瞬歩で鬼ごっこしてる場面しか思いつかないんですよね。
「推薦書の提出に来た。受理を頼む」
「はい、かしこまりました。確認致しますので、少々お待ち下さい」
そう言って窓口の職員は推薦人の確認をほぼ流れ作業のように始めた。
(見ない顔だが、貴族出身だろうか? まぁ、顔が知られていないということは精々下級貴族くらいのものだろう)
呑気にそんな事を考えながら、蛇腹折りになった和紙を広げ、文章に目を通していく。
(なっ!四楓院家!?何かの間違えか!?)
推薦書の差出人は職員の予想をはるかに超え、四大貴族と名高い四楓院家のものだったのだ。加えて、現当主である四楓院夜一直々の推薦書であった。
「さっきから顔色が芳しくないが、どうした?大丈夫か?」
流魂街出身故に貴族の認識など、よく分からないがすごく偉い人達、程度のものでしかない湊は呑気にも推薦書を穴が空くほどに凝視している職員にそう声を掛けた。
「き、君っ!差出人は本当に四楓院夜一様で間違いはないんだねっ!?」
突然、湊に覆いかぶさるのではないかというほど身を乗り出し職員は湊に問いかけた。
「あぁ、推薦書は確かにその人に書いてもらったが、どうかしたか?」
そんな会話をしている2人だったが、職員の声が些か大きすぎたせいか四楓院家の推薦を受けて入学してきたという者がいることが一気に知れ渡り真央霊術院の推薦書の提出用の窓口は未曾有の大混乱に陥った。
貴族出身の者が入学することはよくあることであり、騒ぎになることはない。あるとすれば、朽木家などの四大貴族レベルの規模を誇る家の者が入学するときにちょっとした騒ぎになる程度だ。なぜならば、貴族の格が高くなればなるほど子息、息女の入学予定は知れ渡り、ほぼ周知の事実となるからだ。
しかし、今回は事前の情報は全くと言っていいほど無かった。加えて、その推薦人が朽木家と同じ四大貴族である四楓院家、更には現当主である四楓院夜一からの直々の推薦書であった。自由奔放で知られている夜一ではあるが、その実力は折り紙つきである。それほどの人物が推薦したとなれば騒ぎになることは必然であった。
◇◆◇◆◇
所変わってそこは入学式。なんとか推薦書の受理を済ませた湊は入学式に参加していた。各教員からの挨拶があり、最後に護廷十三隊総隊長である山本元柳斎重國による激励の言葉が送られていた。
「お主らはこれから死神になるべく、様々なことを学ばなければならぬ。特に斬拳走鬼の4つは死神とって欠くことの出来ぬのもである。日々研鑽を怠ることのないように、以上じゃ」
その言葉を締めとして入学式は終了し、各教室へと向かうことになった。湊は1から10まである学級のうち夜一直々の推薦もあってか学級は1になった。
◇◆◇◆◇
各教室へと別れた後には誰かしらの発案により自己紹介が行われることになっていた。
「薄羽 湊だ。流魂街出身故になにかと分からないこともあるだろうが、よろしく頼む」
そんな簡潔にまとめ過ぎたような挨拶をした為か反応は芳しくなかった。夜一の推薦というのが効き過ぎて、気後れしたのかもしれないな、と思う湊であった。
そうして、次々と自己紹介が進んでいき、湊と注目を二分している片割れが挨拶をしていた。
「朽木 白哉だ。祖父と父上の後を継ぐことの出来るような死神になる為にきた。馴れ合いは不要だ」
そんな突き放すような挨拶をしたのは長い髪を一つにまとめた美男子だった。その美男子は言うことを言うと席に着いてしまい、なんとも気まずい雰囲気が漂っていた。
◇◆◇◆◇
クラスメイトとなる者たちとの顔合わせが済むとその日は授業も特にないことから住まわせて貰うようになった四楓院家の離れへと歩を進めようとしたところを件の美男子に呼び止められた。
「少し待て。兄はあの化け猫の推薦で入ってきたそうだな。あいつとはどういう関係だ?」
「どういう関係もなにもあいつが言うには、俺には体術の才能があるから推薦した、だそうだ」
(あの化け猫が認めた才能だと!?アレは腐っても隊長を任されている身だ。加えて、隠密起動の総司令官も任されている。体術の専門家が認める才能か)
「黙り込んでどうした?」
「いや、なんでもない、兄は普段どんな修行をしているのだ?」
「修行か…猫の姿になったあの人と鬼ごとをするとか、かな」
「……兄も苦労しているのだな」
「あぁ…」
湊と白哉の2人は入学して初日にも関わらず疲れたような空気を漂わせ、謎の友情が生まれたのだった。
「なぁ、白哉って呼んでいいか?俺のことを湊でいいからよ」
「よかろう、これからよろしく頼む、湊」
◇◆◇◆◇
四楓院家の離れへと帰宅した湊はちょうど仕事を抜け出してきた夜一と会っていた。
「今日、朽木 白哉ってのと知り合ったが、アンタなにしたんだ?アンタのことを化け猫とか呼んでいたが」
「ほぅ!白哉坊と会ったのか。いやいや、別に大したことはしておらんぞ。ちょっとからかって鬼ごとをして遊んでやった程度のものじゃ」
(あぁ、あいつも苦労してんだな…)
「なんじゃその、あぁ、あいつも苦労してんだなとでも言いたげな目は」
「さらっと人の心を読むじゃねぇよ、あいつアンタのことを思い出して遠い目してたんどからな?」
「まぁ、良いではないか、才能豊かな若人にはちょっかいをかけたくなる老婆心とでもおもっておれ」
「そういうもんかねぇ」
そうやって夜は更けていくのだった。
真央霊術院編どれくらい書きましょうかね。
現時点では、死神になる前に適当な理由をつけて
何人か原作キャラと顔合わせ程度はさせておきたいと考えてます。