提督「艦娘からのアプローチが怖い」   作:かむかむレモン

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指輪は我らのもの

 

 

 

 

 

大本営から正式な発表があった。

 

 

艦娘の練度限界を突破する装備の開発に成功、量産が出来次第、鎮守府に一つずつ配備するとのこと。

 

装備条件は、装備する艦娘の練度が限界に達していることのみ。

 

練度限界はちょっとやそっとで辿り着けるものではなく、長い時間と、提督と艦娘の信頼関係が無ければ実現出来ない。

 

 

故に、その装備の形と、艦娘への配備風景が、ある儀式と似ていた為、ケッコンカッコカリと呼称された。

 

 

 

 

 

...実を言うと、俺はある程度予想がついていた。

 

開発が成功したという噂が広まった時、俺はあるワードが耳に残っていた。それは『ケッコン』だった。

 

 

 

 

は?結婚?マジかよ。

 

軍は遂に配偶者すら縛るのかと思ったが、実際損ではなかった。

 

共にいる期間が長いため、性格や行動習慣がある程度わかるのは大きなメリットだと思う。昨今、価値観の違いとかいうクッソ便利なワードのお陰で離婚も少なくないからな。

 

そういう意味では納得がいくが、やっぱ『ケッコンカッコカリ』という名前がちょっとなぁ。

 

 

 

 

俺の鎮守府にも近日中に配備されると連絡があった。

 

その書類とにらめっこしてると、今日の秘書艦である青葉が覗いてきた。

 

青葉を見るのは久しぶりな気がする。今まで何をしていたのだろうか...

 

 

 

 

 

 

 

青葉「何か気になる書類があるようですね~」

 

提督「...そう見えたか」

 

青葉「司令官、何か考えてる時は頬杖つくか眉間を掻きますから」

 

提督「え」

 

青葉「えへへ、青葉はよく見てますから」

 

 

 

 

 

自覚無しだった俺の癖を見抜かれ、少し驚く。

 

俺そんなにわかりやすい行動してたかなぁ。

 

うーん、何か変な気分だから話題を変える。

 

 

 

 

 

 

提督「そういや最近見なかったが、どこか行ってたのか?」

 

青葉「お、司令官鋭いですねぇ。ちょっとお忍びで旅行してました!」

 

提督「お前...許可も無しにか」

 

青葉「ごめんなさい!どーしても行きたいところがあったので!」

 

 

 

 

 

 

青葉の行きたいところ?どこだ?

 

京都とかそういう古都は別にお忍びで行くほどのものじゃないしなぁ。言えば許可出すし。

 

俺に隠してまで行くところってなんだ?

 

 

 

 

まさか夜の街とか?

 

 

 

 

 

まあ青葉もいい年頃だしな。そういう場所行くのは構わないが...

 

 

 

 

 

 

 

提督「...ふむ」

 

青葉「あの、今司令官が思ってるような所には行ってませんよ?」

 

提督「な、なんの事だ?」

 

青葉「もー、司令官ってば心配性ですねぇ♪でも、嬉しいです♪」

 

提督「...」

 

 

 

 

 

言い方から察するに、本当に俺が思ってた事を見抜いたようだ。超能力者か。

 

 

普通に考えてただけで、特にわかりやすいサインは出してないはずなんだが...

 

 

 

 

 

 

 

青葉(司令官の実家に行ったなんて言えるわけないですかから)

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

提督の実家

 

 

 

 

 

 

青葉「ごめんくださーい」ピンポ-ン

 

 

 

 

 

提督母「はい、どなたでしょうか?」ガチャ

 

青葉「突然の訪問、失礼します。私は○○鎮守府に所属している重巡洋艦、青葉と申します」

 

提督母「○○鎮守府...って、まさか息子の?」

 

青葉「はい。司令官は○○(提督のフルネーム)です」

 

提督母「あら~!艦娘さんでしたか!遠路遥々ご苦労さまです~!上がっていって!」

 

青葉「恐縮です!」

 

 

 

青葉(実家潜入成功です!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提督父「青葉って言ったら、あの『ソロモンの狼』のか」

 

青葉「あはは、そんな事言われてたんですか...」

 

提督父「こんな寂れた家に来て頂きありがとうございます。それにしてもあのバカ息子、来るなら連絡ぐらい...」

 

青葉「あ、青葉が勝手に来たので、その...」

 

提督父「何!艦娘の方が直々に出張るとは、何かあったんですか」

 

青葉「あ、それなんですけど、司令官の事について少々...」

 

提督母「そうだ、あの子ったら全く連絡寄越さないのよね。元気にしてる?」

 

