マンは疲れているのだろうか?家族と話をしているだろうか?
1:20XY/04/02
安価結果
比叡みたいに撫でまわす
よーしお父さん頑張っちゃうぞー
スリードッグ:20XY/04/02
お母さんなんだよなぁ(指摘)
「失礼します」
え、と声を上げる間もなく両手で頭をガシリと捕らえられた吹雪。いやまさか赤城さんに限って無理やり接吻とかは…と高速で思考を巡らせる。
赤城さんは、まあ、女の子に手を出せるタイプの人だ。でも無理やりなんて話は聞いたことはなかったし加賀さんとも関係は良好。
いやでも実はものすごいテクニックを持っていて、おいしくいただかれちゃった後に「ちょっと良かったかも」なんて展開になってただけだったりして──
と、そこまで考えたところで赤城の両手が動き始めた
「よーしよしよしよしよしよし」
「わぷっ!え、何ですか急に!?」
まるで子犬を乱雑に撫でるかのような手つき。せっかく綺麗に整えた吹雪の髪はぐしゃぐしゃになりつつあった。
「ちょっとタンマ!タンマです!」
「はい」
意外と素直に手を止めた赤城。吹雪は慌てて髪の毛を整え始める。
「ええ…なんでいきなりこんなことするんですか。髪の毛ぐちゃぐちゃですよぉ…」
その質問に赤城は困ったように笑うだけ。奇行の後で誰かが困っているといつもこれだと吹雪は口を尖らせる。
「そんな顔するくらいならやらないでくださいよぉ…」
「嫌でしたか?」
「……」
吹雪は沈黙する。嫌かそうでないかなら、嫌じゃなかった。でもそう答えるには少し気恥ずかしい。
その内心を知ってか知らずか、再びガシリと彼女の頭を捕らえる赤城。
「はい、ちょっとタンマは終了です」
「え」
「よーしよしよしよしよしよし」
「あわわ、あわわわわわ」
やめてくれと言えばやめてくれるだろうけれど、なんとなくそうは言えなかった。
結局吹雪はその後も撫でられ続け、しばらく後に満足そうな顔をした空母と髪の毛ぐしゃぐしゃで顔を真っ赤にした駆逐艦が食堂に現れたとかなんとか。
「アーッ!また赤城が別の娘に手を出してるネー!」
「あっ!吹雪さんもアレやってもらったんですね!いいなぁ」
「比叡!?」
それを見た艦娘たちの間でまた変な噂が加速するのも、もはやおなじみである。
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