胡蝶は舞う   作:チェルシー+

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気がついたら前の投稿から割と日が経ってしまう現実。
どうにか更新頻度を上げたいものです。( ´Д`)


はじめてのにんむ 2

湊が夜一から任務について説明を受けてから三日が経った。消息不明となった隠密機動の隊士達は終ぞ帰ってくる事はなかった。これにより遂に湊が任務就くに至り、出発のために二番隊隊舎前に来ており、そこには湊、夜一、喜助の三人が集まっていた。

 

「それじゃあ、行ってくるわ。虚が出るって言ってもまぁ、何とかなるだろうしな」

 

そう軽い口調で話す湊であったが、対照的に夜一と喜助はいつにも増して真面目な顔つきで湊に注意を払うように促していた。

 

「気をつけるんじゃぞ。虚と遭遇しても、無理だと判断したら倒さずとも良い。ただ一つだけ。必ず生きて帰ってこい」

 

「そうっスよ。初任務だからって意気込むのも分かるっスけど、深追いはしてはダメっスよ」

 

「あぁ、分かったよ。二人とも見送りまでありがとな。んじゃあ、行ってくる」

 

「あぁ、それともう一つ」

 

瞬歩で移動しかけた直前、出鼻を挫く様に声を掛けてきた喜助を少し睨む様に振り返る。

 

「なんだよ、多いな。なんだ?」

 

「今のキミは少し気が緩んでそうっスからね。余裕を持つのは大事っスけど、それが油断になっちゃいけないっスよ」

 

これまで見てきた喜助の表情の中でもやけに真剣な表情でそういってくるのだった。

 

「あ、あぁ、肝に命じておくよ。それじゃあな」

 

そういって、瞬歩でアタリをつけた場所まで駆け抜けるのだった。

 

◇◆◇◆◇

 

「確かにあやつは多少、天狗になっていかもしれんが、何もあそこまで言わずとも良かったのではないか?」

 

そう問いかける夜一に対して、何とも言えない表情で喜助は返した。

 

「今回の任務は何とも言えない嫌な予感がするんスよ。杞憂だったら良いんスけど、もしものことがあったらと考えるとどうも言わずにはいられなかったんス」

 

「そういうもんかの。まぁ、儂らには無事に帰ってくることを祈ることしかできんのじゃしな」

 

そういって二人は湊の無事を祈るのだった。

 

 

◇◆◇◆◇

「ここか、いつ来るか分かんねぇし面倒だな。いっそのこと出迎えでもしてくれたら良いんだが…」

 

目的の場所に着き、何とも物騒なことを独り言ちながら探索を始めるのだった。

 

◇◆◇◆◇

 

探索を開始してから早数刻、日は完全に落ち、今回は虚の発見及び殲滅又は観察は断念して帰還しようと考え出した矢先、突如として最下級大虚程の霊圧を持ちながら成人男性程度の大きさをした虚が現れた。

 

「なっ!どっから出てきやがった!」

 

一瞬取り乱すも、素早く戦闘態勢に入り、敢えて先手を譲り、後の先を取る様に動く。

 

こちらの動きを見ようとしたのか中々動き出さないでいた虚だったが、痺れを切らしたのか腰に下げた刀を抜き、正眼の構えを取ると、慣れた動きで右足を力強く踏み込むと勢いそのままに袈裟斬りを繰り出してきた。

 

「うおっ!あぶねぇなっ!」

 

言葉とは裏腹に懐ギリギリまで引きつけ虚が刀を振り下ろし切るのと同時に『閃花』によって背後に回り込み、首筋めがけて踵落としを繰り出した。

 

「うぉら!」

 

ヒット&アウェイの要領で踵落としをお見舞いした後にすぐさま離脱し、流石に一撃では仕留められないだろうと思いら虚へのダメージの入り具合を確認するために目を向けた。すると、踵落としによって地面に沈んだ顔面を何事もなかった様に引き抜き、様子を確かめる様に首を捻る。

 

「なっ、無傷だと?んな馬鹿なことがあるかよ。こちとら就任したてっつっても席官だぞ?」

 

動揺を抑え切ることが出来ずにいると、先ほどとよりも鋭い踏み込みからまたもや袈裟斬りを繰り出してくる。

 

「やばっ!」

 

ギリギリのところで避ける様に動くが、完全には避けることは叶わず、肩から脇腹にかけて刀傷がはしり、結構な量の血が流れることになった。

 

血が抜けたことで多少冷静になった湊は、虚の力量を確かめるために攻撃の手を増やした。

 

一隊士では捉えることも難しいとほどの疾さで攻撃と離脱を行うも結果は変わらず、ほとんどダメージを与えることはできていなかった。

 

「白打じゃあんまり効果がねぇのか?なら、お望み通り霊圧使ってやるよ!」

 

そう言いながら、四肢に霊圧を込めることで、素の状態での攻撃から霊圧を込めた攻撃に切り替えた。

 

◇◆◇◆◇

 

虚からの斬術を避け、次の動作へと動くための一瞬の隙を狙い、的確に人体の急所となっている鳩尾へと、鋭い踏み込みによって、通常の虚ならば一撃で葬りさることが出来るほどの威力を伴った掌底を繰り出した。

 

しかし、それでもただの白打よりは効いている程度のものとなり、虚は容易く耐え抜ぬと、右腕を突き出した態勢の湊へと、再度繰り出してきた斬術を辛くも避けるが次第にその動きは精彩を欠くものとなったてきた。

 

「喜助の忠告通りになったってわけか。ちょっとばかり癪だが背に腹は変えられねぇしな。良いぜ、始解して闘ってやるよ!」

 

そう言い放つと動きの邪魔にならない様に後ろに回していた斬魄刀を引き抜くと、二回戦の開幕とばかりに解号を口にした。

 

「『裂き誇れ 蝶舞』!!!」




解号言って締めるのってオシャレじゃん?っ思うんですよね。
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