BanG Dream! 少年とパレットで描く世界   作:迷人(takto

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今回は少し短めです。これがあと3人分続きます。ご了承ください。


カラー1:ファーストコンタクト
1.1 日菜


都内某所にあるスタジオ、そこではとあるアイドルバンドがレッスンを行っていた。歌の練習をする者、培った技術で楽器を調整する者、長年忘れていた感を取り戻そうとする者と、皆それぞれの音を奏でていた。

 

そんな中、部屋の片隅に一人座り込む男がいた。

楽器経験の少ないメンバーの練習を手伝うことになり、パスパレと同じスタジオに集められた男、江古田拓人である。今は絶賛落ち込みムードだ。

本来ベースを教えるはずの相手である白鷺千聖は、次の仕事があるため早々にスタジオを出ていった。相手がいなくなったことで手持ち無沙汰になってしまった拓人は、他のPastel*Palettesのメンバーがレッスンしているところを見学することになった。ギターの経験もある拓人はベース同様教えることができるのだが、ギター担当である氷川日菜はもともと経験者であるため、教えることは殆ど無い。

なんとか自分のやれることはないかと、現在模索中である。

「まずは白鷺さんのスケジュールを確認して・・・それから空き時間をどれだけ・・・ブツブツブツブツ・・・・・・」

 

「さっきから何ブツブツ言ってるの?」

拓人は唐突に声をかけられ肩を震わせる。声をかけてきたのは日菜であった。しゃがんでいた拓人を上から覗くように立っていた日菜は彼の横に座って続ける。

「千聖ちゃんに逃げられてシュンってしてると思ったら何か考え事してるし、気になっちゃって。」

「ああ・・・ちょっとね、これからどういう方針で練習を進めるのがいいのかと思ってさ。」

「ふーん、そっか。」

自分から聞いてきたのに、日菜は興味なさげに答える。

「ところで氷川さんは?練習しなくてもいいの?」

「ん?別に練習なんてちょっと楽譜見て軽く弾いて見るだけで、他にすることなんてなくない?」

それを聞き拓人は驚愕する、姉の紗夜がいつもライブハウスの練習スタジオでどれだけ仲間と練習を重ねているか知っているからだ。

「ちょっと弾いて見せてくれない?」

拓人が言うと日菜は快く承諾し、ギターを構える。

「あれ?楽譜は用意しないの?」

日菜は目の前に譜面台を置かずにいたため、疑問に思った拓人が問いかけると。

「そんなのちょっと見ただけで覚えられるって。」

日菜はそう言いながら演奏を始める。複雑なテクニックを要するわけではないが、渡されたばかりの楽譜を終わるまで一度もミスせず、完璧に奏でてみせた日菜を見て拓人は唖然としていた。

「ふ~、どうだった?」

日菜の言葉に偽りはなかった。彼女は確かに楽譜を見て、少しの時間練習をしただけで完璧に覚えてしまったのだ。

「どうっていっても、すごいとしか言えないかな・・・。」

「そうなんだ、別に普通なんだと思うんだけどな。」

「普通の人間はそんな超速でマスターはできないはずなんだよな・・・。」

 

日菜はギターを置いてから再び拓人の近くに来ると、話し始める。

「私、昔からちょっと見れば何でも出来ちゃうから、あんまり他の人がすごいって言う理由がわかんないんだよね。」

拓人はそれを聞き、天才と呼ばれるものの考え方を知った。確かに拓人も、楽器を自由に弾けていた頃は練習自体そこまで行わずともある程度引くことはできたが、全く間違えがなかったといえばそんなことはなかった。もともとそれは、練習によって下積みが合ったからこそできることで、昨日今日できるようになるものではない。こんなすごい人が近くにいたら、姉が”ああいう”正確になるのもよくわかった。しかしここで触れるべき内容ではないと、拓人は話題を変える。

「それだけなんでもできるのに、なんでこのバンドを続けようって思ったの?」

「う~ん、正直広いステージで弾けるならなんでもいいんだよね~。でも・・・」

日菜は笑顔のままだったが、どこか、寂しそうな表情で続ける。

「他の人と触れあえば、ここにいるみんなと触れあえば・・・いままでわからなかったことが、わかるような気がするんだ。」

いままでの発言から、この少女は他の人のことなどどうでもいいのだと思ってしまっていた。しかし、彼女なりに周りのことをわかろうとしている。拓人は一瞬でも彼女のことを疎ましく思ってしまった自分が恥ずかしくなった。

 

「ところでさ、君おねーちゃんと知り合いなんでしょ?」

日菜の姉である紗夜は、拓人のアルバイト先に度々訪れている。数日前まではバンド仲間との折り合いが悪く、練習に来る回数も減っていたが、つい先日新しい仲間を見つけ、本格的に練習を再開した。拓人が知っているといえばこれくらいだ。

「氷川さんはいつも熱心に練習してる。傍から見てる俺にもわかるくらいにはね。」

「へぇ、そっか!おねーちゃんらしいや!ところでさぁ~。」

姉の話を聞いて再び上機嫌だった日菜が不満そうな顔をする。

「氷川さん氷川さんって、あたしも氷川さんなんだけど?」

「あ、それもそうだった。」

「あたしのことは日菜って呼んでよ!これから長い付き合いになりそうだしさ!」

いままで仲のいい女の子も名前で呼んだことのない拓人には少々ハードルが高かった。

とはいえ、氷川さんでは混同してしまうし、氷川姉、氷川妹というのもなにか違う。散々悩んだ挙げ句

「じゃあ、日菜・・・さん、じゃダメかな?」

「う~ん、あたしは別に呼び捨てでも気にしないんだけどなぁ・・・」

日菜は少し不満そうに言ってから、拓人に手を差し出す。

「改めてよろしくね!たっくん!」

「た、たっくん?」

「え、だって拓人って言うんでしょ?だからたっくん!」

少し気恥ずかしいと思いながらも、拓人は手を差し出し、

「こちらこそ。」

そういいながら握手すると、日菜がはにかむ。

白いキャンパスに、ティファニーブルーが添えられた瞬間だった。

 




メンバーと最初のお話って、書いてるとすごく長くなってしまってダラダラしてしまうので、いっそメンバーごとに話を区切ってしまおう作戦。
そして早くもいい文章が思いつかない。学の無さが露見してしまうぅ・・・。

いかがだったでしょうか?

一応不定期と最初に述べてはいますが、ここまで時間がかかるとは自分でも驚きです。
リアルで忙しくて・・・申し訳ありません。

こんな感じで続きも少しずつ進めて行きたいと思います。

よろしければまたよろしくお願い致します。
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