青葉「はい。元気に...していますね」

 

提督父「...失礼ですが、その間は何かあったとお見受けしますが」

 

青葉(流石司令官のお父さんですね。こういうところは鋭い)

 

青葉「そのー、青葉が着任したての時は全く元気がないと言うか、必要以上のコミュニケーションを取らなかったので」

 

提督母「まぁ!こんな可愛い子に勿体ない!」

 

青葉「あはは...そのー、理由が後でわかったので、青葉は気にしてないです」

 

提督父「理由とは?」

 

青葉「少し話が変わりますが、司令官が軍学校に編入する前、大学を休学したという話を聞きましたか?」

 

提督父「休学?」

 

提督母「え、あの子そんなことしてたの?」

 

青葉(やはりお話になられてなかったみたいですね...)

 

 

青葉「その、休学になった理由が、青葉たちと必要以上に距離を取っていた理由なんです」

 

提督父「それは...なんですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

青葉、事情説明中...

 

 

 

 

 

 

 

提督父「...そんな事があったとは知りませんでした」

 

提督母「あの子、何で言ってくれなかったの...」

 

提督父「まあ母さん、代わりに艦娘の方たちに話したんだ。少しは良い方に向かっているんだろう」

 

 

 

 

青葉「それで、司令官が交際に対して理念を持ったのは、お父さんの影響とも言ってましたが、何か教えたりしたんですか?」

 

提督父「私は何も教えた事は無いですよ。恋愛に関しては、息子の自由にしていました」

 

提督父「だが、強いて言うなら、私を真似たのかもしれません。子は親を見て育つものですから」

 

青葉「という事は、お父さんも一途という事ですね?」ニヤニヤ

 

提督父「まあ...そうと言われればそうなるか」

 

提督母「恥ずかしいですね」

 

提督父「私も浮気や不貞は好ましく思っていません。だって、誰も幸せにならないでしょう?一時の幸せなど、有りもしない幻です。必ず残るのは後悔と破局だけですから」

 

青葉「そうですねぇ」

 

提督父「傍にいてくれる事が何よりの幸せなのに、それが当たり前と感じてしまうと、人は飽きてその幻に憧れたりするものです。息子は...運が悪かったのかもしれないですね...」

 

 

青葉「でも、そのお陰で司令官に会えましたから、青葉は一概にそうと言えないです」

 

 

提督父「...そうですか」

 

 

 

 

 

青葉「そういえば司令官にお見合いなんて話が来てたりします?」

 

提督母「うーん...来てはいないけど、候補は...」

 

青葉「あ、あの、出来れば、これからお見合いの話は全て無しにしてもらいたいのです」

 

提督母「え、どうして?」

 

青葉「司令官は外部の女性に対して未だに不安を抱いています。何とか青葉たち艦娘が和らげていますが、外部の女性との接触でトラウマが再発するかもしれないのです。だから、司令官の事は、青葉たちに任せて欲しいのです」

 

提督母「え、そうなるとお嫁さんは...」

 

青葉「鎮守府の艦娘になると思います」

 

提督母「まぁ...」

 

提督父「いいんじゃないか?」

 

青葉(おっ)

 

提督父「私は反対はしない。息子を裏切らない限りはね」

 

提督父「艦娘の方たちなら付き合いも長いだろうし、価値観もだいぶ分かってるだろう。それに、息子が幸せになってくれるなら、それで構わない」

 

提督母「...お父さんがそう言うなら..」

 

青葉「...わかりました。今日はありがとうございました」スッ

 

提督父「何ですかそれは」

 

青葉「突然訪問してしまったお詫びと、取材料です」

 

青葉「最後に、もう一つお願いがあります。どうか青葉がここに来た事は、司令官には知らせないで下さい。よろしくお願いします」ペコ

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

青葉(司令官の実家に行ったことは他の子達にも報告済みです)

 

 

青葉(だから、もう外部のメス犬共は司令官に近寄れない)

 

 

青葉(地位と金で擦り寄る女は司令官に相応しくないですよ)

 

 

青葉(たとえそれを抜きにして司令官を好きになっても、もう手遅れですよ)ハイライトオフ

 

 

青葉(司令官からの指輪は、青葉たちのものです)ニタァ

 

 

 

 

 

 

 

 

提督「青葉?」

 

青葉「ふへへ...」ニヤニヤ

 

提督(ふふ、こわ...)ブルッ

 

 

 

 

 

 







コメントにて地の文は提督くんの内情なのでそのままの状態がいいとあったので修正無しで載せました


多分他のも戻していくと思います

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