Smile   作:ヨザリイコイ

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さてさて夕凪が京都に寄ります。


京都

 公園から歩いて9日目、甲信越と北陸経由であちこち見て歩きながら、東山トンネルを通って上洛。遠回りだけど、これから暖かいところに行くんだから少しは寒いところに行ってみたいもの。まだ雪は降っていなかったがね。時期を考えれば当たり前だが。

 それはさておき久しぶりに来た京都。そろそろ紅葉の時期か。とはいえカエデの色が大して色が変わっているような気はしないのだが。

「まあいい。久々の京見物としゃれこみましょうかね…」

 

 

 

 

 

 

「おいおい…、こんなものまであるのか…。縁結びとかいうけどさ…」

 適当にほっつき歩いていると何やら学生が集まっている神社がある。縁結びの効果があるとかいう場所らしい。なるほど確かに若い子には人気があってもおかしくない。しかし一ついただけないものがある。

 何なのさ、このデカデカと恋と書いた柄杓は…。御守りくらいにしときなさいよ。こんな目立つの…。

 興醒めなので、さっさと出た。何だかねぇ。

 神社を出て、イストワールとの合流場所である三十三間堂に向かうことにした。多少の寄り道をしながら。

 

 

 

 

 

 

 

 三十三間堂まではそう時間はかからんからゆるゆる行く。

 東福寺駅の前を通り、細い道を行く。此処を進んだ先に行きたい場所があるんだ。

「確かこの辺りに…」

 お目当てのものがあった、あった…。跨線橋。少々新しくなっているが、列車はよく見えるみたいだ。良かった良かった。

 カメラを持って撮影している人もいる。やはり撮影場所としてはいい場所なのだろう。車と名の付くものは絶対にこないから。

 私もカメラを持っていれば、写真の一つや二つは撮っていただろう。でも今は持っていないし、何よりいらない。目に焼き付けておけば、余程のことがない限り、いつでも思い出せるし消えることもないのだから。

「さて、もういいかな…」

 イストワールが待っている。これくらいにしよう。

 あんまり目に焼き付けても、目が焦げたトーストになるだけだし。それはごめんだから。

 

 

 

 

 

 

 

「遅かったじゃないですか」

「ごめんよ、イストワール。久しぶりに来たものだから」

 三十三間堂でイストワールと合流した。待ち草臥れたのか機嫌が悪かった。少しあちこちウロウロしすぎたか。

「まあいいですよ。夕凪さんの記憶通りでしたか?」

「それはないよ。あちこち違う。尤も跨線橋だけは、同じだったがね」

 そんな他愛もないことを話しながら、鴨川沿いを歩いていく。

「ところでイストワール。あそこは住みやすそうかな?」

「大丈夫ですよ。海沿いで暖かい所ですし」

「そりゃ良かった。さてとこれから何処に行こうかな」

「取り敢えずあちこち見て回りましょうよ。私も何処にいくのか、特に決めてはいませんから」

「そうしようか」

 イストワールと合流しても、やることは結局変わらなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?」

「どしたの、イストワール」

「あそこにいるの簪さんじゃないですか?」

 イストワールが指差す方向に、確かに簪ちゃんがいた。何だってこんなところにいるのやら。まあ、あの子と似たような制服の子をあちこちで見かけたことを考えると多分学校行事だろう。学年を考えると修学旅行では無いと思うが、学校によっては1年生でやるところもあるのかもしれん。

「学校行事だろうね。どういうわけか知らんが、ここは修学旅行生がよく来る場所だしね」

「そういえば学生さんの姿が多いですね。私もあちこちで見かけました」

 そうこう話をしていると簪ちゃんに見つかってしまった。随分驚いていた。それはそうだろう。西に行くとは聞いていても、何処に行くのかは教えていなかったのだから。

 

 

 

 

 

 近くの喫茶店でお茶をする。コーヒー代くらい持ってるさ。

「目的地って、ここだったんですか」

「いやいや、もっとねー、あったかくてー、海が見えるところー」

 京都でも悪くはないが、冬が寒い。だからもっと西の暖かい所に行く。

「着いたら葉書でも送るよー」

「お願いしますよ」

「ところで簪さん。此処へはどんな用事で」

「ああ、いーすんさん。修学旅行ですよ」

「一年生であるんですか。どこの学校でも行くのは二年生だとばかり思ってましたよ」

「同感」

 一年生のうちにやるところなんてそう多くはないだろう。

「どうかなー。あちこち見て回れたー?」

「どこもかしこも人だらけでしたけど、それなりには…」

「そりゃー、良かった」

 まあ1人でも楽しめてるのなら良いことさ。集団であちこち行くばかりが能じゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 四条辺りを簪ちゃんとともにぶらつき、その後は集合場所の清水寺まで送ってあげた。

「それじゃ簪ちゃん。またいつか…おっと忘れるとこだった、これ」

 紙に書いたアドレスをわたす。

「イストワールへの連絡手段。いざという時のために。聞くところによると行事ごとに、なんかあるらしいからさ」

「ど、どうも」

「まあ、何も起こらないにこした事はないが…、一応ね」

「それでは」

 手を振って別れた。




しかし何でああも騒動ばかり起きるのでしょうね。IS学園は。危機管理体制は、どうなっているのやら。
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